食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04090440301
タイトル 総説紹介:「ビスフェノールA(BPA)並びに性及び生殖に関する健康:最新の実験上及びヒトの科学的根拠」
資料日付 2014年8月7日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  Environmental Health Perspectives (Vol.122
,No.8
,pp.775~786
,2014年8月)に掲載された総説「ビスフェノールA(BPA)並びに性及び生殖に関する健康:最新の実験上及びヒトの科学的根拠 (Bisphenol A and Reproductive Health: Update of Experimental and Human Evidence
, 2007?2013)、著者J. Peretz (Comparative Biosciences
, University of Illinois at Urbana-Champaign
, Illinois
, USA)ら」の概要は以下のとおり。
 背景:米国の専門家パネルは、2007年に、ビスフェノールA(BPA)暴露並びに性及び生殖に関する因果関係を再検討した。それ以来、生殖に関するBPAの影響の新しい研究が行われてきた。
 目的:今回の総説では、2007年以降、a)ヒト及び動物試験の知見、b)様々な生殖の評価項目に関するBPAの影響、c)BPA作用の機序に的を絞って得られたデータを要約する。
 方法:BPA並びに雄及び雌の生殖に関連するキーワードに基づいたPubMed検索を使用して、2007年から2013年までに発表された論文を再検討した。
 考察:BPAは、動物及びin vitroモデルの両方で減数分裂の開始に影響を及ぼし、動物モデルで生殖細胞巣崩壊(germ cell nest breakdown)を妨げ、いくつかの動物種で卵胞形成を促進し、複数の動物モデル及び女性でステロイド産生に変化を与え、動物モデル及び体外受精を受けている女性で卵母細胞を減らすことが報告されたため、筆者らは、BPAを卵巣の毒性物質と見なす。
 さらに、強力な科学的根拠は、BPAが動物モデルで、子宮内膜の増殖を弱め、子宮受容能(uterine receptivity)を減少させ、着床不全を増加させるため、子宮の毒性物質であることを示唆する。
 BPA暴露はヒトで、不運な出産結果、高アンドロゲン血症、性機能障害及び着床障害と関連する可能性があるが、これらの関連を裏付けるため、さらなる研究が必要である。
 いくつかの研究は、また、BPAが動物モデルで、精巣に対する毒性物質である可能性を示しているが、ヒトでのデータは不確かである。
 最後に、卵管、胎盤及び思春期の発育におけるBPAの影響に関しては、科学的根拠が不十分である。
 結論:筆者らは、BPAの雌の生殖への影響並びにヒト及び動物で雄の生殖系に影響を及ぼす可能性を示す報告に基づき、BPAが生殖の毒性物質であると結論付ける。
 当該総説は、以下の20の項目別に記述され、総引用文献数は139編。
1)方法、2)初期卵形成及び卵胞形成、3)ステロイド産生、4)卵母細胞:量、質及び受精、5)多嚢胞性卵巣症候群、6)卵管、7)子宮形態、8)子宮内膜、9)子宮受容能及び着床、10)胚発生、11)胎盤、12)妊娠結果、13)出生時体重、14)精子産生及び質、15)雄のステロイド産生、16)肛門性器間距離、17)雄の尿路、18)思春期及び性的受容能、19)性機能障害及び20)結論。
 また、結論では、各研究テーマを、ⅰ)強力な科学的根拠のあるもの、ⅱ)限られた科学的根拠のあるもの、ⅲ)科学的根拠が不十分なもの、ⅳ)さらなる研究が必要なものの、4つのグループに分類している。
 当該学術誌には、この論文の紹介記事「BPA並びに性及び生殖に関する健康:科学の現況の再検討」が掲載されている。
 筆者らは、BPAが動物及びヒトで卵巣の毒性物質であり並びに動物で子宮及び前立腺の毒性物質であるという強力な科学的根拠が存在すると結論付けた。
 筆者らは、将来の研究では、発達段階において重要な意味を持つ時期を重視し、現実的なヒトの暴露をより良く反映した継続したBPAの暴露及び用量の使用を推奨する。
 今回の再検討によると、卵巣に対する毒性は別として、BPAのヒトの生殖への影響の知見は、限られている又は決定的でない(limited or inconclusive)。
当該記事は以下のURLから入手可能。
http://ehp.niehs.nih.gov/wp-content/uploads/122/8/ehp.122-A223.pdf
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) Environmental Health Perspectives
URL http://ehp.niehs.nih.gov/wp-content/uploads/122/8/ehp.1307728.pdf
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