食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03940380475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、付属の動物衛生研究所が新たなクラミジア属のChlamydia ibidisを発見した旨を発表
資料日付 2013年12月5日
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分類2 -
概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は12月5日、付属の動物衛生研究所が新たなクラミジア属の1種であるクラミジア・イビディス(Chlamydia ibidis)の存在を明らかにしたと発表した。
1.鳥クラミジア症
鳥クラミジア症は、人工繁殖又は野性を問わず465種の鳥類に感染するオウム病クラミジア(C. psittaci)による疾病である。ANSESの研究所の一つがクラミジアの新種を発見したことを科学論文誌Plos Oneに発表した機会に、ANSESは、当該疾病(クラミジア)の国立リファレンス研究所でもあるその動物衛生研究所が実施した研究の現状を明らかにした。
 この疾病はヒトにも感染し、的確な診断がされず治療が遅れたなら虚弱なヒトでは致命的となる急性肺疾患を引き起こす可能性がある。養きん場や食鳥処理場の従業員、獣医師など鳥と直接接触する機会があるので、最もクラミジアに暴露する集団である。
 野鳥や家きんでは鳥クラミジア菌の無症状保菌鳥が養鶏場に非常に多く見られる。
 国立リファレンス研究所が最近実施した調査から、特に鶏、ハト、アフリカクロトキからクラミジアの新種の存在が明らかにされた。
2.アフリカクロトキから発見された新種のクラミジア
 アフリカクロトキは世界中の動物園に輸入された。1990年代にブルターニュ地方の動物園からアフリカクロトキの一群が逃げ出した。非常に適応力が高いことから、この種は急速に繁殖し大西洋岸沿いに定着した。この一群は5
,000個体を超え土着動物の生物多様性について生態学的に大きな問題となっているのみならず、病原菌のレゼルボア(宿主)として衛生上の問題も生じる可能性がある。
 これらのトキ類は、鳥クラミジアの保菌率が非常に高い養殖のカモ類と接触することが観察されており、国立リファレンス研究所はANSESのナント研究所の研究チームと共同して、これらの野鳥が病原性細菌を保有しているか及び野外飼養場にリスクを生じるものでないかを調べるための調査を実施した。
3.偶然の新種発見
 アフリカクロトキ70羽について実施した検査結果、8羽の個体がクラミジアを保有していたことが明らかになった。予想に反して、これらの8羽の1羽のみが以前に鳥から分離されていた病原体である鳥クラミジアを保菌していた。残りの7羽は非定型のクラミジアを保菌していた。米国およびドイツの研究チームと共同でこの非定型クラミジアのゲノム全配列を読み取り、電子顕微鏡写真でこれらの非定型クラミジアがクラミジア・イビディス(C. ibidis)と命名された新種と同等であることが確認された。
 今日、C.ibidisの病原性に関する証拠はない。今後追加試験を行って、当該新種に関する知見を深めていく必要がある。
4.ANSESが明らかにしなければならない問題点
 この発見で今日明らかにしなければならない問題が出てきた。まず、この新種のクラミジア感染の地理的発生源やこの疾病輸入後のフランスのどの地方で発生したかを特定することが関心の対象となる。この細菌が環境中に存在するのかも問題である。また、他の鳥や動物にも感染力を有するのか?最後に最も重要であるが、この新種の人獣共通感染症の特徴(細菌のヒト感染)を特定する必要がある。もし人に感染力を有するならば公衆衛生上の問題となる。これらのさまざまな問題の解答を見つけることができれば、ANSESはこの新種についてリスク評価を実施できるようになる。
Plos oneに掲載された論文の概要は以下のURLから入手可能。
http://www.plosone.org/article/info:doi/10.1371/journal.pone.0074823
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL http://www.anses.fr/fr/content/c-ibidis-une-nouvelle-esp%C3%A8ce-de-chlamydia-mise-en-%C3%A9vidence-au-laboratoire-de-sant%C3%A9-animale
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