食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04510150305
タイトル 欧州連合(EU)、植物保護製剤の有効成分グリホサートの認可期間を延長
資料日付 2016年6月30日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州連合(EU)は6月30日、植物保護製剤の有効成分グリホサート(glyphosate)の認可期間を延長する委員会施行規則(EU) 2016/1056を官報で公表した。概要は以下のとおり。
1. 委員会施行規則(EU) No 540/2011の附属書のA編は、規則(EC) No 1107/2009に基づき認可されているとみなされる有効成分を定めている。
2. 有効成分グリホサートの認可期間は、2016年6月30日に失効する。理事会指令91/414/EECの附属書I(訳注:植物保護製剤への含有を認可された有効成分のリスト)への当該成分の収載更新を目的とした申請書が、委員会規則(EU) No 1141/2010の第4条に基づき提出された。
3. 申請者が管理できない理由により、当該成分の評価及び認可更新に係る決定が予定より遅れているため、当該成分の認可更新に係る決定が下される前に、当該有効成分の認可が失効する可能性がある。
4. グリホサートの潜在的な発がん性に関する国際がん研究機関(IARC)の所見を受けて、欧州委員会(EC)は2015年4月29日、欧州食品安全機関(EFSA)に対し、(1)その基礎をなす知見を検証し、(2)IARCの所見をEFSAの結論に含めるよう指令を出した。EFSAは、規則(EC) No 1107/2009に基づく評価手続きにおいて、(1)グリホサートがヒトに対する発がん性のハザードを有するとは考えにくい、(2)グリホサートの潜在的な発がん性に関する、規則(EC) No 1272/2008に基づいたグリホサートの調和のとれた分類(harmonised classification)は、利用可能な科学的根拠によって妥当性を裏付けられない、と結論づけた。しかし、この点に関して、EFSAは、規則(EC) No 1107/2009(訳注:植物保護製剤の有効成分の認可等に関する規則)に基づく評価手続きの文脈でなされた分類についての提案は、規則(EC) No 1272/2008(訳注:化学物質等からヒトの健康及び環境を保護し、化学物質等の自由な流通を確保する規則)に基づく調和のとれた分類についての正式な提案ではないと撤回した。
5. 報告担当EU加盟国は2015年7月22日、規則(EC) No 1272/2008の第37条に基づき、発がん性に関するハザード(危害要因)クラスを含めてグリホサートの調和のとれた分類に関する申請書類を提出する意向を示した。当該報告担当EU加盟国は2016年3月17日、この申請書類を欧州化学品庁(ECHA)に提出した。ECHAは、規則(EC) No 1272/2008の第37条第4項に基づき、意見書を出すことになっている。
6. グリホサートの発がん能力に関して、IARCの所見とEFSAの提案は互いに異なっている。更に、グリホサートの調和のとれた分類の手続きは、既に開始された。2016年5月18日及び19日の「植物・動物・食品・飼料に関する常任委員会」における議論では、グリホサートの特殊な状況において、ECHAのリスク評価委員会の意見は、規則(EC) No 1107/2009で定める基準に基づく認可に関連性を有する可能性があるため、多数のEU加盟国がリスク管理機関としての役割において、認可の更新に係る決定を出す前に、グリホサートの発がん性に係る調和のとれた分類に関してECHAのリスク評価委員会の意見を得ることが適当であると考えていることが示された。
7. 調和のとれた分類に関する申請書類の評価に必要な時間の観点から、ECによるECHAのリスク評価委員会の意見書の受領日から6か月、但し、遅くとも2017年12月31日まで、当該有効成分の認可期間を延長する必要がある。ECがECHAのリスク評価委員会の意見書を受領したら、ECは、その受領日をEU官報で知らせる。
8. 規則 (EC) No 1107/2009の第17条の第一段落における目的の観点から、ECは、ECHAのリスク評価委員会の意見書の受領を受けて、グリホサートが認可基準を満たしていないためグリホサートの認可を更新しないと定める規則を採択する場合において、認可期間の失効日を、グリホサートの認可を更新しないと定める規則の発効日(たとえ、その発効日が認可失効日より早くても)と設定する。
9. 上記のグリホサートの認可期間の延長を考慮に入れ、また、グリホサートを含有する植物保護製剤への補助成分ポリエトキシ化牛脂アミン(POE-tallowamine)(CAS番号61791-26-2)の使用についてEFSAが特定した懸念に照らし、ECは、規則(EC) No 1107/2009の第21条に基づき、グリホサートの認可の検証を可及的速やかに行う予定である。
 以上の経緯及び観点から、委員会施行規則(EU) 2016/1056に基づき、施行規則(EU) No 540/2011を一部改正し、グリホサートの認可失効日を「2016年6月30日」から「ECによるECHAのリスク評価委員会の意見書の受領日から6か月後又は2017年12月31日のいずれか早い方」と置き換えることになった。委員会施行規則(EU) 2016/1056は、官報掲載の翌日に発効する。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州連合(EU)
情報源(報道) 欧州連合(EU)
URL http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:32016R1056&from=EN
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