食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04640050464
タイトル オーストリア保健・食品安全局(AGES)、MCPD類及びグリシジル脂肪酸エステル類に関するQ&Aを公表
資料日付 2017年1月26日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  オーストリア保健・食品安全局(AGES)は1月26日、MCPD類及びグリシジル脂肪酸エステル類に関するQ&Aを公表した。概要は以下のとおり。
Q1:3-MCPD及び2-MCPD並びにグリシジル脂肪酸エステル類とは何か?
A1:遊離型MCPD(3-及び2-モノクロロプロパンジオール)及びそのエステル類は、グリシジル脂肪酸エステルと共に加工汚染物質に属する。これらの物質は主に精製植物油の生産工程で生成する。MCPD脂肪酸エステルは150℃以上で、グリシジル脂肪酸エステルは200℃以上で生成され、全ての精製植物油中に、また、これらを成分として使用する全ての食品中に存在する。
 最新の知見では、3-MCPD類は動物由来食品(魚、肉など)中でも生成される場合があることが示されている。トーストした、グリルした、フライにした、くん製にした食品中でも検出される。
Q2:これらの物質による健康影響は何か?
A2:3-MCPDは潜在的な発がん性があると考えられている。2016年、(訳注:(欧州食品安全機関(EFSA)により))耐容一日摂取量(TDI)の0.8μg/kg体重/日が設定された。2-MCPDには現時点でそのような基準は設定されていない。生物への影響は十分に調べられていない。
 グリシジル脂肪酸エステルが体内に入るとグリシドールに分解されれる。この物質には発がん性及び遺伝に関する有害事象の可能性があるとされている。食品経由摂取は可能な限り少なくすべきである。
Q3:3-MCPD類はどの食品に含まれるのか?
A3:食用油、食用油脂及びそれらから作られる食品(マーガリン、ペストリー及び菓子製品、パン用スプレッド(チョコレートスプレッド、ピーナッツバターなど)、フライ製品及び種々のスナック菓子(プレッツェル、ポテトチップスなど)並びに乳児用食品及/フォローアップ食品で検出される。パーム油には比較的高濃度で含まれる。
Q4:どの食品が寄与源となっているのか?
A4:EFSAによれば、乳児では乳児用調製乳及びフォローアップ乳が主な寄与源である。3歳までの幼児では植物油及び油脂、ビスケット、ペストリー及びケーキ、乳児用調製乳、フライにした又はローストした肉製品が主な寄与源である。3歳超の幼児では、マーガリン、ペストリー及びケーキ、高温でフライにした又はローストした肉製品及びチョコレートスプレッドである。青少年では、マーガリン、ペストリー及びケーキ及びフライにした又はローストした肉製品である。
Q5:消費者にできることは?
A5:ほとんどの消費者において、これらの望ましくない物質の摂取にはパーム油/パーム油脂が有意に寄与している。パーム油/パーム油脂は多くの食品に含まれる。フライにした油脂にはこれらの物質が高濃度で含まれる。従って、フレンチフライ、シュニッツェルなど、フライにした食品の摂取を少なくすることを推奨する。
Q6:母乳栄養を行っていない母親及び工業生産される乳児用調製粉乳を子供に与えている保護者はどうすればよいか?
A6:母乳栄養でない場合は、他に選択肢がないので乳児用調製粉乳を与える。乳児用調製粉乳は乳児が必要な栄養を含み、正しい成分組成で作られている。
Q7:これらの汚染物質を低減するために何が行われているのか?
A7:EFSAの研究によれば、パーム油脂/パーム油中のグリシジル脂肪酸エステルは、メーカーの努力により2010~2015年に半減している。消費者のグリシジル脂肪酸エステルへの食品経由ばく露は有意に低減している。
 植物油中の3-MCPD及びその脂肪酸エステル類のレベルには、過去5年間でほとんど変化が見られない。
 欧州委員会(EC)は植物油脂及び乳児用調製粉乳中のグリシジル脂肪酸エステル及びMCPD類の基準値を、2017年にも設定する予定である。
地域 欧州
国・地方 オーストリア
情報源(公的機関) オーストリア保健・食品安全局(AGES)
情報源(報道) オーストリア保健・食品安全局(AGES)
URL https://www.ages.at/themen/rueckstaende-kontaminanten/mcpds-gycidyl-ester/
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