食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04190340507
タイトル スペイン消費食品安全栄養庁(AECOSAN)、ビスフェノールAに関する情報を更新
資料日付 2015年1月27日
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分類2 -
概要(記事)  スペイン消費食品安全栄養庁(AECOSAN)は1月27日、ビスフェノールA(BPA)に関する情報を更新した。概要は以下の通り。
1. BPAとは何か、どのようなところに存在するか?
 BPAは、ポリカーボネート及びエポキシフェノール樹脂を製造する材料として長年使用されている化学物質である。本物質は現在、食品に接触するプラスチック材料及び物品に関する委員会規則(EU) 10/2011によってプラスチックの製造に許可されている。
 ポリカーボネートは、食品包装及び食品に関連しない日常的に接する多くの物品(CD・DVD、玩具、化粧品容器など)に使用される硬質透明プラスチックの一種である。また、エポキシフェノール樹脂は、食品及び飲料の缶詰の被膜に使用される。
2. BPAの毒性影響とはどのようなものか?
 欧州食品安全機関(EFSA)は2015年1月21日、2006年に行った前回の評価以降のすべての評価も含めた、BPAのリスクを再評価した意見書を公表した。EFSAは、高用量(耐容一日摂取量(TDI)の100倍以上)のBPAはげっ歯類の腎臓及び肝臓、並びに乳腺に悪影響を引き起こす可能性があるが、ばく露とこれらの影響を関連付ける作用機序は明らかになっていないと結論づけた。
 またEFSAは、BPAが生殖、神経、免疫、代謝、心血管系機能及び発がん性について影響を及ぼす可能性はおそらくないが、その可能性を排除することもできないと結論づけた。
3. 耐容一日摂取量(TDI)とは何か、またBPAのTDIはどれくらいか?
 TDIとは、ヒト が一生涯にわたり毎日摂取しても健康に有害な影響が現れないと推定される化学物質の量で、通常mg又はμg(/kg 体重/日)で表される。
 リスク評価のためにEFSAに提出された研究の分析により、食品におけるBPAのTDIは50μg/kg 体重/日から4μg/kg 体重/日へ変更された。新たなTDI値の算定には、BPAの健康に対する影響についての不確実性が考慮された。このTDIは暫定TDI(t-TDI)で、米国国家毒性プログラム(NTP)による研究結果を待つものであり、EFSAの評価におけるすべての不確実性が解決されることが期待されている。
4. 消費者は日常生活においてどのようにBPAにばく露するか?
 EFSAのデータによれば、すべての人口集団において食事経由が主なばく露源で、78~99%と推定される。続いて感熱紙が3歳以上の人口集団において7~15%、3歳未満の子供ではほこりが2.1%と推定される。算定された総ばく露量は、2006年に推定された量の4~16分の1であった。この相違は、EFSAが異なるばく露源についての算定を精密化し、ばく露源を具体化したことによる。
 BPAの喫食ばく露は乳児~幼児(0歳~3歳)の人口集団において高いが、これは体重と食品喫食の不均衡によるもので、この年齢層は自己の体重に比べて多量の食品を喫食する。これは高ばく露の明らかな例のように見えるが、本研究は、哺乳瓶で育てられた乳児の喫食ばく露は、最も望ましくない推定においてもTDIを大きく下回ることを示した。
 また、2011年6月1日以降、BPAを含有するポリカーボネート製の乳児用哺乳瓶の販売及び輸入は禁止されている。
5. 以上のデータを鑑み、BPAを含有する材料は安全であるか?
 EFSAは2015年の意見書の総括として、現在のBPAの推定ばく露量はTDIを大きく下まわり(3~5分の1)、いずれの人口集団においてもヒトの健康にいかなるリスクを及ぼさないとした。またEFSAの専門家らは、玩具、ほこり、化粧品容器、感熱紙による非摂食由来のBPAばく露に関する健康上の懸念についても、食品によるBPAと同様にTDIを下回ると結論づけた。
地域 欧州
国・地方 スペイン
情報源(公的機関) スペイン消費食品安全栄養庁(AECOSAN)
情報源(報道) スペイン消費食品安全栄養庁(AECOSAN)
URL http://aesan.msssi.gob.es/AESAN/web/cadena_alimentaria/subdetalle/BisfenolA.shtml
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