食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03440870475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、ヤムイモ(Dioscorea)アルコール抽出物の無害性を保証する作業の妥当性について意見書を提出
資料日付 2011年9月20日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、サプライヤーが実施するサプリメント成分のヤムイモ(Dioscorea)のアルコール抽出物の無害性を保証する作業の妥当性について競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)から諮問を受けて2011年7月22日付けで意見書を提出した。
 2006年5月9日付け省令は、欧州指令No.2002/46/ECのビタミンとミネラルのポジティブリストを取り込み、摂取最大用量を付加した。旧フランス食品衛生安全庁(旧AFSSA)は2007年と2008年の意見書で、植物、藻類及び菌類のポジティブリストは健康安全性を保証できるものではないと指摘している。実際、植物や植物由来製品摂取の安全性に関する情報は主として食習慣に依存しており、経験的なものである。植物学上の種類、それぞれの成分及び抽出物の成分、使用された抽出方法毎の成分に関するデータは、これらの製品の安全性に関与するにもかかわらず、非常に少ない。
 2009年7月21日付け医療機関、患者、保健、国土保全法(Loi No.2009-879)は、ANSESに、栄養目的や生理学的目的で新開発食品、サプリメント及び特別食品に使用する食品添加物の監視システム構築を委嘱している。全国栄養監視システムの枠組みで、ヤムイモのアルコール抽出物を含有するサプリメントを摂取した消費者11人に有害影響があったことがANSESに通知されている。ANSESは自ら評価を実施し、ヤムイモのアルコール抽出物をサプリメントとして使用することの安全性に関する意見書を2010年11月22日付けで発表している。
 このANSESの自ら評価による意見書が出た後に、競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)はヤムイモのアルコール抽出物を市場に出している企業の検査を行った。ANSESに植物種の特定、抽出物の化学的特徴付けに関する当該企業の回答資料を提出し、この企業が行っている抽出作業の妥当性と結果について意見を要請してきた。
 ヤムイモは非常に多くの種類があり、この種の植物化学成分はあまり知られていないが、その中には毒性が明らかなものもある。
 使用する種類を特定するには、専門家によってそれぞれの対照サンプルを事前及び伝統的に識別(形態学的、化学的など)する必要があるので、現在は、分子生物学上の亜種や品種を区別することは不可能である。
 混合リスクが懸念される主要な種を特定するためには、現状では、高性能薄層クロマトグラフィー(HPTLC)または適切なクロマトグラフィー分析によるプロファイルが、迅速で、信頼性が高く、かつ経済的な方法である。
 提出された資料には、Dioscorea oppositifoliaと混同リスクが懸念される主要な2つの種が特徴付けられている。
・Dioscorea villosaは同じ場所にあり、この種は毒性があると記されている
・Dioscorea bulbiferaは高い確率で毒性がある種で、優先的に検査することを要する。なぜならば、肝毒性または腎毒性が知られているジオスブルビン-Dやジオスブルビシドタイプのサポニンを含むフラノクレロダン類(furanoclerodanes)の二次代謝物を含んでいることを示す文献が最近発表されているからである。これらのテルペン類の中でもフラン誘導体で肝毒性を示す可能性があるジテルペン類は脂溶性であり、極性溶媒中ではサポノシド(表面活性)により可溶化される。
 原料植物及びその抽出物の生産管理に、生産現場でHPTLC検査を行う必要がある。交差汚染を避けるために生産ロットのトレーサビリティと厳正な規則が必要である。
 提出資料には、リサイクルされたアルコールが、メーカーが最初に定義している基準を満足していることを保証するためのリサイクル・プロセスについて充分に説明がなされていない。
 結論として、消費者の安全性を確保するべく、ヤムイモのアルコール抽出物の商品化のために遵守すべき条件には、以下のサプライヤーの義務を含めるものとする。
・栽培地及び抽出準備(前処理)現場で乾燥する前に行う塊茎の皮むき、洗浄、熱処理。
・日常的管理のために、植物原料や抽出物をロット毎に各プロセス段階で適切なサンプリングを行い、HPTLCまたは適切なクロマトグラフィー法により、標準物及び明らかに毒性が知られている成分により比較分析できるシステムの設置。
・製造工程の最初から最後まで最適製造実践規範(製造管理および品質管理規則)の遵守。抽出プロセスで使用されるエチルアルコールのリサイクル・プロセスの詳細説明の作成。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL http://www.anses.fr/Documents/NUT2010sa0294.pdf
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