食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04090010475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、鉛の総合暴露に関する報告書を公表
資料日付 2014年7月11日
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概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は7月10日、保健総局(DGS)から様々な暴露経路を考慮した鉛の総合暴露に関する科学技術支援の要請を受けて、2014年3月31日で提出した報告書(仏語、118ページ)を公表した。
 保健総局(DGS)は2013年5月7日に、全ての暴露経路(空気、水道、食品、土壌粉じんなど)を考慮した鉛暴露及び生後6か月から6歳までの子供の血中鉛濃度データに関する科学的技術的支援を要請してきた。
1.本報告書の作成には以下の資料の汚染データを使っている。
・「鉛-住居」調査:(Lucas et al.
, 2012)
・フランスの第二回トータルダイエットスタディ(EAT2):(Anses
, 2011)
・フランスの乳幼児のトータルダイエットスタディ(EATi):(Anses、現在調査実施中)
・ボトル詰め飲料水に関するANSESのナンシー水文学研究所(LHN)の2008年調査データ
・フランス国立産業環境・リスク研究所(Ineris)の2007~2011年の大気性質データーベース(BDQA:base de donnees qualite de l’air)
・第2回フランス全国国民食生活実態調査(INCA2):(AFSSA[ANSESの前身のフランス食品衛生安全庁]、2009)
・フランス幼児用食品連合(Syndicat Francais des Aliments de l’Enfance:SFAE)の「2005年の赤ちゃん」調査:(Fantino et Gourmet
, 2008).
2.鉛暴露の合計暴露量の評価で採用したモデル化の仮定を考慮すると、計算外部暴露量は3歳以上の児童の暴露量が生後6か月~3歳までの暴露量より大きいように見える。これらの2つのグループの間の暴露量の差は非常に小さく、生後6か月から3歳までの平均暴露量は0.4μg/kg体重/日で、3歳以上では0.5μg/kg体重/日であった。これらの暴露量最も高いパーセンタイルでも同様に、3歳以上の集団が2.7μg/kg体重/日で、生後6か月から3歳までの合計暴露量の、集計方法により幅があるが、2.1μg/kg体重/日~2.5μg/kg体重/日よりも高かった。
3.暴露源のそれぞれの総暴露量に及ぼす平均寄与率及びその順位付けについては、合計方法が何であれ、これらの2つのサブ集団の両方で、食品経由が圧倒的に多い。食品経由暴露の寄与度は採用した集計方法では実際に3歳以下の子供で総暴露量の65%から67%の間で、3歳~6歳では79%から81%の間であった。次いで、土を口にしてしまうことによる暴露が多く、推定平均寄与率は3歳以下の子供で20%から21%の間で、3歳~6歳では11%から12%の間である。対象集団及び採用した集計方法に基づけば、これらの2経路だけで総暴露量への平均寄与率は86%から92%の間である。これに対し空気は暴露源としては重要でなく、対象集団の如何を問わず、総暴露量への寄与率は最大で2%程度である。総暴露量への寄与度が異なるのは調査対象の2つの媒介物、即ち水道水と室内粉じんである。実際に、3歳以下の子供では室内粉じんは水道水より寄与率が高く、使用合計方法によりそれぞれ8%から10%で、水道水は4%から2%であった。
4.最も暴露量が高い層10%に関しては、検討対象の2つのサブ集団間で大きな差がある。実際に、生後6か月から3歳の子供については、土を口にしてしまうことによることが総暴露量への最も寄与率が高い暴露源となり、その寄与率は、採用した合計方法によると、35%から44%の間にあると考えられる。次いで、食品経由が29%から39%である。しかし、3歳以下の子供については、順位が異なる。実際に、食品が最も寄与率の高い暴露源で48%から62%の間にあり、採用された合計方法によっては26%から27%の間で最も高い暴露量であった屋外の遊園地の土が2番目に寄与率が高い暴露源である。反対に、他の暴露源の順番は、水道水を除き、対象集団によらず同じであった。
5.暴露量幾何平均を考慮したモデルによる血中鉛濃度(9.7μg/L)は、フランス衛生監視研究所(InVS)が2008年~2009年に実施した鉛血中濃度調査(鉛体内負荷調査)で明らかにされた血中鉛濃度にほぼ匹敵するものである。これらの結果は文献の血中濃度ともほぼ同様である。即ち、IEUBKモデル(integrated exposure uptake biokinetic model for lead i children
, windows version)で計算した血中鉛濃度と測定血中鉛濃度の差は最大7μg/L程度である(Hogan et al 1998)。
6.観察された血中鉛濃度(計算値の9.7μg/L対実測値14.9μg/L)の差は暴露評価とモデル評価に関する不確定要素によるものと考えられる。
8.ANSESは2013年1月に発表した意見書で臨界血中鉛濃度(plombemie critique)を慢性腎疾患有病率の増加に関係する15μg/Lに設定した。この血中鉛濃度は、鉛の臨界効果として、今日までに特定されている鉛の全ての悪影響(中枢神経系、心臓血管系など)に対し、子供を含む全ての人を保護する成人の腎臓への影響を考慮して設定されている。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL http://www.anses.fr/sites/default/files/documents/AUT2013sa0092Ra.pdf
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