食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04230650105
タイトル 米国食品医薬品庁(FDA)、「遺伝子組換え(GE)食品の安全性を規制するFDAの役割」を更新
資料日付 2015年3月23日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  米国食品医薬品庁(FDA)は、「遺伝子組換え(GE)食品の安全性を規制するFDAの役割」を更新した。概要は以下のとおり。
1. 序文
 GMOとも呼ばれるGE生物に由来する食品(バイテク食品ともいわれる)がフードサプライに登場してから20年ほど経過した。GE(genetic engineering)とはある生物に
新たな特性を付与する技法をいう。例えば植物を遺伝子的に操作して、生育を促がしたり作物中の栄養価を補強したりすることができる。FDAは、科学に基づいた取組を通じてGE植物に由来する食品及び成分を規制し、食の安全を担保している。
 人類は交配と選抜を通じて、植物の改良を数千年にわたり行ってきたが、このような在来の品種改良と区別するため、FDAでは「遺伝子組換え(genetically engineered)」又は「GE」という語を用いている。GE作物由来食品の規制には、FDAのほか農務省の動植物検疫局(APHIS)と環境保護庁(EPA)がかかわっている。APHISは有害生物や病害から農業を保護する責務を有し、GEの新品種が他の植物に有害な影響を及ぼさないように規制する。一方EPAは農薬の規制を担当しており、GEによって作物中に持ち込まれた農薬もこれに該当する。(図:自然交配法とGEによる遺伝子移行の違いを解説)
2. ほ場・市場におけるGE食品
 最初のGE微生物ができたのは今から40年ほど前で、植物・動物に対するGE技法の開発がこれに続いた。1990年代には、GE微生物・植物由来食品がフードサプライに初登場した。GE微生物を利用した初の食品は酵素製剤で、チーズの生産に用いるもので、多様なチーズに利用された。
 ワタ、トウモロコシ及びダイズは米国における最も代表的なGE作物で、全作付け量に占めるGE作物の比率はワタが94%、ダイズが93%、トウモロコシが88%となっている(2012年)。GE作物の大半は食品成分源及び動物飼料源として利用され、コーンスターチ(スープやソース)、コーンシロップ(甘味料として)、綿実油・大豆油(マヨネーズ、サラダドレッシング、シリアル、パン、スナック食品)に広く用いられている。このほかカボチャ(squash)やパパイヤなど、植物病害に対する耐性を付与された新種植物もある。また栄養特性を改良するためのGE植物も幾つかあり、FDAは2012年に心疾患リスクを抑える多価不飽和脂肪酸、オメガ-3脂肪酸を補強したGEダイズの評価(evaluation)を行った。
3. 安全性
 GE植物由来食品・食品成分は、通常の食品と同様、連邦食品医薬品化粧品(FD&C)法の安全要件に従わなければならない。FDAはGE植物の開発者に対し、製品の上市前にFDAに相談するよう奨励している。相談は任意であるが、自社製品を安全かつ合法的なものとするための必要手順を見極めるのに役立つ。
 開発者は安全性評価書(safety assessment)を作成するが、これには新たな遺伝子形質の顕著な属性の同定方法や、新物質による毒性・アレルゲン性の有無を明らかにし、従来植物との栄養素濃度の違いを比較することが含まれる。FDAの科学者は、この安全性評価書を評価(evaluate)するとともに、公刊データや情報のほかFDA独自の記録等を調査する。FDAの科学者チームが開発者の安全性評価書に納得し、安全性その他規制事項について疑義がなければ、開発者とFDAとの相談・協議は初めて完了となる。2013年5月現在、FDAはGE作物関連で96件の相談・協議を完了している。
4. GE食品に関する見解
 GE植物由来のものも含めFDAは食品及び成分全般を規制しているが、GE植物をその利便性ゆえに支持したり、リスクゆえに反対したりするものではない。FDAの優先課題は、あらゆる食品の安全性及びFD&C法その他関連法規の遵守を担保することにある。とは言え食品メーカー、農業業界、国民の間に様々な見解があることを承知している。
5. ラベル表示
 家族に食べさせる食品がGE由来かどうかを知りたいという消費者は少なくない。食品メーカーは、任意ベースではあるが、ラベル表示にその旨を記載できる。FDAはこのような任意のラベル表示制度を支持しており、表示に係るガイダンス案を公開している(サイトリンクあり)。FD&C法は虚偽又は誤解を招きやすい食品表示を禁じている。「重大な」事実、つまりラベルに記載されている表明・示唆に重大な情報、又は当該食品の使用から生じる結果が重大な情報が明らかにされていないなら、その食品表示は誤解を招きやすいということになる。
 GE食品に係るFDA規則に関して、これまで請願書を2通受理した。いずれもGE食品のラベル表示に関するFDAの姿勢を変えるよう求める内容だった。現在請願書の内容を精査し、問題点を検討している。
 GE植物由来食品に関するQ&Aが以下のURLに掲載されている。
http://www.fda.gov/Food/FoodScienceResearch/Biotechnology/ucm346030.htm
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) 米国/食品医薬品庁(FDA)
情報源(報道) 米国食品医薬品庁(FDA)
URL http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm352067.htm
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。