食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03850560314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、「ジビエの衛生」会議報告書を公表
資料日付 2013年6月19日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は6月19日、3月20日の専門家会議で議論された「ジビエの衛生」に関して公表した。概要は以下のとおり。
 ジビエとは、農場で飼育される動物と異なり、主として狩猟による野生鳥獣の肉である。ジビエも通常の食品と同様に安全でなければならない。
 当該会議では、狩猟分野、食品監視分野などの専門家らが、人獣共通感染症病原体によるジビエの汚染及びジビエを介しての当該病原体への感染についての最新の質疑について、また、狩猟で得た動物の内臓の抜取処理及び解体処理の適切な方法について議論が行われた。ジビエを介して拡大する可能性のある健康に対するリスクを最小化するための措置についても話し合われた。
 ジビエの生産における高度な衛生基準及び食品衛生に携わる全ての関係者の資質の強化も求められた。
1.ジビエの人獣共通感染症病原体
1)腸管出血性大腸菌(EHEC)及び志賀毒素産生性大腸菌(STEC)
 ジビエは、EHEC及びSTECの自然の病原巣である。野生の鳥獣及び家畜としての反すう動物が一次病原巣となる。ジビエにおけるSTECの出現率は、これまでの数年間は高レベルで推移している(2006年9.9%、2007年10%、2010年9.1%)。その理由は不明である。野生動物由来のSTECは毒性が強いことが示されている。
2)E型肝炎ウイルス(HEV)
 アジア及びアフリカの多くの国に発生が多く(南インドのネロール地方で2008年の患者数は24
,000人など)、主要な感染原因は汚染された飲料水である。E型肝炎はドイツでは稀少な型だが、近年その件数は増加している(2012年は388人の患者が報告された)。ドイツでは、内臓及びイノシシの肉の摂取がE型肝炎感染のリスク要因であることから、イノシシがHEVの重要な病原巣であるとされる。ヒトへの感染リスクは、特に狩猟時(直接接触、特に獲物解体時)及び加熱不十分なイノシシ肉の製品、特に肝臓などを摂取する場合に懸念される。
3)トリヒナ及び吸虫Alaria alata
 欧州連合(EU)域内でのヒトのトリヒナ症患者は、2006年~2010年で3
,298人であった。内訳は、ルーマニア(53%)、ブルガリア(22%)、ポーランド(11%)、リトアニア(5%)であった。主要な感染源は豚肉、イノシシ肉及び馬肉であった。ドイツでは、2001年~2012年の患者数は65人(年間平均5.4人、中央値3人)で、汚染が指摘される地域からの製品又は旅行者が関係する場合が多かった。
 ジビエ中のトリヒナを死滅させるには、肉を冷凍しても十分ではない。Trichinella britoviのような低温耐性のトリヒナが肉に存在し感染を引き起こす可能性がある。野生動物での感染の連鎖を断つためには、と体の衛生的かつ安全な廃棄に留意し、キツネ及びタヌキは殺処分すべきである。これらの動物は、ドイツの野生動物に定着する4種類のトリヒナの自然の病原巣である。
 Alaria alataは、欧州全域での発生は比較的少ないが、BfRは、当該吸虫検査で陽性の動物は消費に適さないと判断する。
2.結論
 狩猟から内臓摘出までの間隔については、制限時間を設定する必要がある。気候及び季節などの条件にもよるが、最長で3時間とされている。また、ジビエの衛生に関するできるだけ高い基準の強化の上で最も重要なのは、狩猟者の食品従事者としての研修及び訓練である。
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/cm/343/fachgespraech-wildbrethygiene-am-20-maerz-2013.pdf
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