食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03790300149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、内分泌活性物質類に係るEFSAの業務に関するFAQを公表(1/4)
資料日付 2013年3月20日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は3月20日、内分泌活性物質類(endocrine active substances)に係るEFSAの業務に関するFAQを公表した。概要は以下のとおり。
1. 内分泌系とは何か? 内分泌系が健康に重要である理由とは?
 内分泌系は、体内のホルモンの分泌及び量を制御し、調節する腺のネットワークである。ホルモンは、代謝、成長・発育、睡眠及び気分等の機能を遂行するため、身体に不可欠な化学伝達物質である。ごく微量のホルモンが、意図した作用を引き起こすことがある。内分泌系は複雑であり、内分泌系内におけるホルモンの分泌を調節する相互作用は、様々な生物学的要因及び生理学的要因に依存する。内分泌系に関する科学的知識は、まだ十分でない。
内分泌系の不均衡及び機能不全は、糖尿病・肥満、不妊、特定の種類のがん等のよく知られている疾病を引き起こす可能性がある。また、内分泌系のかく乱は、先天異常及び学習障害を引き起こす可能性がある。

2. 内分泌活性物質類とは何か? それらの物質類は、「内分泌かく乱物質類」と同じか?
 内分泌活性物質類は、内分泌系と相互作用しうる又は内分泌系に干渉しうる化学物質類である。このようなことは、様々な方法で起こる可能性がある。内分泌活性物質類の一部は、天然ホルモンを模倣して、正しいとは認められない反応を引き起こす可能性又は天然ホルモンの作用を阻害する可能性がある。別の内分泌活性物質類は、体内のホルモンレベルを変えたり、又は天然ホルモンを分解する代謝プロセスを変えたりする。重要なことは、このような作用が必ずしも有害ではないことである。内分泌系は、このような物質の性質・用量、(訳注:暴露の)時期、作用の種類及び体の調子等の要因によっては、これらの刺激について調節又は適合する能力がある。内分泌系のこの能力は、時には適応反応又は「生理的調節」と呼ばれている。しかし、相互作用や干渉により悪影響に至る場合、このような物質類は内分泌かく乱物質類と呼ばれる。

3. 内分泌かく乱物質類について懸念がある理由とは?
 内分泌かく乱物質類への暴露により、短期間にわたる有害影響又は生涯の後期における有害影響の可能性が高まることがある。内分泌かく乱物質類の起こりうる有害影響に対する懸念は、ヒト及び野生生物における所見によって、近年増加している。そうした所見は、ヒトの集団における生殖・発達障害を含め、内分泌系疾患及び障害の発生率の上昇を示している。しかし、そのような傾向と内分泌かく乱物質類を(生活様式の変化及び遺伝的背景等その他の要因に対立するものとして)結びつける科学的根拠は、決定的なものではない。

4. 感受性の窓とは何か?
 内分泌かく乱物質類による有害な影響のリスクは、重要な成長過程(例えば、受胎期、妊娠期、乳児期、小児期及び思春期)において内分泌かく乱物質類に暴露した場合に、増加する可能性がある。科学者らは、ホルモン活性に対する体の感受性が高い、このような成長過程を「感受性の窓」と呼んでいる。しかし、感受性の窓は、内分泌かく乱物質類に特有のものではない。重要なライフステージ期に(内分泌系には影響を及ぼさない)他の潜在的に有害な物質類に暴露した場合でも、健康への悪影響のリスクは増加しうる。

5. 内分泌活性物質類は、食品や他の製品の中に存在するのか?
 我々は、広範囲の内分泌活性物質類に潜在的に暴露している。内分泌活性物質類は、食事の中に自然に存在しうる、又は人間活動の結果として存在しうる。ホルモン活性を有する可能性がある物質類の例として、ナッツ類、油糧種子類及び大豆製品類によく存在するイソフラボン類のような植物の植物性エストロゲン類がある。別の例には、甘草中のグリチルリチン(glycirrhizine)があり、グリチルリチンは、血液及び諸器官におけるミネラルと液体成分のバランス(又は「電解質バランス」)のホルモンによる調節(血圧の調節に重要)を阻害する可能性がある。食品及び飼料から時折見出される内分泌活性物質類の例には、一部の農薬、食品接触材料のビスフェノールA(BPA)並びにダイオキシン類及びPCB類のような環境汚染物質類がある。一部の内分泌活性物質類は、その内分泌活性の特性のため、医薬品類(経口避妊薬、甲状腺ホルモン剤)に意図的に使用されている。

国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報(化学物質)No.7/2013(2013.04.03)P7~8
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL http://www.efsa.europa.eu/en/faqs/faqeas.htm?utm_source=homepage&utm_medium=infocus&utm_campaign=easopinion
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。