食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04840370485
タイトル 英国公衆衛生庁(PHE)、英国における人獣共通感染症に関する年次報告書(2016年)を公表
資料日付 2017年12月5日
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概要(記事)  英国公衆衛生庁(PHE)は12月5日、英国における人獣共通感染症に関する年次報告書(2016年)を公表した(50ページ)。概要は以下のとおり。
 当該報告書に収められたデータは、届出疾病の報告、国レベルのモニタリング制度、国の検査機関の報告、管理プログラム及び調査研究活動に由来するものである。これらのデータの一部は、人獣共通感染症に関する欧州委員会指令2003/2099(EC)の枠組みでの「Trends and Sources Report」の形で、担当各機関から欧州委員会(EC)に提出されている。
1.特集記事「英国の自治体で発生したジフテリア:Corynebacterium ulceransが原因の人獣共通感染症のひとつ」
 1986~2008年の英国のジフテリア患者に関するレビューでは、疫学的な変化が強調され、近年の毒素産生性分離株の大半は、外来のC.diphtheriaeではなく、特定の地域に特有のC.ulceransが原因であるとの報告があった。同様の変化は他の西欧諸国でも報告されている。更に、ヒトのC.ulcerans感染は、牛との接触又は生の乳製品の摂取が原因であると長い間考えられていたのが、室内飼育動物(イヌ・ネコが宿主として特定される)に由来する人獣共通感染症リスクが主となった。
2.疾病ごとの情報(2016年)より抜粋
1)鳥インフルエンザ
 英国では、ヒトの鳥インフルエンザウイルス感染の報告はなかった。
2)カンピロバクター症
 人口10万対報告率は2015年の96.9人から2016年の90.8人に減少した。2015~2016年にいずれの地域でも患者数の減少が見られ、スコットランドで報告率の減少幅が最も大きかった。北アイルランドでは、依然として、英国の他の地域と比べ報告率は低い(人口10万対67.9人)。患者の報告率は年によって異なることから、いかなる増減も分析は慎重に行われるべきである。
3)クリプトスポリジウム症
 2016年に英国で報告された患者数は6
,711人(報告率は人口10万対10.3人)で、2015年に引き続き増加した。報告率は、2015年時点でも前2年間と比べても増加が見られていた。2016年の報告率は、2012年(人口10万対10.4人)と比べると微減であった。2016年の増加分の多くは、特定の土地に特有のC.hominisが寄与している。
 食品を介した集団感染の報告はなかった。
4)サルモネラ属菌
 2016年に報告された非チフス性サルモネラ属菌による患者数は10
,341人であった。対前年(9
,492人)で増加した。2014年(8
,078人)と比べると大幅な増加である。英国を構成する全ての地域で報告数が増加した。
 過去2年間において英国におけるサルモネラ症患者の報告数が対前年で増加したのは、2014年の終わりにイングランド及びウェールズにおいて検査機関の報告システムが変更されたことが原因の一つと考えられる。これらの地域では翌年に、第二世代モニタリング制度(SGSS)が導入された。従って、2015年とそれより前の年の患者数を直接比較する場合は慎重な分析が伴うべきである。
 英国のSalmonella Enteritidis症患者の報告数は2
,760人で、対前年(2015年、2
,857人)で減少した。
 英国のS. Typhimurium症患者の報告数は1
,953人で、対前年(2015年、1
,878人)で微増した。
 外国への渡航歴を有する患者における割合が最も大きかったのは、S. Kentucky及びS. Stanley(55%)であった(検査機関の報告ベース)。
 PHEのリファレンス・ラボが受理する全てのサルモネラ属菌分離株は全ゲノムシークエンス法を用いた検査が行われるが、一方で、現時点で分離株の約65%については、一塩基多型(SNP)解析法を用いて定期的に検査が行われている。
5)志賀毒素産生性大腸菌(STEC)
 STEC O157感染者数は、2015年は863人であったが、2016年は962人と増加した。半数はイングランドで発生している。
 2016年は、検査機関で確認された英国の非O157 STEC患者は533人であった。英国では、診断バイアスを理由に、非O157 STEC感染による疾病負荷はSTEC O157感染と比べ過小評価されている。この点を慎重に考慮すれば、英国ではO157に次いで多く検出される血清型はO26である。英国の第一線の検査機関における診断技術の変革に伴い非O157 STECの検出率が向上した結果、以前と比べ報告数が顕著に増加した。
 英国では2016年に、STEC集団感染が合計で9件報告され、272人の患者が報告されている。5件が集団食中毒で、4件は食中毒ではない又は以下の理由で特定されなかった。
・動物と触れ合う催しが原因(2件)
・英国全土に患者が分散したが、共通の感染源は特定されなかった(1件)。
・血清型O55が原因と見られるイングランドの一地域に限定的に発生した集団感染について調査が行われたが、共通の感染源は特定されなかった(1件)。当該集団感染は、以前に特定された菌株(2014~2015年に調査)の再発であった。
6)政府の検査機関により確認された人獣共通感染症の感染動物頭数又は感染件数(2007~2016年)
 英国における牛海綿状脳症(BSE)患畜は、2016年は0頭であった。
7)添付資料(抜粋)
・英国における集団食中毒(胃腸疾患)の原因と見られる感染経路としての食品(2016年)(カンピロバクター、リステリア・モノサイトゲネス、サルモネラ属菌及びSTEC)
 当該報告書「英国の人獣共通感染症に関する概要報告:2016年」は以下のURLから入手可能。
https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/664448/UK_Zoonoses_report_2016.pdf
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国公衆衛生庁(PHE)
情報源(報道) 英国公衆衛生庁(PHE)
URL https://www.gov.uk/government/publications/zoonoses-uk-annual-reports
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