食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04530470295
タイトル 国際連合食糧農業機関(FAO)、FAO/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA)の第81回会合のモノグラフを公表
資料日付 2016年7月15日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  国際連合食糧農業機関(FAO)は7月、FAO/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA)の第81回会合のモノグラフを公表した。概要は以下のとおり。
1.このモノグラフVol.18は、第81回JECFA会合(2015年11月17日~26日)に基づくもので、特定の残留動物用医薬品に関する評価が盛り込まれている。
 この会合は、食料生産動物種の残留動物用医薬品についての検討、食品中の残留動物用医薬品の安全性評価に関する原則及び許容一日摂取量(ADI)/急性参照用量(ARfD)の設定に関する原則についての更なる吟味、議題に上がっている物質に関して、動物用医薬品を優良規範に則って食料生産動物に投与する場合の最大残留基準値(MRL)の推奨に特化した会議であった。このモノグラフでは、MRL推奨のための科学基盤を提供している。
2.目次
2-1:初めに
2-2:残留のバイオアベイラビリティ及びばく露評価への影響
2-3:ジフルベンズロン
2-4:イベルメクチン
2-5:ラサロシドナトリウム
2-6:シサプロニル
2-7:テフルベンズロン
2-8:ジルパテロール塩酸塩
3.付属書1:第81回会合の議題に上がった化合物に関する提言の概要及び今後必要な情報
3-1.ジフルベンズロン(害虫駆除剤)
・ADI:4-クロロアニリン(PCA)ばく露に関する適切な情報(ジフルベンズロンの遺伝毒性及び発がん性に関する代謝/分解)が無いことから、JECFAは、ジフルベンズロンのADIを設定することはできなかった。ジフルベンズロンを動物用医薬品として使用する場合に適切な安全マージンが存在するのか、確証が持てなかったからである。
 JECFAは、また、PCAばく露に関する適切な情報が無いことから、PCAのばく露マージンを算出できなかった点も指摘した。
・残留物の定義(residue definition):ADIが設定できなかったことから、MRLも推奨できなかった。
 JECFAは、ヒト及びラットにおけるジフルベンズロンの比較代謝試験(例:肝細胞)などが、今後の評価の一助となるであろうと考えた。
3-2.イベルメクチン(寄生虫駆除剤)
・ADI:イヌを使った14週間実験での神経学作用(瞳孔拡大)及び体重増加鈍化における無毒性量(NOAEL)である0.5mg/kg体重/日に基づき、ADIを0~10μg/kg体重/日と設定した(不確実係数は50)。前回のADIである0~1μg/kg体重は取り消された。
・ARfD:NOAELである1.5mg/kg体重に基づき、ARfDを0.2mg/kg体重と設定した(不確実係数は10)。
・残留物の定義:イベルメクチンB1a
 推奨MRLは、牛の脂肪で400μg/kg、腎臓で100μg/kg、肝臓で800μg/kg、筋肉で30μg/kg。
 イベルメクチンの乳牛への使用に関しては新たなデータは提出されなかった。従って、JECFAは、乳中の残留イベルメクチンのMRLである10μg/kgの改定は推奨しなかった。
3-3.ラサロシドナトリウム(抗生物質)
・ADI:第78回会合(WHO テクニカルレポートシリーズ(TRS) No.988、2014年)で設定されたADIに変更はない。
・残留物の定義:第66回会合(WHO TRS No.988、2014年)で推奨されたMRLが維持された。
3-4.シサプロニル(外部寄生虫駆除剤)
・ADI:JECFAは、長期毒性試験の欠如を補う適切な不確実性係数決定の根拠が無いことから、ADIを設定することはできないと結論付けた。
・残留物の定義:ADIが設定できなかったことから、MRLも推奨できなかった。
3-5.テフルベンズロン(害虫駆除剤)
・ADI:雄のマウスにおける肝細胞肥大のBMDL10である0.54mg/kg体重/日に基づき、ADIを0~5μg/kg体重/日と設定した(不確実係数は100)。
・残留物の定義:テフルベンズロン
 推奨MRLは、サーモンの切り身で400μg/kg、筋肉で400μg/kg。
3-6.ジルパテロール塩酸塩(β2-アドレナリン受容体アゴニスト)
・ADI:第82回会合で設定された0~0.04μg/kg体重(WHO TRS No.988、2014)を再確認した。
・ARfD:ヒトでの単独投与試験における急性薬理作用の最小毒性量(LOAEL)である0.76μg/kgに基づき、ARfDを0.04μg/kg体重と設定した(不確実係数は20)。
・残留物の定義:筋肉、肝臓及び腎臓のジルパテロール(遊離塩基)
 推奨MRLは、牛の腎臓で3.3μg/kg、肝臓で3.5μg/kg、筋肉で0.5μg/kg。
 肝臓及び腎臓以外の、肺及び他の可食臓器への残留ジルパテロールによるばく露を適切に考慮するには、残留データは不十分であった。JECFAは、臓器を含む組織に関する定義は各国で異なると指摘した。JECFAは、食品残留動物用医薬品部会(CCRVDF)に対し、可食臓器に関する定義を準備するよう要請する。
4.付属書2:第32回会合~現在のJECFAによる残留動物用医薬品に関する評価の概要
 第32回(1987年)、34回(1989年)、36回(1990年)、38回(1991年)、40回(1992年)、42回(1994年)、43回(1994年)、45回(1995年)、48回(1997年)、50回(1998年)、52回(1999年)、54回(2000)年、58回(2002年)、60回(2003年)、62回(2004年)、66回(2006年)、70回(2008年)、75回(2011年)、78回(2013年)及び81回(2015年)会合での評価の概要が添付されている。これらの会合は、食品中の残留動物用医薬品に関する評価に特化した会合であった。
 「JECFA第81回会合モノグラフVol.18:特定の残留動物用医薬品に関する評価(2016年刊)」(228ページ)は以下のURLから入手可能。
http://www.fao.org/3/a-i5590e.pdf
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 国際連合食糧農業機関(FAO)
情報源(報道) 国際連合食糧農業機関(FAO)
URL http://www.fao.org/documents/card/en/c/1cc884f7-c40c-4a9d-a8ec-48533c709656/
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