食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04760470104
タイトル Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR):「現場からの手記:外発的に汚染されたヒトの搾乳を未熟児に与えたことに関連したクロノバクター・サカザキ感染症‐ペンシルバニア州、2016年」
資料日付 2017年7月21日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  米国疾病管理予防センター(CDC)のジャーナルMorbidity and Mortality Weekly Report(Weekly/July 21
, 2017/66(28):761-762)に掲載された概説「現場からの手記:外発的に汚染されたヒトの搾乳を未熟児に与えたことに関連したクロノバクター・サカザキ感染症‐ペンシルバニア州、2016年 (Notes from the Field: Cronobacter sakazakii Infection Associated with Feeding Extrinsically Contaminated Expressed Human Milk to a Premature Infant-Pennsylvania
, 2016)、著者A. Bowen(CDC)ら」の概要は以下のとおり。
 2016年4月、女児が推定妊娠29週で帝王切開により産まれ、出生時体重は3ポンド(1
,405グラム)であった。彼女の新生児集中治療室における臨床経過は、生後21日に敗血症を発症するまで通常であった。血液培養及び脳脊髄液の培養の結果、病原性のグラム陰性桿菌であるCronobacter sakazakiiが得られた。アンピシリン及びセフェピムによる治療にも拘らず、彼女は痙攣を発症し、脳画像から、左脳半球全体及び右前頭葉の液化壊死が明らかになった。乳児は、痙性脳性麻痺及び広範囲の発育遅延を発症し、脳室腹腔シャント及び胃瘻造設栄養管を要した。
 乳児は、生後1週間殺菌ドナー人乳及び搾母乳(EMM)を与えられ、その後市販の液体人乳強化剤を混ぜたEMMを受けた。母乳は乳児の入院中ずっと、専用のベッドサイド病院母乳ポンプ及び母親の個人の母乳ポンプを使用して搾乳された。乳児には、乳児用調製粉乳製品を与えていなかった。
 病院の臨床医及び細菌学者、Allegheny郡保健局、米国食品医薬品庁(FDA)及びCDCは、感染源を調査した。検査した品目及び材料は、個人及び病院の母乳ポンプキット;個人の母乳ポンプからの冷凍EMMの検体;手搾乳の母乳;母親の胸部治療に使用したラノリン;乳児に与えられたロットの人乳強化剤、クエン酸カフェイン、ビタミンD及び鉄分サプリメント;病院のベッドサイド及び家庭のキッチンの水道水、蛇口及びシンク表面;家庭のキッチンの洗面台2つ;並びに母親の大便を含む。
 C. sakazakiiは、個人の母乳ポンプキットのバルブ、発症前の7日間にそのポンプキットを使用して採取された11の冷凍EMM検体、並びに母親の家庭のキッチンシンクの配水管から培養検出された。個人の母乳ポンプキット及び11の冷凍EMM検体を培養して、更に各々2~5種類のグラム陰性細菌が得られた。他の検体からは、病原体は得られなかった。最も早い採取日のEMM分離株除く全てのEMM及び臨床C. sakazakii分離株のパルスフィールドゲル電気泳動パターンは区別できなかった。
 母親は、通常個人の母乳ポンプからの採取キットを洗浄も消毒もしないで5時間以下洗面器の石鹸水に浸すと報告した。彼女はそれからキットを水洗し、空気乾燥し、プラスチックのジップトップの袋に次回の使用まで保管した。病院の母乳ポンプからの採取キットは、すぐに洗浄され、ベッドサイドで完全に空気乾燥された。母親からは、乳腺炎の症状又は兆候の報告はなかった。
 C. sakazakiiは、特に乳児において敗血症及び重度の髄膜炎を発症させることがある。クロノバクター感染症は、汚染乳児用調製粉乳が原因となっているが、1度だけ乳児用調製粉乳に関連しない乳児感染の汚染源が報告された。しかしながら、クロノバクターは他の食品及び環境で見つかる可能性があり、一部の感染した乳児は乳児用調製粉乳を摂取していなかった。
 今回のこの外発的に汚染されたヒトの搾乳摂取によるC. sakazakii感染症例は、髄膜炎、脳壊死及び顕著な発育遅延の結果となった。人乳は、ほとんど全ての乳児にとって理想的な食品であり、多くの疾病リスク低減に関連している。しかしながら、微生物は搾乳した人乳において急速に増殖する可能性がある。多くの女性が、搾乳時の良い衛生状態を報告しているが、搾乳された人乳は、恐らく搾乳に関連した準最適な衛生慣行のために、しばしば病原体に汚染されている。この事例における汚染源は不明であるが、母乳ポンプキットはC. sakazakiiに汚染され、適切に洗浄又は殺菌されず、数日間このキットで搾乳された母乳の汚染に導いた。搾乳時又は後に汚染された人乳は、乳児をC. sakazakiiを含め様々な病原体感染リスクに晒す可能性がある(can)。CDCは、母乳ポンプ衛生を最適化するガイダンスを作成した。臨床医は、衛生的な搾乳及び人乳の取り扱いに関する詳細な勧告を乳児にEMMを与える予定の両親に提供すべきである。病院及び職場等、母親が搾乳する必要がある状況では、衛生的な搾乳及び人乳の取り扱いを容易にすべきである。
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) 米国/疾病管理予防センター(CDC)
情報源(報道) 米国疾病管理予防センター(CDC)
URL https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6628a5.htm?s_cid=mm6628a5_w
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