食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu01620010362
タイトル 台湾台北市衛生局、食品中のトランス脂肪酸について検査を実施。トランス脂肪酸の摂取を減らす方法をアドバイス
資料日付 2006年10月2日
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分類2 -
概要(記事)  台湾台北市衛生局は10月2日、「市販のスナック食品の84%は、米国及びヨーロッパの定めるトランス脂肪酸に関する基準を満たした」と題するリリースを発し、同局が市販のバター及びスナック食品等のトランス脂肪酸について実施した検査の結果を公表した。リリースの概要は、以下のとおり。
1.背景
 トランス脂肪酸を多く摂取する者は、将来的に心血管疾患や糖尿病に罹患するリスクが高まることが疫学研究により判明してきており、米国心臓病学会もトランス脂肪酸の摂取量を減らすことをアドバイスしている。
 現在、デンマーク等のEU加盟国においては食品中のトランス脂肪酸含有量の表示を義務づけているうえ、含有量を2%以下にするよう義務づけている。また、米国も暫定基準を2%と設定している。
2.検査結果
①同局は市販の食品中のトランス脂肪酸含有量を把握するため、2006年2月に市民からの検査申請を受け付けたところ合計85サンプルが寄せられ、うち4サンプルのトランス脂肪酸含有量が2%を超過し、含有量は5.27%~13.54%であった。超過した4サンプルはいずれもマーガリンであり、硬化油を使用した製品のトランス脂肪酸含有量が比較的高いことが示されている。
②同局は市販の食品中のトランス脂肪酸含有量について、さらに状況を把握するために、スナック食品(snack food:スナック菓子のほか、フレンチフライ、フライドチキン等も含む)及び油脂含有量の高い食品30サンプルについて検査したところ、トランス脂肪酸の検出率は33.33%で、うち5サンプルのトランス脂肪酸含有量が2%を超過し、含有量は3.22%~6.28%であった。超過した5サンプルはスナック食品(1)、チーズ類(1)、バター・クリーム類(2)、及びパイ類(1)であった(カッコ内は超過サンプル数)。
3.解説
 2.②の検査結果によりチーズ類、パイ類及びバター・クリーム類のトランス脂肪酸検出率が比較的高いことがわかった。その理由について、同局は以下のように分析している。
①チーズは主に反すう動物由来の乳製品により製造される。一方、クリーム及びパイ類等は主にショートニング、マーガリン及び硬化油により製造される。
②トランス脂肪酸の主な生成源は2つある。一つ目は化学作用によるもので、水素添加により液体油が固体油に変化すると同時に、脂肪酸の共役二重結合に水素が添加されることにより飽和脂肪酸となり、シス型からトランス型に変わる。トランス型の方がシス型より化学結合が安定しているため、水素添加を経て製造された製品は高温・酸敗に強く保存期限を延長できるほか、コーティング加工しやすい等の特性がある。
③生成源の二つ目は微生物作用によるものである。牛、めん羊等の反すう動物の胃に含まれる微生物は牧草を発酵させ脂肪酸を合成するが、この中にトランス脂肪酸が含まれる。このため、牛及びめん羊等の肉、乳及び乳から加工されるバター等にはトランス脂肪酸が含まれる。
④このほか、一般家庭で使用する植物油は、高温下で酸敗しやすく、トランス脂肪酸を生成しやすい。このため、油脂製品の選択に注意するだけでなく、調理方法にも注意を払い、長時間にわたり高温の油で揚げたり炒めたりすることを避け、油の使用量の少ない調理方法を選ぶよう、同局は消費者にアドバイスする。
4.アドバイス
 同局はトランス脂肪酸の摂取を減らす方法として、以下5つの方法をアドバイスする。
①フライ食品や層が多く、さくさくとした歯触りのクッキー、西欧風のパンの摂取を避けること。
②紅茶やコーヒーの飲用の際はクリームではなく牛乳を使用すること。
③脱脂ヨーグルト、脱脂チーズ、脱脂乳及び脱脂乳製品を選択すること。
④比較的柔らかい植物性のマーガリンを選択すること。
⑤硬化油を含む加工食品(ビスケット、フライドチキン、ドーナッツ、ポテトチップス等のフライ食品)の摂取を減らすこと。
 また、同局は消費者に対して表示に注視し、水素添加植物油、マーガリン、トランス脂肪酸等の表示がある製品の摂取を減らすよう注意を喚起する。
地域 アジア
国・地方 台湾
情報源(公的機関) 台湾行政院衛生署食品薬物管理局(食品資訊ネット)
情報源(報道) 台湾行政院衛生署食品衛生処(食品資訊ネット)
URL http://food.doh.gov.tw/chinese/news_1.asp?idx=1140
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