食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03680850149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、GMトウモロコシNK603とグリホサート含有農薬に関する研究論文の審査結果を発表
資料日付 2012(平成24)年10月4日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は10月4日、遺伝子組換え(GM)トウモロコシNK603とグリホサート含有農薬に毒性の可能性があるとする研究論文の初期審査を終え、リスク評価として有効とみなすには科学的質が不十分であるとの結論を発表した。概要は以下のとおり。
 EFSAの初期審査により、当該論文に略述されている研究の計画法、報告及び分析が不適切であることが判明した。この研究を十分に理解できるよう、EFSAは執筆者のSeralini らに主要な追加情報の開示を要請した。

 このような不備があることは、EFSAが現状では著者らの結論を科学的に健全なものとみなし得ないことを意味する。論文中で説明されている研究の計画法と方法論に関する数多くの問題点は、実験ラットにおける腫瘍の発生について、いかなる結論をも下し得ないことを意味する。
 よってEFSAは、著者らが発表した情報を根拠に、NK603に係る従来の安全評価を見直す必要はなく、グリホサートに係る現行評価における知見を検討する必要もないと考える。
 EFSAは、世界的に合意を得た研究・報告ガイドライン等、広く認められている適性科学規範に照らして当該論文を評価した。
 本審査作業グループの座長は次のようにコメントしている。「EFSAの声明が当該研究の結果にではなく、方法論に焦点を当てていることに驚く向きもあろうが、ここがまさに問題の核心である。研究を行う際には、適正な枠組みを確保することが肝要である。明確な目的や正しい計画法と方法論を持つことで揺るぎない基盤が出来、そこから正確なデータと妥当な結論が生じる。このような要素がなければ、信頼できる有効な研究となる見込みはない。」
 本日発表する初期審査結果は、2段階に分けたプロセスの最初のステップとなるもので、2回目の分析結果は本年10月末までに発表する予定である。2回目は著者らから得た補足情報を考慮に入れる。著者らは、研究文書や手順書をEFSAに提供して、この研究ができるだけ明確に理解されるようにする機会が与えられる。加盟国による当該論文の評価概要書、グリホサート評価を担当しているドイツ当局の分析書もこれに含まれよう。
【初期審査で判明した点(全9項目)】
 EFSAの遺伝子組換え生物(GMO)、農薬及び科学評価ユニットから選抜したメンバーで構成されるタスクフォースは、当該論文が適正に実施・記録された研究とみなされるために、解決しなければならない問題点の一覧を以下のとおりまとめた。
1. 2年間の研究で用いたラットは、約2年の平均寿命期間中に腫瘍を発現しやすい系統である。よって観察された腫瘍の発生頻度は、ラットに施した処置とは無関係に、この系統特有の腫瘍の自然発生率から影響を受けるが、この点が考慮・言及されていない。
2. ラットを10の試験群に分けているが、対照群はわずか1試験群しか設定されていない。これは4試験群、つまりグリホサート含有農薬処理済みGMトウモロコシ又は未処理GMトウモロコシを給餌された全ラットの約40%に適切な対照群が存在しなかったということである。
3. 当該論文は世界的に認められた標準的手法、すなわち、実験の準備・実施に関するプロトコルに従っていない。そのような手順の多くはOECDが定めている。
4. OECDガイドラインによれば、この種の実験では、試験群ごとに最低50匹のラットが必要と規定されているが、著者らは10匹ずつしか用いていない。この数では、腫瘍の発生率が偶然か処置の結果によるものかを判別するに足りない。
5. 研究目的は、研究が答を与えるべき疑問点であるが、著者らはその研究目的を述べていない。研究目的は、研究の計画法、適正なサンプルサイズ、データ解析に用いる統計的手法等、肝要な要因を定義づけるものであり、これら全てが結果の信頼性に直接影響する。
6. ラットに給餌した餌の組成に関する情報がなく、保存方法や含まれていた可能性があるかび毒その他の有害物質の詳細が不明である。
7. 摂取量が不明であるため、ラットの農薬暴露量を正しく評価できない。著者らは、植物への農薬散布量とラットの飲料水への添加濃度について言及しているだけで、実際に摂取した飼料・飲料水の量については不明である。
8. この論文では、一般的に用いられている統計解析手法を採用しておらず、研究開始前に手法を定めていたかどうかも述べられていない。用いた手法の妥当性について照会中であるが、腫瘍発生率の記録には疑問がある。論文には、実験動物の脱落(Drop outs)に関する要約、偏りのない処置結果の推定といった重要なデータが盛り込まれていない。
9. 腫瘍以外に観察された病変に関する記録等、研究で計測したエンドポイントの多くが論文中に記載されていない。EFSAは著者らに、公開性と透明性を確保する目的で全てのエンドポイントを開示するよう要請した。
 なお、本審査に関するQ&Aが以下のURLに掲載されている。
http://www.efsa.europa.eu/en/faqs/faqseralini.htm


国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報(化学物質)No.21/2012(2012.10.17)P4-7
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/121004.htm