食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03531370475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、コリアンダー種子油を新開発食品成分(NI)として認可することについて意見書を公表
資料日付 2012年2月21日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は2012年2月20日、コリアンダー種子油を新開発食品成分(NI)として、アイルランド当局が最初に評価した市場流通認可について競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)から諮問を受け、提出した意見書(2012年1月6日付け)を公表した。
 当該NIは、特に一価不飽和脂肪酸であるペトロセリン酸(C18:1 n-12又はcis delta 6)が豊富で、60-75%含む。また他の脂肪酸は、比較的少なく、リノール酸(12-19%)、オレイン酸(8-15%)、パルミチン酸(2-5%)及びステアリン酸(1.5%未満)などである。ペトロセリン酸はcis-delta(6)オクタデセン酸の異性体で、cis-delta(9)オクタデセン酸の異性体であるオレイン酸と構造的類似性を共有している。また、二重結合位置に差があるので、ペトロセリン酸は、オレイン酸(14℃)より溶解温度(30℃)が高い。申請者は又、ペトロセリン酸が豊富なオイルは、消化吸収が悪いので、従来の植物油に代わる「低脂肪」としての用途を提供することができるとしている。
 当該NIは同様に、フィトステロールとスタノールを2.4~3.7g/kg含んでいる。
 添加物香料加工助剤専門委員会(CES AAAT)は、組成が異なる「コリアンダー種子油」と「コリアンダー・エッセンシャルオイル(精油)」の間に混同が生ずることを指摘した。特にコリアンダー・エッセンシャルオイル(精油)はリナロール含有率(約70%)が高い。当該NIには、残留エッセンシャルオイル(精油)を含まないことを明らかにすることが適切である。
 CES AAATは、申請者が提言する無毒性量(NOAEL)の1
,000mg/kg体重/日は満足できるものであると考える。この用量は申請者が意図するサプリメントに添加する量の500~600倍多いことになり、及び当該NIの想定最大暴露量の100倍となる。この安全マージンは満足のいくものである。また、申請者が実施した規定のin vitro試験は受理できるものである。これらの試験から得た結論は明らかで、細菌と哺乳類の細胞では当該NIに関係した変異原性はないことを示すものである。従って、CES AAATは提案された用量での毒性リスクはないとするアイルランド当局の意見に同意するものである。
 栄養専門委員会(CES NUT)は、コリアンダー種子油はペトロセリン酸の含有率が非常に高いことから、非定型組成(atypical composition)を有しており、通常消費されている油と栄養的に同等ではないと指摘した。CES AAATは、コリアンダー種子に含まれるペトロセリン酸の生物学的利用能(バイオアベイラビリティー)は油に含まれるこの脂肪酸の生物学的利用能より大幅に低いだろうと評価している。従って、通常の食品からの生物学的利用能があるペトロセリン酸摂取量は、申請者が過大に見積もっているように見受けられるので、コリアンダー種子の過去の消費量に基づいて当該NIの安全性を結論付けることはできない。
 CES NUTは、この脂肪酸の代謝がよく知られていないこと及び600mg/日を中長期に摂取した場合の影響が十分評価されていないと考える。CES NUTは以下の2点を疑問視している。
・ペトロセリン酸は、β-酸化、肝性リパーゼ、又はホルモン感受性リパーゼの悪い基質のように見える。当該NIの中期及び長期摂取による脂肪肝(脂質の肝蓄積:accumulation hepatique de lipides)の疑念を払拭するための、アイソリピド対照食事による詳細な試験が欠けている。
・中長期に600mgのコリアンダー種子油を摂取した場合に、ペトロセリン酸はデサチュラーゼ(訳注:脂肪酸不飽和化酵素)に対して作用する可能性があることから必須脂肪酸の生物学的利用能に影響を及ぼす。
 従って、当該NIの長期摂取によるペトロセリン酸の肝代謝についての栄養リスク(danger)がないことを実証するための特別な追加実験が必要である。他方、欧州における消費量が減少しないと考えるなら、市場流通後の調査が必要である。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL http://www.anses.fr/Documents/NUT2011sa0303.pdf
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