食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04720170314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、グリホサートに関するメディアとのインタビュー記事を公表
資料日付 2017年5月29日
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概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は5月、グリホサートに関するメディアとのインタビュー記事を公表した。概要は以下のとおり。
 当該インタビューは、4月19日付け南ドイツ新聞(Suddeutsche Zeitung:SZ)に掲載された。
 当該インタビューを受け、欧州食品安全機関(EFSA)は、モンサント論文に関する一部の利害関係者から寄せられた懸念及び産業界及び第三者に由来する影響について行われた内部調査後の声明を公表することを決定した。
 グリホサートを巡っては、恩恵である、悪魔のしわざであるなど賛否両論がある。グリホサートによるヒトへの影響に関しても論争が見られる。世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は、グリホサートには発がん性があるとし、EFSAなど他の国際機関は、グリホサートは有害ではないとしている。
 ドイツではBfRがグリホサートに関する評価担当である。BfRは、グリホサートの使用はリスクを伴わないと考える。BfRの農薬の安全性を担当する部門長であるRoland Solecki博士(RS)がインタビューに応じた。
 以下、当該インタビューより抜粋。
SZ:グリホサートを飲むことはあるか?
RS:通常、いかなる農薬有効成分も飲まない。
SZ:しかし何百万人の人たちは飲んでいる。例えば、ビール1杯でもグリホサートを含む。
RS:その通りだ。全ての食品中から微量のグリホサートが検出される。だが問題は、どのくらいの量で検出されるかだ。ビールを例にすれば、有害であると考えられるレベルのグリホサートを摂取するには一度に数千リットルのビールを摂取しなければならない。それまでには、アルコール中毒で死亡してしまうだろう。
SZ:グリホサートは、40年前に米国のモンサント社が初めて使用して以来ずっと販売されている。それにも拘らず、ヒトに対するがんリスクがあるか否かに関して未だに確実性を持って言うことができないのはなぜか?
RS:その点は、科学に基づいて述べることが可能であると考える。グリホサートは、農業用途で適切に使用される場合はヒトにおけるがんリスクはない。これは米国、カナダ、豪州、日本及びニュージーランドの当局の意見でもある。
SZ:しかし、欧州では、グリホサートの認可を継続すべきかを巡り激しい議論の対立が見られる。
RS:グリホサートは販売開始以来、定期的に評価見直しが行われている。定期的な評価見直しは、最新の科学技術を反映させるために義務付けられている。およそ10年ごとに見直しが行われる。現時点で、BfRによる結果は幅広く取り入れられている。
SZ:では、この2年間は、なぜこれほどまでに激しい論争になったのか?
RS:多くの理由がある。当時、南米におけるグリホサートの使用に関しても、報告書が欧州に届いた。南米では、グリホサートが広く使用されており、個人的には、その状況が問題であったと考える。例えば、欧州で禁止された農薬成分がグリホサートと共に空中散布された。この広範な使用が奇形と関連性があるとも言われているが、原因は立証されていない。一方、欧州では食品分析手法の有効性が増し、今では、以前には検出されていなかった極めて微量のグリホサートも検出可能である。
SZ:グリホサートに発がん性があるかを巡っては、一流の科学者の間でもかなり激しい論争となっている。BfRとは異なり、IARCはグリホサートを「おそらく発がん性がある」と考えている。IARCは、結局はWHOのがん研究機関だが。
RS:IARCの科学者に対しては大いに敬意を表す。しかし、10以上の一流の国際機関、WHOの管轄機関及び国際連合食糧農業機関(FAO)は、グリホサートは適切に使用される場合はがんの原因とはならないと結論付けた。「おそらく発がん性がある」と言っているのは1機関である。
SZ:化学は明確な科学と考えられているが、評価結果の違いにはどんな理由があるのか?
RS:科学者を40年もやっているが、常に様々な意見がある。IARCの仕事は、あらゆる物質(レッドミートから染毛剤まで)に関して調べ、発がん性があるかを判断することである。グリホサートに関しては、IARCは一部の入手可能な論文のみを使用した。
SZ:現在、グリホサートの認可継続を支持する特定の論文への批判がある。米国のモンサント社が当局及び科学者に影響を与えたとも、また、モンサント社も複数の論文を書いたとも言われている。モンサント社から連絡はあったのか?
RS:同社から問い合わせの電子メールを3通受け取った。追加データを誰に提出すべきかに関する問い合わせであった。担当であるドイツ連邦消費者保護・食品安全庁(BVL)を紹介した。BfRは、同社との電子メールのやりとりの一つ一つについて公開を義務付けられていた。BfRは、評価の後で批判された論文及びグリホサートの認可継続に好意的と思われたいかなる論文も使用していない。
SZ:おそらく、直接的には使用しなかったであろう。しかし、それらの論文はEFSAによる評価過程に組み込まれており、その結果、グリホサートに関する評価が肯定的な内容になった。
RS:私はBfRに関する事しか話せない。BfRは、受け取った論文のみを吟味し、その妥当性を判定した。
SZ:認可過程は非常に偏っていると考えられる。グリホサートの使用を支持する機関は、いずれも、モンサント社が提出した論文を根拠としている。一方で、IARCなど独立した機関の意見は見当違いと断言されている。
RS:これらの論文は、明確に定義された正式な規則に基づいて吟味される。吟味過程には、お互いに独立の立場にある機関で働く数百人の科学者が携わっている。彼らは企業に雇用されていない。
SZ:政府機関が調査研究の委託及び委託調査研究のモニタリングを行い、その費用を企業が負担するほうが良いのではないか?
RS:この点については激しい政治的議論が長年続いているが、有効成分に関する評価についての規則を決めるのは国会議員である。我々の影響が及ぶところではない。科学者及び評価者の立場で言えば、唯一重要なのは、根底となる論文の科学的な質及びデータであり、情報源ではないということである。
SZ:それは科学的には妥当であると考えられる。しかし、グリホサートを巡る論争の結果、人々が不安になっていることは理解できるか?
RS:勿論理解できる。私に言えるのは、BfRは、消費者保護のためにできるあらゆることを、科学的観点に立って行っているということだ。植物保護製剤中の有効成分に関する試験は、他の殆どの化学製品以上に徹底的に行われる。家庭用化学製品及び肌に毎日使用する化粧品でさえも、試験はこれほど徹底していない。
 EFSAの「グリホサートの欧州連合(EU)による評価及び「モンサント論文」に関連する利害関係者の懸念に対処したEFSAの声明」(5月23日付け、5ページ)は以下のURLから入手可能。
https://www.efsa.europa.eu/sites/default/files/170523-efsa-statement-glyphosate.pdf
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/cm/349/bad-weeds-grow-tall-conversation.pdf
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