食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04890380184
タイトル ノルウェー自然研究所(NINA)、慢性消耗性疾患(CWD)の2017年モニタリングの概要に関して情報提供
資料日付 2018年3月7日
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分類2 -
概要(記事)  ノルウェー自然研究所(NINA)は3月、シカ科動物に関するポータルサイト「Hjortevilt」で、慢性消耗性疾患(CWD)の2017年モニタリングの概要に関して情報提供を行った。概要は以下のとおり。
 同概要では、国策として行われた同モニタリングにおけるハンターを動員した射殺によるCWD検体収集に言及している。
1.ハンターによる検体収集が行われた地域(2017年)
 秋はNordfjella地域の野生トナカイの頭部を対象に検体収集が行われた。狩猟シーズン期間は、Hol、Al、Gol、Hemsedal、Selbu、Tydal及びMalvik地域のヘラジカ(elg)、シカ(hjort)及びノロジカ(radyr)の頭部も対象となった。
 収集された頭部検体からは、脳及びリンパ節が採取され、CWDプリオンに関する検査が行われた。これらの地域及び頭部検体の収集が昨年行われた他の地域におけるモニタリングから得られた知見は、モニタリングに関する評価を行う根拠として用いられ、今後のモニタリングの枠組みに活かされる。
 現時点で、モニタリング実施済み地域に加え、他の地域で頭部検体の収集を行う用意はない。
2.リンパ節検体
・一部の患獣では、脳組織ではなくリンパ節からCWDプリオンが検出された。全ての地域において、脳組織と共にリンパ節も採取しなかったのはなぜか?
 ノルウェーにおいても、また世界的にも、プリオン病の標準的な検査手法は脳組織の検査である。しかし、感染性プリオンの検出精度を向上させるために、感染が確認された患獣についてはリンパ節の検査も行うことが望ましい。CWDの臨床症状症発生前に感染性プリオンがリンパ節から検出される場合もある。
 Selbu地域のヘラジカに由来するCWDは伝達性を有するかについては確証が持てない。リンパ節の検査が行われた感染ヘラジカ1頭からは感染性プリオンが検出されず、もう1頭の感染ヘラジカに由来するリンパ節については検査が行われなかったからである。
 野生のシカ科動物の検体では咽頭リンパ節を探すのは困難を伴う場合があるが、不可能ではない。現時点では、ハンターが適切な脳検体を提出することの重要性が強調される。ハンターにより多くの頭部検体が提出されれば多くの検査が行われ、包括的なモニタリングが担保できる。脳検体の提出はハンターにとって容易である。一方で、可能であれば咽頭リンパ節検体を提出することの必要性も叫ばれている。
・研究者が得た知見は、北米のミュールジカ(mulhjort)、オジロジカ(hvithalehjort)及び北米のワピチ(wapiti)に関するものであり、それらの知見がノルウェーの野生トナカイ及びヘラジカにも当てはまるのかはほとんど分かっていない。北米の情報によれば、ワピチは他の2種類のシカ科動物とは異なる。更に、リンパ節への感染は見られないが脳検体で感染が見つかる場合もある。また、脳検体もリンパ節検体も検査結果が陰性であるのに、他の部位から感染性プリオンが検出されるケースも示されている。
 野生トナカイ又はヘラジカにおいてCWDがどのように進行するかに関する知見がほとんどないことが背景にある(感染部位は常にリンパ節なのか、また、CWDはどのくらいの期間リンパ節に留まった後に脳に感染するのか)。更に、CWDの伝達速度に関して、また、集団感染のステータスに関して説明するのは時期尚早である。
・ハンター自らがリンパ節検体を採取することが求められている。
 2017年にCWDが確定したNordfjella地域の患獣うち、最後の3頭は、脳組織ではなくリンパ節にCWDが見つかった。ハンターが咽頭リンパ節を含む検体を提出することの重要性を示すものである。ハンターがリンパ節を含む頭部検体を適切に切除するための一助となる動画が作成された。脳検体の検査ではなくリンパ節の検査でCWDが確認されたことは、患獣がCWDの早い段階で死亡したことを示している。
・将来は、糞便検査に基づくCWDモニタリングの可能性が?
 CWD感染を糞便検査で確認できる手法がある。現在、その手法は、経済性などを考慮しフィージビリティについて調査中である。将来は、糞便検査を用いたCWDのモニタリングの可能性がある。この手法が、CWDによる環境汚染に関する知見獲得に、また、将来のCWDモニタリングの補完手法の開発に有益な手法となることを期待する。
地域 欧州
国・地方 ノルウェー
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) ノルウェー自然研究所(NINA)
URL http://www.hjortevilt.no/skrantesjuke/skrantesjuke-jaktinnsamling-2017/
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