食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03930350295
タイトル 国際連合食糧農業機関(FAO)、FAO/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA)の第78回会合(残留動物用医薬品)の概要及び結論を公表
資料日付 2013年11月22日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  国際連合食糧農業機関(FAO)は11月22日、FAO/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA)の第78回会合(残留動物用医薬品)(2013年11月5日~14日)の概要及び結論(12ページ)を公表した。概要は以下のとおり。
1.議題に上がった有効成分に関する提言
1-1:デルカンテル(駆虫剤)
・1日摂取許容量(ADI):第75回会合で決定されたADI0~0.3μg/kg体重を据え置いた。
・食事経由の推定暴露量:推定一日摂取量(EDI)の算出に十分なデータがなかったことから、理論最大一日摂取量(TMDI)が使われた。推奨される残留基準値(MRL)と共に、モデルダイエットと、総残留物と指標残留物の比率を用いると、食事経由の推定暴露量は6.8μg/人である。これはADIの上限値(upper bound)のおよそ38%に相当する。  
・残留物定義をデルカンテルと設定した。デルカンテルのめん羊における推奨される残留基準値は、脂肪で7.0μg/kg、腎臓で0.4μg/kg、肝臓で0.8μg/kg、筋肉で0.3μg/kgである。
1-2:エマメクチン安息香酸塩(抗寄生虫剤)
・ADI:2011年のFAO/WHO合同残留農薬専門家会議(JMPR)で決定されたADI、0~0.0005mg/kg体重を確認した。これは、イヌでの14~53週間神経毒性試験で得られた全体的な無毒性量(NOAEL)0.25mg/kg体重/日に基づいており、また、ラットでの1年間及び2年間試験で得られた全体的なNOAEL0.25mg/kg体重/日によって裏付けられている。
 NOAELには安全係数500が適用された。これには、急勾配の用量反応曲線の安全係数5及びイヌにおける最小毒性量(LOAEL)での神経組織中での病理組織学的に不可逆的な作用が加味されている。これはJMPRにより使われた手法で、今回の会議で確認された。
・食事経由の推定暴露量:EDIを11μg/人/日とする。これは、ADIの上限値(upper bound)のおよそ37%に相当する。
・残留物定義をエマメクチンB1aと設定した。エマメクチンB1aのサケ類における推奨される残留基準値は、筋肉、皮付き切身でそれぞれ100μg/kgである。JECFAは、筋肉及び皮付切身に対する当該基準値をマス類にも適用を拡大した。
1-3:ゲンチアナ・バイオレット(抗菌、駆虫剤)
・ADI:ゲンチアナ・バイオレットには遺伝毒性及び発がん性があることから、ADIを設定することは適当ではないと結論づけた。
・MRL:ADIの設定が適当ではないと考えられることから、MRLは推奨され得ないとした。また、残留物に関する情報も限られていた。
1-4:イベルメクチン(抗寄生虫剤)
・ADI:第40回会合のとおり、ADIを0~1μg/kg体重と設定した。
・食事経由の推定暴露:第40回会合で筋肉からの摂取の可能性が推定された。今回の会合では、それ以上の評価は行われなかった。
・残留物定義をイベルメクチンB1aと設定した。イベルメクチンB1aの牛における推奨されるMRLは、筋肉で4μg/kgである。
1-5:ラサロシドナトリウム(抗寄生虫剤)
・ADI:ADI0~5μg/kg体重が設定された。これは、ウサギでの発生毒性試験及びラットでの3世代生殖毒性試験で得られたNOAEL0.5mg/kg体重/日に基づいており、種間及び種内差の安全係数を100としている。
・食事経由の推定暴露:EDIは52μg/人/日と算出された。これは、ADIの上限値(upper bound)のおよそ17%に相当する。
・残留物定義をラサロシドAと設定した。サラロシドAの推奨されるMRLは以下のとおりである。
 鶏、七面鳥、ウズラ及びキジにおいて、皮膚と脂肪で600μg/kg、腎臓で1
,200μg/kg、肝臓で600μg/kg、筋肉で400μg/kgである。
1-6:モネパンテル(駆虫剤)
・ADI:第75回会合のとおり、ADI0~20μg/kg体重が設定された。
・食事経由の推定暴露:モデルダイエットと、指標残留物と総残留物の比率(筋肉に対しては1、脂肪、肝臓及び腎臓に対しては0.66)を用いた。また、モネパンテルスルホン(指標残留物)とモネパンテルの質量差の補正係数を0.94とした。その結果、EDIは446μg/人/日となり、これはADIの上限値(upper bound)のおよそ37%に相当する。
・残留物定義をモネパンテルと表されるモネパンテルスルホンと設定した。モネパンテルスルホンのめん羊における推奨されるMRLは、脂肪で13
,000μg/kg、腎臓で1
,700μg/kg、肝臓で7
,000μg/kg、筋肉で500μg/kgである。
1-7:遺伝子組換え牛ソマトトロピン(成長ホルモン剤)
・ADI:前回の評価の後に公表された文献の系統的レビューに基づき、somagrebove、sometribove、somavubove及びsomidobove(訳注:天然牛ソマトトロピン(bST)の4つの類似物)については、ADIは「特に定めず」との前回の決定を再確認した。
・MRL:当該4つの類似物のMRLについても、「特に定めず」との第40回会合の決定を再確認した。
1-8:ジルパテロール塩酸塩(β2‐アドレナリン受容体作動薬)
・ADI:ヒトの振戦に対するLOAEL0.76μg/kg体重を根拠に、ADIを0~0.04μg/kg体重と設定した。安全係数を20、ヒトの個体差の安全係数を10(デフォルト値)、わずかな影響に対してはNOAELではなくLOAELが適用されたことによる追加の安全係数を2とした。
 ADIは急性作用に基づいている。また、ラットの平滑筋腫形成に対するNOAEL50μg/kg体重/日に関しては、ADIの上限値(upper bound)により安全マージンは少なくとも1
,250となる。
・残留物定義:筋肉中に対してはジルパテロールと設定し、それ以外の他の可食組織中の適切な指標残留物は特定することができなかった。
・MRL:ジルパテロールのMRLを提案することは不可能であると結論づけた。
2.総論:リスクに基づくディシジョンツリー手法による残留動物用医薬品の安全性評価
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 国際連合食糧農業機関(FAO)
情報源(報道) 国際連合食糧農業機関(FAO)
URL http://www.fao.org/fileadmin/templates/agns/pdf/jecfa/JECFA_78_Summary_report_Version_final.pdf
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。