食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04120050301
タイトル 論文紹介:「カリフォルニア州の住居環境レベルのポリ臭化ジフェニルエーテル量及び小児急性リンパ性白血病」
資料日付 2014年10月3日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  Environmental Health Perspectives(Vol.122
,No.10
,pp.1110~1116
,2014年10月)に掲載された論文「カリフォルニア州の住居環境レベルのポリ臭化ジフェニルエーテル量及び小児急性リンパ性白血病(Residential Levels of Polybrominated Diphenyl Ethers and Risk of Childhood Acute Lymphoblastic Leukemia in California)、著者M.H. Ward (Occupational and Environmental Epidemiology Branch
, Division of Cancer Epidemiology and Genetics
, National Cancer Institute
, National Institutes of Health
, Department of Health and Human Services
, USA)ら」の概要は以下のとおり。
 背景:米国の住居において高レベルで見られる住居内に積もった粉塵は、ポリ臭化ジフェニルエーテル類(PBDEs)の主な暴露源である。
 方法:筆者らは、カリフォルニア州北部の小児白血病調査(Northern California Childhood Leukemia Study)の0歳から7歳までの急性リンパ性白血病(ALL)の167症例及び誕生日、性別、人種及び民族性の適合した出生証明書付きの214人からなる対照群を調べた。2001年から2007年に、子どもが起きている時間のほとんどを過ごす部屋のカーペットから、高容量小型表面試料採取器(high-volume small-surface sampler)又は家庭用電気掃除機で粉塵を集めた。14種類のPBDEの同族体(ペンタBDEであるBDE-28、BDE-47、BDE-99、 BDE-100、BDE-153、BDE-154、オクタBDEであるBDE-183、BDE-196、BDE-197、BDE-203、ノナBDEであるBDE-206、BDE-207、BDE-208及びデカBDEであるBDE-209)の濃度を測定した。人口動態(demographics)、収入、粉塵を収集した年度及びサンプリング法を補正し、ロジスティック回帰を使用して、オッズ比を算出した。
 結果:最も高濃度で検出されたのは、BDE-47、BDE-99及びBDE-209で、それぞれ平均で、1
,173ng/g、1
,579ng/g及び938ng/gであった。BDE濃度を4分割し、最も高濃度の住居グループと低濃度の住居グループを比べると、それぞれオッズ比が、総ペンタBDEsで0.7、総オクタBDEsで1.3又は総ノナ及びデカBDEsで1.0となり、ALLとの関連を見出せなかった。
検出されなかった住居のグループに対して、個々のBDE濃度を3分割した中で最も高濃度の住居のグループを比べると、それぞれオッズ比が、BDE-196で2.1、BDE-203で2.0、BDE-206で2.1及びBDE-207で2.0となり、ALLのリスクの著しい増加が見出された。
 結論:筆者らは、ALL及び一般的なPBDEsとの関連を見出さなかった。しかし、筆者らは、特定のオクタBDE及びノナBDEで明らかな関連を見出した。繰り返しのサンプリング及び生物学的な測定を含んださらなる研究は、有益な情報を与えるだろう。
 同号には上記論文の紹介記事「リスクファクターに正確に狙いをつけた?ポリ臭化ジフェニルエーテル及び急性リンパ性白血病」が掲載されている。概要は以下のとおり。
 米国ではもはや製造されていないが、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)難燃剤はまだ輸入品及び古い米国製品中に見られる。今回の新しい研究は、特定のPBDEの同族体がALLのリスクファクターである可能性を報告した。
 ALLは、ほとんどの西洋諸国で最も普通の小児白血病で、2歳から5歳児で通常診断される。米国がん研究所の疫学者で今回の論文の筆者は、“筆者らは、住居内及び周辺で検出される化学物質が、小児白血病のリスクファクターである可能性があるかどうかの評価に関心があった”と語る。
 これらあまり一般的でない同族体は精密な調査を免れてきた。米国環境健康科学研究所(NIEHS)所長は、“数年前までは誰もこれら物質を測定しなかった。これら多く臭素化したPBDEsの暴露が発がんリスクと関連しているという事実は懸念を引き起こす。また、母親及び子供の血中のPBDEレベルの測定は役立つだろう。米国でのPBDEの禁止以来、集団のPBDEsレベルは減少してきている”と語った。
 今日まで、オクタBDE及びノナBDEに関しての情報は限られている。米国環境保護庁(USEPA)は、今回の結果が発がんの可能性を示唆し、さらなる研究は価値があると見なす。米国国家毒性プログラム(NTP)は、現在、ペンタBDE及びその主な同族体の長期の発がん性試験を実施中である。
当該記事は以下のURLから入手可能。
http://ehp.niehs.nih.gov/122-A282/
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) Environmental Health Perspectives
URL http://ehp.niehs.nih.gov/wp-content/uploads/122/10/ehp.1307602.alt.pdf
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