食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03530460149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、農薬有効成分ビテルタノールのバナナに対する既存の残留基準値の消費者への安全性評価に関する理由を付した意見書を公表
資料日付 2012年2月29日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は2月29日、農薬有効成分ビテルタノール(Bitertanol)のバナナに対する既存の残留基準値(MRL)の消費者への安全性評価に関する理由を付した意見書(2012年2月21日承認)を公表した。概要は以下のとおり。
1. 2002年に設定されたビテルタノールのバナナに対する欧州連合(EU)の現行MRLの3mg/kgの安全性について評価するよう、英国が規則(EC) No 396/2005の第43条に従いEFSAに要請書を提出した。EFSAは、ビテルタノールの急性参照用量(ARfD)の設定につながる当該有効成分の最近の毒性学的評価を考慮に入れて、特に消費者の急性暴露に焦点を当てることが望ましい。当該MRLがEUレベルで設定された際の2002年のリスク評価が、FAO/WHO合同残留農薬専門家会議(JMPR)によって行われた毒性学的評価を根拠としており、JMPRは当該物質が急性のハザード(危害要因)を呈する可能性は低いと結論づけたため、急性リスク評価は行われなかったことが留意される。
2. ビテルタノールの毒性学的プロファイルは、指令91/414/EECに従ったピアレビューの枠組みの中で2010年にEUレベルで評価され、専門家らは一日摂取許容量(ADI)を0.003mg/kg体重/日に、ARfDを0.01mg/kg体重に設定することで合意した。したがって、これらの毒性学的参照値は、EUの当該MRL設定のためのリスク評価(1998年にJMPRが算定した0.01mg/kg体重/日のADIが消費者の慢性リスク評価に使われ、ARfDの設定は不要と考えられた)で使用された毒性学的参照値より制限されている。
3. EFSAは、バナナに対するEUの既存MRLに起因する潜在的リスクを、慢性暴露及び急性暴露の評価について合意された方法を用いたEFSAの「残留農薬摂取量算出モデル(EFSA PRIMo)」で評価し、算出された暴露量を、2010年に算定されたADI及びARfDと比較した。バナナに対するEUの現行MRLに起因する慢性暴露量は、収穫後の農薬処理に関する適正農業規範(ポストハーベストGAP)に従って処理されたバナナに予測される残留濃度の中央値を、皮をむいたバナナに予測される残留濃度の低下を考慮に入れるためのはく離係数(Peeling factor)で補正した残留濃度で計算されている。全体的な食事経由暴露量に対する他の作物の寄与が、EUの現行MRLの安全性を裏付ける条件指定の作物残留試験から算出された残留濃度の中央値を用いて、検討された。上記の仮定の下で、EFSA PRIMoに組み込まれている数種類の食習慣において長期暴露量はADIを超過し(最大でADIの245%)、潜在的な消費者リスクが排除できないことが示される。消費者の総暴露量に対するバナナ中の残留物の寄与は、最大でADIの48%であった。りんご、乳及びトマトが消費者暴露に寄与する主要な産品として特定された。
4. ポストハーベストGAPのために提出された条件指定の作物残留試験から予測された、皮をむいたバナナにおける最高残留濃度に基づく急性暴露評価では、バナナ中の残留物の寄与はARfDの1061%に達した。したがって、バナナに対するEUの既存MRLは、EUの地域住民を十分に保護するものではないとEFSAは結論づける。EFSAは、また、EUの既存MRLが定量限界より高い濃度に設定された他の作物(りんご、なし、トマト、プラム、もも、あんず、マルメロ、きゅうり、せいようかりん、ズッキーニ及びおうとう)について急性摂取による潜在的な懸念を特定した。
5. バナナに対するEUの既存MRLの慢性及び急性リスク評価の結果に従い、現行MRLの3mg/kgを引き下げる必要があると結論づけられる。代替MRLとして既存のコーデックス最大残留基準値(CXL)の0.5mg/kgが消費者リスク評価の対象にされた。しかし、この代替策についても、急性暴露量がARfDを超過(ARfDの142%)すると算出されたため、リスク評価によって安全性を立証できなかった。
6. このためEFSAは、バナナに対するビテルタノールのEUの既存MRL(3mg/kg)は削除される必要があり、その代わりとなる安全なMRLを提案することはできないと結論づける。したがって、バナナに対するMRLは定量限界に設定されることが望ましい。また、ビテルタノールの認可決定(規則(EU) No 1278/2011)で定められた制限事項(種子処理用の殺菌剤用途のみがEUレベルで容認される)を考慮に入れて、仁果類、核果類、うり類(漬物用)及びトマトに対するEUの既存MRLの見直しをEFSAは勧告する。EUの現行MRLが根拠とした複数のGAPは取り消される必要があったため、EUの既存MRLはもはや適切ではない。規則(EC) No 396/2009の第12条に従ったMRLの見直しにおけるビテルタノールの評価順位を優先させ、消費者暴露に関して容認できるレベルでMRLを設定することをEFSAは提案する。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/doc/2599.pdf
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。