食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04010280314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、容器・包装中のビスフェノールA(BPA)に関するFAQを公表
資料日付 2014年3月25日
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概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は3月25日、容器・包装中のビスフェノールA(BPA)に関するFAQを公表した。概要は以下のとおり。
 2014年1月17日、欧州食品安全機関(EFSA)が、BPAの食品に接する容器・包装(ポリカーボネート容器及び缶の内側のコーティング剤など)への使用による健康影響評価に関する新たな報告書を公表し意見募集を行った。EFSAは、消費者のBPA摂取量は推定よりも大幅に低いことから、ヒトの健康に対する影響は少ないと結論づけている。BfRは、これに関連してFAQを公表した。
Q1:BPAによりどのような影響があるのか?
A1:BPAは、急性毒性は低いが、ホルモン様(エストロゲンなど)作用物質に属する。これらの物質は、科学界では内分泌かく乱物質とされる。しかし、これまでのところ、BPAによるヒトの健康に対する有害な影響は証明されていない。
Q2:EFSAの最終意見書はいつ公表されるのか?
A2:意見書素案に関する意見募集が2014年3月14日まで行われ、その後、質問、意見などを検討し最終的な意見書を作成する。
Q3:EFSAは意見書素案の結論は?
A3:消費者のBPAへの暴露量は、過去のEFSAによる推定よりも少なかった。食品(経口暴露)及び感熱紙(皮膚暴露)のBPAの最大暴露量は、約1~1.5μg/kg体重/日である。
 現在、米国の国家毒性プログラム(NTP)が、出生前及び出生後のBPA暴露のラットの2年間試験などを行っているが、これらは、BPAによる健康影響の可能性に関する不確実性の解明に役立つであろう。このような背景から、EFSAは暫定耐容一日摂取量(tTDI)を設定した。
Q4:EFSAが意見書素案の中で提言する耐容一日摂取量(TDI)は?
A4:tTDIは5μg/kg体重/日である。EFSAは、欧州の消費者のBPA摂取量は最大で1.0~1.5μg/kg体重/日と推定する。これは、明らかにtTDIを下回る。
Q5:なぜEFSAは、意見書素案で現在のTDIの引き下げを提言するのか?
A5:EFSAは2006年にTDIを50μg/kg体重と設定した。高用量のBPAによる影響に関して、マウス及びラットでの多世代試験が行われた。EFSAは2006年~2010年の研究結果を基に2010年に健康影響評価を行い、このTDIを確認した。その結果TDIの変更は必要ないとした。しかし、その後も、BPAの評価では、ヒトの健康に対する不確実性を示す新たなデータが見られる。2014年の意見書素案では、トキシコキネティクスに関する新たな研究に基づきTDIを5μg/kg体重とした。
Q6:BfRは、欧州食品安全機関(EFSA)の報告書をどう評価するか?
A6:BfRは、新たな科学的データに基づきTDIの調整が提案されていることを歓迎する。
Q7:ホルモン様作用物質は低用量でも有害な影響が考えられるのか?
A7:BfRは、これまでのところ、低用量のBPAによる健康への有害な影響を確認していない。
Q8:ドイツ及び欧州連合(EU)の規制値は?
A8:ドイツ及びEUでは、食品と接するプラスチックの材料及び物質について、特定移行限度値(SML)が定められている。BPAのSMLは600μg/kg食品(模擬物質)である。このSMLは、健康リスクなしに一生涯摂取してもよい摂取量である10μg/kg体重に基づいている。この値は2002年に食品科学委員会(SCF)により算出された。
 また、EUでは、ポリカーボネート製のほ乳瓶へのBPAの使用は認められていない。
Q9:子供は有害な量のBPAを摂取しているのでは?
A9:最悪のシナリオでは、経口及び皮膚経由暴露は、3歳~10歳児では最大で約1.3μg/kg体重/日である。EFSAは、年齢が低下すれば暴露量も低減すると推測する。子供及びその他の年齢の集団(出産適齢期の女性を含む)におけるBPA摂取量は、いずれも、EFSAが推奨するtTDIの5μg/kg体重を下回っている。
Q10:哺乳瓶の材料として、ポリカーボネートの代替はあるのか?
A10:BPAを含まないとされるポリプロピレン及びポリエーテルスルホンなど複数のプラスチック材料がある。
Q11:なぜ食品及び飲料の容器の内側のコーティング剤にBPAが含まれるのか?
A11:製造工程での汚染の結果、エポキシ樹脂の中にBPAが生成される。エポキシ樹脂もまた、食品/飲料容器の内側のコーティング剤に使われる。現在、BPAフリーのコーティング剤の選択肢は非常に限られている。
Q12:食品/飲料容器の内側のコーティング剤にBPAが含まれているかを知ることは可能か?
A12:エポキシ樹脂がコーティング剤に使われていることの表示義務はない。
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/cm/343/fragen-und-antworten-zu-bisphenol-a-in-verbrauchernahen-produkten.pdf
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