食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03891060475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、セーヌ湾のホタテ貝で頻繁に観察された記憶喪失性貝毒(ドウモイ酸)の汚染に関するリスク管理制度改善についての意見書の抜粋を公表
資料日付 2013年8月26日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は8月26日、セーヌ湾のホタテ貝(coquilles Saint-Jacques)で観察された頻発する記憶喪失性貝毒(ドウモイ酸)の汚染に関するリスク管理制度改善について食品総局(DGAL)から諮問を受けて2013年7月15日付けで提出した意見書の抜粋を公表した。
 欧州規則(EC)No.853/2004は、食用貝の記憶喪失性貝毒(amnesic shellfish poison: ASP)最大含有量を定めている。可食部分(貝殻を除く貝全体又は切取った食用部分(貝柱と生殖腺))に含まれるドウモイ酸(DA)が20mg/kgという基準を超えると、そのままでは市場に出すことができなくなる。
 欧州委員会決定No.2002/226(EC)に基づき、ホタテ貝は、生産海域の汚染が毎週行う環境の定期サーベイランスで管理されたレベル(貝殻を除く貝全体で250mg/kgかつ食用部分のみで4.6mg/kg)に収まっている限り、衛生管理の下で販売に向けて浄化処理(臓物摘出、即ち少なくとも消化腺、外套膜、その他の汚染部位を除去)すると食用に市場に出すことができる。
 ノルマンディーの沖合では、ホタテ貝の生息海域は汚染が繰返し現われる(回帰性汚染)ことが観察されている。この汚染で、欧州決定No2002/226/ECで定める規制を適用しなければならない可能性がある場合には、モニタリング強化や、貝採捕禁止、認可加工場における臓物摘出を余儀なくされる。
 このために、DGALは、以下の2点についてANSESに技術支援を要請した。
(1)貝類のASP検出のための迅速(簡易)テストの実現の可能性
(2)製品(貝殻を除く貝全体)(消化腺も含む)の冷凍、次いで臓物除去前の解凍がASP毒素の貝の体内の毒素分布に及ぼす影響
 食品物理的化学的リスク評価専門委員会(CES ERCA)は結論として、生鮮な貝の臓物除去が汚染除去の方法としては最も優れた方法であることを指摘するものである。
 製品(貝)全体の冷凍とその後の内臓除去の前の解凍が及ぼすASP毒素の生体組織分布への影響については、CES ERCAは次のように考える。
・冷凍と解凍は組織を壊し、貝殻の中の身と体液を介して又は組織同士が直接接触することによりASPの組織内分布が変わる。もし-20℃に急速に冷凍することができ、又2℃以下で解凍するならば組織崩壊は軽度で済む可能性があるので、このような方法を選ぶべきである。
・ホタテ貝の簡便な臓物除去は、初期の汚染状況にもよるが、食用部分からASPの汚染を20mg/kg以下にするには不十分である。
・他の汚染除去処理(欧州決定No.96/77/ECに記載のように、水道水による単純な洗浄と「温度処理(加熱)」)を追加することは、解凍したホタテ貝の汚染を除去する意味では効果があるようであるが、この点については、既に特定されている試験の方法論的限界を考慮して、特別な実験プロトコルを実施して確認する必要がある。企業現場での実用性も同様に考慮される必要がある。
 CES ERCAは、欧州規則No.2002/226/ECが、ホタテ貝の臓物除去前に適用する特別な規定(特に食用部分の基準値の4.6mg/kg)が生鮮貝にのみを関係するのか否かについて明らかにしていない。この点は、冷凍/解凍が毒素の生体組織分布に影響し、加工場出荷時点における可食部のドウモイ酸(DA)含有量が基準の4.6mg/kg以上になってしまう可能性があるだけに、より重要である。
 ホタテ貝のASPの迅速定量試験方法があるか否か及び公式な検査に使用できるか否かについては、CES ERCAは次のように結論付けるものである。
-この試験で遵守すべきホタテ貝の食品としての有効性の主な基準は
・検出限界が規制基準値の4.6mg/kg以下であること
・国際的に認められているプロトコルに基づいた有効性検査法であること
-欧州規則No.1244/2007に記載の米国化学分析協会(AOAC)の公式認証(Official Method accreditation:OMA)2006.02で認められているエライザ法がこの基準を満たしているようであるが、国立リファレンス・ラボラトリー(LNR)による性能確認及び公式検査での使用について評価が必要である。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL http://www.anses.fr/sites/default/files/documents/ERCA2012sa0210.pdf
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。