食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03820860475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、紫外線(UV)照射でビタミンD含有量を増量した乳を新開発食品(NF)として市場流通させる認可申請について意見書を公表
資料日付 2013年5月24日
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概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は5月22日、紫外線(UV)照射でビタミンD含有量を増量した乳を新開発食品(NF)として市場流通させる認可申請について競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)から諮問を受けて2013年3月6日付けで提出した意見書を公表した。
 このNFは、前工程で低温殺菌した乳に事前に設定したC領域紫外線(UV-C)(200~310nm)を照射するもので、現在は低温殺菌で12日間の保存期間を21日間に延長することを目的とする。他方、このUV-C照射は、乳中のビタミンDの前駆体の7-デヒドロコレステロールに作用し、ビタミンD3含有量をかなり増加させる。
 この申請はNF及び新開発食品成分(NI)に関する欧州規則EC No.258/97に基づいてアイルランド当局に提出され、アイルランド当局が最初の評価書を作成した。
 申請者は、ビタミンDの高摂取グループの1.5~3歳の子供の平均摂取量を21μg/日と推定している(英国国民栄養健康調査)。この摂取量はこの年齢層に設定されたビタミンDの安全限界(safety limits)の25μg/日(欧州食品安全機関(EFSA)、2012年)以下である。このほかの年齢層についても、申請者は当該NFからの摂取量はEFSAが設定した安全限界をかなり下回ると考えている。
 フランスに関しては、第2回フランス全国国民健康栄養調査(INCA2)のデータに基づき摂取量の推定計算を実施した。
 成人(18~79歳)では、100μg/日の安全限界を超えなかった。
 子供(3~17歳)でも、3~10歳の子供の安全限界50μg/日及び11~17歳の子供の安全限界100μg/日(EFSA)を超えなかった。
 0~3歳の乳児と低年齢児童では、0~1歳の乳児の安全限界は25μg/日、2~3歳の低年齢児童の安全限界は50μg/日(EFSA、2012年)で、ビタミンDを最大用量の342IU/100g(slow protocol:スロープロトコル)で乳を栄養強化したとする仮定に基づけば、5%の安全限界超過が推定されるとしている。ただし、当該NFで普通にビタミンDを100IU/100g強化したノーマルプロトコル(normal protocol)では安全限界超過はない。
  アイルランド当局は、UV-C照射した低温殺菌乳の摂取に関する安全性の問題はないとしており、当該NFは規制法の条件を満足していると結論づけている。
 栄養専門委員会(CES NUT)と食品認可が必要な物質及び製造プロセス評価作業部会(GT ESPA)は、ビタミンDの過剰超過や安全限界超過では裏付けされたリスクがないと考える。
 CES NUTとGT ESPAは、UV照射処理後の乳の微生物学的品質は明らかに改善され、総中温性細菌叢のレベルはUV照射処理直後には10CFU(訳注:コロニー形成単位)/mL以下になることに注目した。試験に使った対照の低温殺菌処理乳との比較では、対照乳は、許容総中温性細菌叢1
,000CFU/mLまでの細菌叢含有量であった。
 GT ESPAは、処理前の原乳の成分組成との比較から、たん白質含有量の減少及び対照乳を含む全ての乳の細菌叢基準における可食期限では2-ヘプタノンの含有量の増加がみられたことを指摘した。これらの現象は、申請者に拠れば、冷蔵貯蔵中に生じた細菌叢のたん白質分解活性によるものである。しかし、このたんぱく質の分解は、新開発プロセスで処理(UV照射)した乳では少ない。この理由は、低温殺菌後にUV照射処理で残留細菌叢が減少し、細菌叢のたん白質分解活性を低減させていることによるものと考えられる。GT ESPAは、この説明は是認できると考える。
 しかし、GT ESPAは、たん白質の相対的含有量や乳中たん白質がUV照射処理によって劣化していないことを確認するために、乳の主要なたん白質(特にカゼイン)の分析を実施すべきであると考える。
 同様に、他にもビタミンDの供給源/媒介食品が存在し、また出現する可能性があることから、CES NUTとGT ESPAは、当該NFの上市後に、食品又は食品成分として当該NFの消費量の調査を実施することを勧告する。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL http://www.anses.fr/sites/default/files/documents/NUT2013sa0014.pdf
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