食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03490720373
タイトル スペインのカタルーニャ州食品安全機関(ACSA)、ノロウィルスに関するニュースレターを公表
資料日付 2011年12月2日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  スペインのカタルーニャ州食品安全機関(ACSA)は12月2日、ノロウィルスに関するニュースレターを公表した。概要は以下のとおり。
1. ノロウィルスとは
 カリシウィルス科のウィルスの一種。5つの遺伝子型があり、遺伝子型Ⅰ、Ⅱ及びⅣにはヒトに影響を及ぼすものが含まれる。
 ヒトは、ヒトノロウィルスの主たる病原巣(レゼルボア)である。これらのウィルスは生活環境中で非常に持続性があり、下水の物理的及び化学的浄化処理にも強い。このようなことから、汚染された水が、主に生鮮野菜及び二枚貝軟体動物などの食品にウィルスを伝播させる。
 ノロウィルスは、60℃の温度に3分間、100℃に1分間耐えうる(スペイン語原文Los norovirus resisten temperaturas de 60oC durante tres minutos y 100 oC durante un minuto)。103mJ/cm2を超える紫外線量に耐え、食品処理に使用される2~4kGyのガンマ放射線量にも耐えうる。
 また、ノロウィルスは酸性(pH2、30分間、37℃)又はアルカリ性(pH12、30分間、37℃)に耐えうる。300ppmを超える次亜塩素酸ナトリウムで不活化する。
2. ヒトにおける疾患
 欧州食品安全機関(EFSA)の報告書によると、ノロウィルスは欧州における急性腸炎の主要な病原体であり、すべての年齢で同様な影響を及ぼす。胃腸炎は、24~48時間の短い潜伏期間後の吐気又は下痢症状の急な発現が特徴である。感染の多くは2~3日以内に自然治癒するが、免疫低下者においては慢性化がみられる。
 これらのウィルスは全世界でみられる。欧州では、春及び夏にも時に感染があるが、圧倒的に冬における強い季節特異性がある。ウイルス株の作用及び個人の脆弱性の違いもあるが、感染量はウィルス約10個と非常に少ない。
 ノロウィルスは、手又は嘔吐物から排出された大気浮遊粒子の吸入によって直接、又は、食品、水又は汚染された面などによって間接的にヒトからヒトへ伝播する。糞便によるノロウィルスの排泄は107~1
,010個/gと非常に高く、7~10日と長引く。
3. 食品におけるノロウィルス
 いかなる食品もウィルスを伝播する可能性があり、汚染はフードチェーンの全ての段階において起こりうる。しかし、多くの集団感染に関連する食物は、果実、生鮮野菜及び汚染された水で養殖された二枚貝軟体動物である。ウィルスは食品中で増殖しないが、非常に持続性があり、生鮮野菜中で数週間生存できることも考慮にいれなくてはならない。
 軟体動物は環境中のウィルス粒子を濃縮することがある。洗浄システムは迅速に細菌を除去できるが、ウィルスに対しては効果的ではない。例えば、カキの洗浄は48時間後にE. coliを95%削減するが、ノロウィルスの削減は7%である。
 野菜を洗浄することは、1又は2の対数でウィルスの量を削減することができる。200ppm濃度の塩素で消毒した水による追加処理は、ウィルス濃度を1の対数以上減らすことができる。重大なウィルスの削減のために、さらに高い濃度の塩素の使用又は処理時間を延長することは不可能である。なぜならば、塩素は野菜に容認できない感覚的変化を生じさせるためである。
 ノロウィルスは、サルモネラ同様、食品取扱者が主要な原因であると特定された多くの集団食中毒発生の犯人である。重要な要因は手の衛生管理が不十分であることである。ウィルスの排泄が発症前に始まり、症状が消えた後も続く可能性があること、また、感染期間中ずっと無兆候であった取扱者が発見され、患者と同様に多くのウィルスが排泄されたことも考慮しなければならない。
4. 予防手段
 この危険を管理するためには、すべてのフードチェーンにわたって予防措置及び監視を適用する必要がある。初期段階においては、生で喫食する可能性のある野菜及び果実を栽培する生産者は、灌漑用水、設備及び施設の洗浄に使用する水質を管理しなければならず、器具、容器、施設を殺菌し、特に、衛生分野において従業員を教育しなければならない。軟体動物の養殖者は養殖地域の水質に注意しなくてならない。
 非加熱喫食用食品を製造する食品業者は、この危険を予測し、HACCAP計画内のリスクを評価しなければならない。コーデックス食品規格委員会は、食品中のウィルスの管理のための衛生の一般原則に関する指針を作成中である。
 EFSAは一連の措置を推奨しており、概要は以下のとおり。
・委員会規則(EC)2073/2005に定められた細菌に関する基準の遵守
・食品の汚染、又は、設備及び接触面によるウィルスの伝播を防ぐための、手の衛生管理の厳守
・(取扱者の病気など)リスクのある状況のための、洗浄及び殺菌の明確な計画の作成
・野菜の汚染除去
地域 欧州
国・地方 スペイン
情報源(公的機関) スペインカタルーニャ州食品安全機関(ACSA)
情報源(報道) カタルーニャ州食品安全機関
URL http://www.gencat.cat/salut/acsa/html/es/dir3226/acsabrief_2011_11_norovirus_es.pdf
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。