食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03760520314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、牛のBSE検査対象月齢の変更に関するQ&Aを公表
資料日付 2013年2月13日
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概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は2月13日、牛のBSE検査対象月齢の変更に関するQ&Aを公表した。
 ドイツでは現在、6歳(72か月齢)超の牛(健康と畜牛)に対するBSE検査が義務づけられている。
 BSE検査に関するEUの新規則施行を機にBfRが作成したQ&Aの概要は以下のとおり。
Q1:非定型BSEとは?
A1:従来の定型BSEとは別に、2004年以降非定型BSEが散発的に検出されるようになった。H型BSE及びL型BSEの2種類に区別される。病原性たん白質の生物学的特性において相互に異なるこの2種類は、従来の定型BSEとも異なるものである。
 定型、非定型ともに、8歳超の牛で圧倒的に多く見られた。非定型BSEは、これまで欧州連合(EU)、カナダ、米国及び日本で発見されており、全世界では64頭が報告されている。
 世界的に高齢牛に低頻度で発生しており、個体間に関連性がないという疫学データから、非定型BSEは自然発生すると考えられている。そのため、今後も非定型BSE個体の発生が続くのではないかとの不安も聞かれる。全体的に、非定型BSEに関する知見はまだ極めて限られている。
Q2:BSEは実際にドイツで発生しているのか?
A2:ドイツで出生した動物において、2000年に初めてBSE感染牛が確認されて以来、413頭のBSE感染牛が報告された(訳注:OIE報告では419頭、うち輸入された牛6頭)。2009年を最後に報告例はない。
Q3:消費者をBSEから守るためにどのような措置が取られているのか?
A3:最も重要な措置は、いわゆる特定危険部位(SRM)のと畜時における除去及び適正な処理である。それに加え、反すう動物への動物性たん白質(「肉骨粉」)を含む飼料の使用を禁止している。また、6歳超の健康と畜牛のBSE検査が義務付けられている。
Q4:SRMとは?
A4:BSE病原体が含まれることが分かっている組織及び内臓をSRMと呼んでいる。12か月齢超の牛の脳を含む頭蓋、眼球、脊髄、30か月齢超の牛の脊柱、及び全月齢の牛の扁桃、腸管及び腸間膜である。
Q5:ドイツでは、BSEの定期検査は行われているのか?
A5:現在、6歳(72か月齢)超の全ての健康と畜牛に対しBSE検査が義務付けられている。さらに、48か月齢超の緊急と畜牛及び臨床的に疑われる全月齢の牛についてもBSE検査が義務付られている。
Q6:BSE迅速診断試験の利点は?
A6:当該試験では、と畜牛の脳検体中の病原性異常プリオンたん白質の検出が可能となる。しかしこの検査方法は、感染が進行し、BSE病原体が検出可能レベルまで増えた段階にある牛にしか有効ではない。また、非定型BSEの検出においても信頼性がある。
Q7:他のEU加盟国では、と畜前検査は無作為抽出検査だけでよいとされているのはなぜか?
A7:現在、EU域内においてBSEはほとんど見られないことから、新しいEU規則は、義務付けられているBSE検査体制の緩和を盛り込んでいる。今年の1月からは、加盟国のうち25か国において、無作為抽出検査だけでよいことになる。さらに3月からは、健康と畜牛については、BSE検査の義務化を全面的に廃止することも可能となる。しかし同時に、各国独自の法制化も自由に行うことができる。
Q8:ドイツでは、検査対象を72か月齢超から96か月齢超の牛に引き上げてBSE検査義務が継続されるのはなぜか?
A8:新しいEU規則では、全ての加盟国は今年3月に、BSE検査義務化体制に関して独自の規則を作るか、又はBSE検査を全面的に廃止するかを決定する権利が認められている。
 ドイツは、牛に対する検査義務の継続が連邦政府により決定された。検査対象を72か月齢超から96か月齢超に引き上げる決定は、BfR及びフリードリヒ・レフラー研究所(FLI)の合同評価に基づく。
 BfR及びFLIは、8歳超の牛に対するBSE検査義務の継続は、これまで認識されずにきた非定型BSEの発生防止に役立つと考える。
 検査対象月齢条件の緩和により、消費者に対するリスクが増大することはない。BSEが見つかった牛は年々高齢化してきている。BSE感染牛は全てBSE予防対策が実施される以前に生まれているといえる。
Q9:BSE検査対象ではない若齢牛は、喫食しても安全なのか?
A9:現在のところ、BSEに感染した牛の食肉が感染を引き起こすとする証拠はない。加えて、ドイツでは2009年以降、牛のBSE感染が確認されていない一方で、SRMの除去が現在も義務付られていることから、若齢牛の肉がBSE病原体に汚染されるリスクはほぼ無視できるレベルである。
 ゆえに、BfRは96か月齢以下の健康と畜牛のBSE検査は中止してもよいと考える。
Q10:他のEU加盟国産の牛肉は安全か?
A10:と畜時におけるSRMの除去及び安全な廃棄処理は、EU全域において引き続き義務付けられている。これは最も重要な消費者保護措置である。

国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報(微生物)No.4/2013(2013.02.20)P19
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/cm/349/faqs-on-changes-to-the-bse-testing-age-for-beef-cattle.pdf
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