食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03650030314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、食品中の塩化ベンザルコニウムの残留基準値に関する意見書を公表
資料日付 2012年8月7日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は8月7日、食品中の塩化ベンザルコニウムの残留基準値(MRL)に関する意見書(BfR opinion No 032/2012
, 2012年7月13日付け、14ページ)を公表した。概要は以下のとおり。
 食品業界の品質管理実施時及び政府機関による食品調査中に、現在適用されているMRLの0.01mg/kgを上回る値の塩化ベンザルコニウムが食品から検出された。BfRは当該物質の毒性学的参照値を導き出し、今回検出された量が消費者の健康リスクをもたらすかについて評価を行った。
 塩化ベンザルコニウムは陽イオン界面活性剤に属する4級アンモニア化合物である。消毒薬及び洗剤に使われ、殺生物剤及び農薬の有効成分である。さらに植物強化剤(plant strengthener)にも含まれている。
 入手可能なデータによると、ほとんどの産品において、塩化ベンザルコニウムのバックグラウンドレベルは現在適用されているMRLを上回っている。入手可能なデータからは、MRLを超えた原因は必ずしも明らかでない。アボカドなどの大型の熱帯のフルーツではしばしば、非常に高レベルでの残留が報告された。これらの果実は収穫後に塩化ベンザルコニウムによる処理が施されたと考えられる。乳及びアイスクリーム中の残留塩化ベンザルコニウムは、びん詰め工場、アイスクリーム製造器などの機器の消毒が原因として考えられる。
 ドイツ及び他の欧州における摂取データに基づき、BfRは汚染された食品から摂取される当該物質の摂取量を推定した結果、一日摂取許容量(ADI)を上回らなかった。BfRは、消費者に対する慢性リスクの可能性は低いと結論づける。
 ほとんどの食品産品において、急性参照用量(ARfD)を上回る残留値は検出されなかった。しかしながら、現在入手可能なデータによると、乳で報告された最大濃度である6.66g/kgと同程度の残留量の乳/乳製品を消費する場合、消費者(成人及び子供)に対する急性リスクは除外できない。有害作用としては、消化管刺激によるとても軽度な可逆的臨床症状がみられる可能性がある。
 突出して高い乳中の最高残留値を考慮せずに、2番目に高い残留値(0.95mg/kg)を評価に用いた場合は、消費者に対する急性リスクの懸念の可能性は少ない。
 消費者の健康保護の観点から、BfRは乳及び乳製品中で検出された塩化ベンザルコニウムの残留最高値は回避すべきと考える。このことは、特に食品と接触する機器の消毒及びそれに続く洗浄方法に関するガイドラインにより、残留値をより広範囲に管理し、より十分に配慮することにより達成可能である。
 この方針に沿って、初期段階として欧州連合(EU)域内では、新しく殺生物剤の規則(EC) No 528/2012の導入準備が行われているが、経済協力開発機構殺生物剤対策委員会(OECD Task Force on Biocides) においては初期段階措置を既に実施している。

国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報(化学物質)No.17/2012(2012.08.22)P12
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/cm/349/health-assessment-of-benzalkonium-chloride-residues-in-food.pdf
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