食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04880560314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、テレビの料理番組が我々の衛生慣行にもたらす影響に関して情報提供
資料日付 2018年1月24日
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分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は1月24日、テレビの料理番組が我々の衛生慣行にもたらす影響に関して情報提供を行った(2018年1月24日付け情報提供 No.05/2018)。概要は以下のとおり。
1.背景
 BfRは、「ベルリン国際緑の週間」(訳注:2018年は1月19~28日)に合わせて、テレビの料理番組が我々の衛生慣行にもたらす影響に関する調査研究結果を発表した。
 料理のあらゆる魅力を伝えるテレビ番組が人気である。テレビの料理番組は、知識及びレシピを伝授するだけでなく、エンターテイメント性も多分に有する。
 しかし、BfRが行った調査研究では、キッチン衛生はテレビの料理番組では重要視されていないことが示された。Andreas Hensel BfR長官は、「我々の研究結果から、テレビの料理番組では衛生上の誤った行為が平均で50秒に1回行われており、重要な衛生措置が往々にして無視されがちであることが示された」と語る。テレビの料理番組に対しては、キッチン衛生を適切に示すことにより、食中毒防止対策の実践を促進するロールモデルとなることを期待する。
 同長官は、「例えば、卵、生の野菜又は肉を触った後は十分に手を洗う、また、調理の一つの作業を終了するたびにまな板を洗浄するなどを実践すれば、自らも他の人たちも食中毒から身を守ることが可能である」と解説する。
2.パンフレットより抜粋
2-1.概要
・不適切なキッチン衛生は往々にして過小評価されがちであることが、複数の調査結果から示されている。このような状況を受け、BfRはテレビの料理番組が家庭におけるキッチン衛生に与える影響に焦点を当てた調査研究を行った。このパンフレットは、それに関する最新の情報提供である。
・衛生上の適切な行動の欠落は、細菌が拡散する原因となる。細菌感染には、食品から食品への拡散(交差汚染)や、調理における加熱が不十分な場合の感染がある。
・食品由来疾病の患者数は多い。その一方で、家庭における食品衛生と健康影響との関連性を意識する消費者は極めて少ない。当該結果は、BfRの最新の消費者意識調査の結果からも示されている。
 それによれば、ケータリング業界におけるキッチン衛生が懸念材料であると回答した人の割合は42%であったのに対し、自宅におけるキッチン衛生が懸念材料であると回答した人の割合は17%に過ぎなかった。
・テレビの料理番組は、ドイツでも、また他の国々でも人気である。
 ドイツでは、2015年3月~2016年3月に60タイトルの料理番組が放映されている。主に公共放送で放映された(公共放送枠で35本、民間放送枠で25本)。これらの料理番組が依然として人気を得ている理由は、知識及びレシピの伝授に留まることなく、エンターテイメントとしての性質がますます強くなってきているからである。
 しかし、テレビの料理番組に見られるキッチン衛生は往々にして完璧とは言えないという点は懸念材料である。
 一方で、米国では、テレビの料理番組中の衛生上不適切な行為の数は、適切な行為の数を下回っていた。
 衛生上のヒヤリハット行為が真似されれば、食中毒感染に繋がる。
・テレビの料理番組中の衛生行動による視聴者の行動への影響に関して調べたBfRの調査研究の結果は以下のとおりである。
 誤った衛生行動が伴う料理番組を視聴する視聴者と比べ、完璧な衛生行動を伴う料理番組を視聴する視聴者では、調理時に犯す誤りの数がより少ない。
 当該研究では、被験者に料理のビデオを見せ、その後、被験者はビデオで見た料理を実験用キッチンで調理した。キッチン衛生がテーマであることは伏せられていた。被験者には、衛生上誤った行為を複数含む調理、又は衛生上の過りが全くない調理のいずれかのビデオを見せた。ビデオで見た料理を再現する際の被験者の行動に関して観察が行われ、それぞれのビデオで見られた衛生行動が被験者のキッチン衛生に影響を与えたかについて分析が行われた。
・また、高視聴率を誇る番組100本に関して、衛生上の誤りについて分析が行われた。その結果、衛生上の誤りは50秒に1回の割合で確認された。大半が中程度の誤りで、その一つ一つは、病原体の拡散に繋がり交差汚染が生じる可能性のある行為であった。
 テレビの料理番組では衛生はどの程度重要視されているのか?テレビの料理番組に関して分析した結果、最も多く見られた衛生上の誤った行為は以下のとおりである。
1)汚れた手を食器用布巾で拭く、2)塩又は調味料を指で振りかける、3)まな板を完全に洗浄しない、4)掻く、くしゃみをする、咳をする、鼻をかむ、頭髪に触れる又は目を擦るなどの行為の後に手洗いをしない。
・キッチン衛生に関するヒント:食品由来感染症予防のための対策は?
 調理の前に、石けんで手を十分に洗浄する。交差汚染を回避するためには、生の食品用の調理スペースを確保し、清潔な手で作業を行う。次の手順に移る前に、調理台の表面及び調理器具を十分に洗浄する。
 食品は十分に加熱調理する。食品内部を最低でも70℃で2分間加熱する。サラダ、ハーブ類、野菜及び果実など、生で摂取する食品は、徹底的に洗浄して細菌を除去する。
 キッチン用タオル、雑巾、スポンジなどは定期的に洗濯する又は交換する。
・手洗いは徹底的に行う(指と指の間及び爪の中まで、20~30秒間)。
 小児向けのヒント:童謡「Alle meine Entchen」(わたしのアヒルさんはみんな)を2回歌えば、十分な手洗い時間(20秒)を確保できる。
2-2.BfRの研究の詳細
1)ケーススタディ1(テレビにおけるキッチン衛生)
・期間:2015~2016年
・方法
 ドイツのテレビの料理番組に関して調査が行われ、そのうちの高視聴率番組100本について、衛生上の誤りに関する分析が行われた。
 ドイツで放送されている全ての料理番組は網羅していないが、高視聴率番組が8本含まれている。
2)ケーススタディ2(実験的研究)
・期間:2016年11月~2017年2月
・方法
 調理に関するビデオを3種類作成した(衛生上完璧な内容、衛生上誤った内容、衛生面を意識しない内容のコントロールビデオ)。被験者に、これらのうち一つを見せた(任意抽出)。キッチン衛生がテーマであることは伏せられていた。その後、被験者は実験用キッチンに移動し、ビデオで見た料理の再現に取り掛った。その時の衛生上の誤りに関して観察が行われた。
・被験者の男女比
 65人中女性57%、男性48%。

 当該パンフレット「スポットライトの中のキッチン衛生:テレビの料理番組は私たちの衛生慣行に影響を与えるか?」(ドイツ語、16ページ)は以下のURLから入手可能。
http://www.bfr.bund.de/cm/350/kuechenhygiene-im-scheinwerferlicht.pdf
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/en/press_information/2018/05/kitchen_hygiene_in_the_spotlight__do_tv_cooking_shows_influence_our_hygiene_behaviour_-203453.html
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