食品安全関係情報詳細
| 資料管理ID | syu02240030314 |
| タイトル | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、意見書「乳幼児ミルクには、健康に有害な3-MCPD-脂肪酸エステルが含まれている可能性がある」公表 |
| 資料日付 | 2007年12月18日 |
| 分類１ | - |
| 分類２ | - |
| 概要（記事） | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、意見書「乳幼児ミルク（infant formulae及びfollow-on formulae）には、健康に有害な3-MCPD-脂肪酸エステル(3-MCPD-Ester)が含まれている可能性がある」(7ページ)を公表した。概要は以下のとおり。 バーデン・ビュルデンベルク州化学・獣医学研究所(CVUA)の検査で、マーガリンや油などの精製食用油脂及び乳幼児ミルクを含む脂肪含有食品から高濃度の3-MCPD-脂肪酸エステルが検出された。BfRは当該データに基づきリスク評価を行った。 3-MCPD-脂肪酸エステルは、高温下で脂肪と塩化物イオンから生じる脂肪酸と3-MCPD（3-Chloro-1 ,2-propanediol）の化合物である。3-MCPDは脂肪と塩を含む食品が製造過程で高温処理された場合に生じる。動物実験で3-MCPDは、腎臓尿細管の過形成を誘発し、高用量で良性腫瘍を誘発する。遺伝毒性は確認されていない。ヒトに関する知見は提出されておらず、ヒトの腎臓尿細管の過形成の臨床症状は報告されていない。 CVUAの検査では、全ての精製植物油脂に相当量の3-MCPD-脂肪酸エステルが含まれていた。天然オリーブ油など加熱処理されなかった油では、3-MCPD-脂肪酸エステルが検出されなかった。3-MCPD-脂肪酸エステルは高温下で生成されるので、食用油脂の脱臭過程で生じるものと思われる。乾燥粉末ベースの乳幼児ミルクは、必須脂肪酸を補給するため植物油が（一部動物油も）添加されているが、その油は無臭にするためほとんど精製されている。乳幼児ミルク10サンプルの脂肪分中の含量は（3-MCPDに換算して）最大値4 ,169μg/kg(infant formulae)、最小値1 ,210μg/kg、平均値2 ,568μg/kgであった。更に20サンプルを検査したところ、最大値は8 ,467μg/kg (follow-on formulae)であった。 3-MCPD-エステルに関する毒性データがないためBfRは、3-MCPDのリスク評価結果に基づき健康影響評価を行った。その際、消化過程で3-MCPD-脂肪酸エステルから3-MCPDが全て遊離すると仮定した。乳児が当該乳幼児ミルクを通常量摂取することにより、3-MCPD の摂取量は耐容一日摂取量(TDI：2μg/kg体重）の3～20倍となる（TDIは通常生後数ヶ月までの乳児には適用されないが、評価の補助として用いた）。又、暴露マージン(MOE)は、ワーストケースではinfant formulaeで44、follow-on formulaeで28と小さい。 それゆえBfRは、食用油脂及び脂肪含有食品中の3-MCPD-脂肪酸エステルを低減する対策が必要だと考える。3-MCPD-脂肪酸エステルの問題は、特定の製品あるいは特定の製造者の製品にのみ該当するものでないため、精製油脂製造における代替技術の開発が必須である。 なお、母乳で育てることのできない乳児には、今後も市販製品を与えるよう助言する。牛あるいは他の家畜の乳は、乳児の成長に必要な栄養素が欠けているため代替とはならない。又、3-MCPDがヒトへどのように影響を与えているか等は未だ不明であり、実験動物と比較してヒトにおける3-MCPDの感受性に関し、明白な形で説明がされていない。 CVUAが公表した検査結果に関するプレスリリース（3-MCPD-Esterに関するQ&A）は以下のURLより入手可能。 http://www.cvuas.de/pub/beitrag.asp?ID=717&subid=1&Thema_ID=2&Pdf=False&Aktuell=True 図1の検査結果(平均値)は左から、(1)獣脂、(2)カカオバター/チョコレート、(3)天然オリーブ油、(4)他の天然/冷搾植物油、(5)精製植物油、(6)オードブル(脂肪分中)、(7)マーガリン(脂肪分中)、(8)ロースト用/フライ用脂肪(未使用)、(9)くるみヌガークリーム、(10)乳幼児ミルク(乾燥粉末の脂肪分中)を示している。 なお、本意見書の英語版は以下のURLより入手可能。 http://www.bfr.bund.de/cm/245/infant_formula_and_follow_up_formula_may_contain_harmful_3_mcpd_fatty_acid_esters.pdf |
| 地域 | 欧州 |
| 国・地方 | ドイツ |
| 情報源（公的機関） | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
| 情報源（報道） | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
| URL | http://www.bfr.bund.de/cm/208/saeuglingsanfangs_und_folgenahrung_kann_gesundheitlich_bedenkliche_3_mcpd_fettsaeureester_enthalten.pdf |
（※注）食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要（記事）は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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