食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04310690110
タイトル カナダ保健省(Health Canada)、米国食品医薬品庁(FDA)と合同で熟成軟質チーズの摂取によるリステリア症の定量リスク評価書を公表
資料日付 2015年7月31日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  カナダ保健省(Health Canada)は7月31日、米国食品医薬品庁(FDA)と合同で、熟成軟質(soft-ripened)チーズの摂取によるリステリア症の定量リスク評価書を公表した。概要は以下のとおり。
 カナダ保健省は、2007年~2015年に、FDAと協働で、米国及びカナダにおける、熟成軟質チーズの摂取によるリステリア症リスクの評価を行った。
 米国及びカナダにおいて、チーズ、特に軟質チーズ及び熟成軟質チーズの摂取と関連するリステリア症の散発例及び集団感染が発生している。この協働の定量リスク評価では、乳中のリステリア・モノサイトゲネス(Lm)、他の汚染源、チーズの製造工程及びチーズの流通・貯蔵条件などの要因が、熟成軟質チーズの摂取による消費者のリステリア症リスクにどう影響するかについて評価されている。このリスク評価は、熟成軟質チーズの摂取によるリステリア症リスクをどうすれば効果的に低減できるかを理解するための有用なツールである。
 今回の新たな情報を考慮し、カナダ保健省は、未殺菌乳から製造される軟質及び熟成軟質チーズ製造業者向けガイダンスを自主策定した。同省による助言を業界と共有し考慮してもらうことを意図している。
 当該ガイダンスの概要は以下のとおり。
1.リスク評価
・リスク評価の結果、生乳(未処理乳)から作られる熟成軟質チーズの摂取によるリステリア症リスクが増加する可能性が示された。生乳(未処理乳)から作られるチーズの摂取は低リスクではあるが、殺菌乳から作られるチーズの摂取よりはリスクは高い。
・また、リスク低減のための介入措置による比較も行われた(チーズの検査ロット、チーズ生産に使用される乳の検査、貯蔵要件の廃止など)。今回のリスク評価では、一定の介入措置が取られれば、生乳(未処理乳)から作られる熟成軟質チーズによるリスクの度合いを有意に低減することが可能であると結論付けている。
2.未殺菌乳を原料とする軟質・半軟質チーズに関する微生物学的安全性の向上のための助言
・予想されるリスクに関して最大限の低減を実現するために、製造者に対しては、異なる介入措置の組み合わせを検討することが推奨される。それにより、未殺菌乳を原料とする軟質・半軟質チーズの摂取に関連する食中毒リスクを有意に低減することが可能となる。
・このリスク評価は、まだ公表されたばかりであることから、結果を吟味する時間が必要である。カナダ保健省は、指針を策定し、規制に関する選択肢を考える上で、今後数か月間で利害関係者からの意見募集を行う。
3.未殺菌乳を原料とする軟質・半軟質チーズの生産者に対する助言
(1)チーズ生産用生乳(未処理乳)の検査
・定期的なサンプリング及び分析により、乳生産者が一貫して病原体(特にLm及びサルモネラ属菌)のない乳を生産しているかが明らかになる。
・カナダ保健省は、製造者が行う未殺菌乳中の微生物検査(Lm、黄色ブドウ球菌及びサルモネラ属菌)の基準を示している。Lm:N=5、c=0、m=0/25mL、M=0。サルモネラ属菌:N=5、c=0、m=0/25mL、M=0。黄色ブドウ球菌:N=5、c=0、m=2
,000/mL。
(2)最新の微生物基準を用いた最終製品検査
 カナダ保健省は、食品医薬品規則で定める微生物基準に加え、以下の微生物基準をチーズ検査に取り入れることを検討するよう、製造者に対して助言する。この基準は、軟質・半軟質チーズ中の懸念される病原体に関する進歩した科学的知見に基づいており、国際標準と合致している。未殺菌乳を原料とする軟質・半軟質チーズ中のLm:N=5、c=0、m=0/25g、M=0。サルモネラ属菌:N=5、c=0、m=0/25g、M=0。
(3)消費者向け情報
・製品が未殺菌乳を含むかに関する情報を、消費者が容易に入手できることが重要である。製造者は、チーズ前面の表示又は成分表に「生乳(未処理乳)又は未殺菌乳から作られている」との文言を含めることを検討すべきである。
4.付属書A:侵襲性リステリア症に対する介入措置の影響(カナダ及び米国における高齢者集団に対する1サービングごとの熟成軟質チーズに関して)
・殺菌乳を原料とする熟成軟質チーズにおけるベースラインを1とすると、
1)生乳(未処理乳)から作られる熟成軟質チーズに関して、60日間熟成の要件を廃止した場合、カナダで36、米国で62。
2)生乳(未処理乳)チーズに関して、農場のバルクタンクについて検査し、陽性結果のものを除去した場合、カナダで2.2、米国で3.0。
3)生乳(未処理乳)チーズに関して、チーズの全ロットについて検査し、陽性検体を含むロットを除去した場合、カナダで0.08、米国で0.13。
 このガイドライン「未殺菌乳から作られる軟質・半軟質チーズ製造者向け安全性向上のためのガイダンス」(8ページ)は以下のURLから入手可能。
http://www.hc-sc.gc.ca/fn-an/legislation/guide-ld/soft-cheese-unpasteurized-fromage-molle-non-pasteurise-eng.php
 「FDA/カナダ保健省 米国及びカナダにおける熟成軟質チーズの摂取によるリステリア症リスクの合同定量評価」に関する資料は以下のURLから入手可能。
http://www.fda.gov/Food/FoodScienceResearch/RiskSafetyAssessment/ucm429410.htm
地域 北米
国・地方 カナダ
情報源(公的機関) カナダ保健省(Health Canada)
情報源(報道) カナダ保健省(Health Canada)
URL http://www.hc-sc.gc.ca/fn-an/securit/ill-intox/info/2012-can-us-eu-listeria-cheese-fromage-eng.php
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。