食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04890190109
タイトル 米国国家毒性プログラム(NTP)「CLARITY-BPAコア研究に関するNTP報告書案:ラットにおけるビスフェノールA(BPA)の周産期及び長期的な広域用量範囲試験」を公表(2/2)
資料日付 2018年2月23日
分類1 化学物質
分類2 その他
概要(記事)  米国国家毒性プログラム(NTP)は2月23日、「CLARITY-BPAコア研究に関するNTP報告書案:ラットにおけるビスフェノールA(BPA)の周産期及び長期的な広域用量範囲試験」を公表した。概要は以下のとおり。(2/2)

 6. 結果(主に雌)

 組織病理学的評価において、様々な対照群及びBPA投与群の雌雄の両方でこの系統のラットの老化に関連した数多くの非腫瘍性の病変が見出された。1年目の投与停止群の雌において、25
,000μg/kg体重/日グループの子宮でのう胞性子宮内膜過形成及び扁平上皮化生の増加並びに卵巣で卵胞のう包の増加傾向及び有意な増加が見出された。

 のう胞性子宮内膜過形成の増加が、投与停止群の2
,500μg/kg体重/日及び25
,000μg/kg体重/日の2年目において見出された。この年齢におけるバックグラウンドの症例は多く、用量の異なるグループ間での差は最小であるが、重症度スコアを組み込んだ統計検定により評価されたように、投与停止群の2年目の雌の2.5μg、250μg、2
,500μg及び25
,000μg/kg体重/日で心筋症が増加した。

 継続したBPA投与群の1年目において、子宮のアポトーシス及び膣上皮の過形成が25
,000μg/kg体重/日で増加した。膣上皮の過形成が、継続したBPA投与群の25μg/kg体重/日から25
,000μg/kg体重/日で、各用量レベル間で類似した反応で、2年目に増加した。

 7. 結果(雄)

 投与停止群又は継続した投与群の1年目又は2年目の雄において、BPAの投与に関連した明らかな腫瘍性の影響はなかった。また、投与停止群の試験期間中の雄においてBPAの投与に関連した明らかな腫瘍性の影響はなく、2年目の雄においての25
,000μg/kg体重/日で脳下垂体前葉過形成の増加が唯一の影響であった。

 継続したBPA投与群の2年目ではなく1年目の雄において、25
,000μg/kg体重/日で、精巣のだつ落の増加及び精巣上体リンパ球浸潤の増加が見出された。継続したBPA投与群の2年目の雄において、脳下垂体前葉の過形成が25μg/kg体重/日及び25
,000μg/kg体重/日で増加した。1年目及び2年目では、大部分のグループで変動した増加を伴い、前立腺の背葉/側葉の炎症の増加が高いバックグラウンドで見出された。

 8. エストロゲン(エチニルエストラジオール(EE2))投与群

 EE2参照投与群において、雌で0.5μg/kg体重/日のばく露レベルで多数の有意差のあるEE2投与に関連した影響があった。16週目の性周期の評価時において、0.5μg EE2/kg体重/日の用量グループの90%以上の雌が、持続発情を示した。1年目において、副腎、心臓、腎臓 肝臓及び脳下垂体の平均重量は、対照群の平均よりも0.5μg EE2/kg体重/日でより多かった。卵巣及び子宮周囲脂肪並びに卵巣重量は、EE2の高用量グループで対照群よりも有意に少なかった。1年目では、小葉過形成及び導管拡張が0.5μgEE2/kg体重/日の乳腺で高まった。アポトーシス、のう胞性子宮内膜過形成及び扁平上皮化生の増加が、EE2の高用量の雌の子宮で見出された。0.5μg EE2/kg体重/日の下垂体において、卵巣での萎縮及び卵胞のう包の増加、膣の過形成の症例の増加、前葉の過形成及び血管拡張の増加が見られた。また、EE2の高用量の雌の1年目で、心筋症及び腎症の症例の増加が見られた。2年目において、0.5μg EE2/kg体重/日の用量グループで乳腺腺がんの症例の有意な増加が見られた。0.05μg EE2/kg体重/日及び0.5μg EE2/kg体重/日の両グループにおいて、2年目での子宮の化生の増加傾向及び腎症の症例の増加が見られた。

 雄においては、僅かな統計上有意な影響が見られた。EE2の高用量グループにおいて、1年目の精巣上体リンパ球浸潤の症例の増加及び2年目の脳下垂体前葉での過形成の増加が見られた。

 9.まとめ

 結論として、今回のCLARITY-BPAのコア試験において、BPAは、特に25
,000μg/kg体重/日以下で、バックグラウンドと違いが区別できる程度の僅かな影響(minimal effects)であった。対照的に、EE2の高用量では、雌において幾つかの強い影響を引き起こした。

 数多くの統計上有意差のあるBPAの影響は、用量に反応したものではなく又はたった1つの用量で生じたものであった。投与停止群及び継続した投与群において、一貫した反応の明確なパターンはなかった。投与停止群及び継続した投与群のラットは、異なる取り扱われ方で統計上の比較はできないが、幾つかのケースで、1つの試験群において対照群と比べてBPA投与グループでの病変例の統計上有意な増加が、例として、雌の乳腺の異型性巣、雌雄の腎臓の非腫瘍性の影響、雌の甲状腺及び前立腺といった別の試験群における対照グループに類似していた。

 このことは、今回の試験群で見出されたそれら増加が、通常の生物学的変動の範囲内であることを示唆する。

 (訳注:6.~9.のタイトルは内容に沿ってつけた。)
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) -
URL https://ntp.niehs.nih.gov/ntp/about_ntp/rrprp/2018/april/rr09peerdraft.pdf
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