評価書詳細

項目 内容 添付資料ファイル
評価案件ID kya20041015177 -
評価品目名 我が国における牛海綿状脳症(BSE)対策について -
評価品目分類 プリオン -
用途 -
評価要請機関 厚生労働省・農林水産省 -
評価要請文書受理日 2004年10月15日
評価要請の根拠規定 食品安全基本法第24条第1項第13号及び第24条第3項 -
評価目的 我が国における牛海綿状脳症(BSE)対策について、「日本における牛海綿状脳症(BSE)対策について」(平成16年9月9日食品安全委員会通知)を踏まえ、以下の事項に係る見直しを行うに当たっての食品健康影響評価
(1) と畜場におけるBSE検査について、牛海綿状脳症対策特別措置法第7条第1項の規定に基づく検査対象となる牛の月齢の改正及び検査技術に係る研究開発の推進
(2) 特定危険部位(SRM)の除去の徹底
(3) 飼料規制の実効性確保の強化
(4) BSEに関する調査研究の一層の推進
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評価目的の具体的内容 -
評価結果通知日 2005年5月6日 -
評価結果の要約 ①と畜場におけるBSE検査対象月齢の見直し及び検査技術に関する研究開発の推進
2005年4月からと畜場におけるBSE検査対象牛を全年齢から、21ヶ月齢以上の牛に変更した場合について、生体牛における蓄積度と食肉の汚染度を定性的に比較した結果、食肉の汚染度は全頭検査した場合と21ヶ月齢以上検査した場合、いずれにおいても「無視できる」~「非常に低い」と推定された。定量的評価による試算でも同様の推定が得られた。これらの結果から、検査月齢の線引きがもたらす人に対する食品健康影響(リスク)は、非常に低いレベルの増加にとどまるものと判断される。
なお、検査技術に関する研究開発の推進に係る諮問については、「④BSEに関する調査研究の一層の推進」を参照。

②SRMの除去の徹底
SRM除去は、我が国における人のvCJDリスクの低減に寄与する重要な対策である。そのため、SRM管理に関する施策の遵守状況と適切なSRM汚染防止方法の実施状況を確認するため、と畜場における実態調査を定期的に実施することはリスク回避に有効である。
食肉のBSE汚染リスクをさらに低減させるため、ピッシングの中止に向けて、具体的な目標を設定し、できる限り速やかに進める必要がある。せき髄組織の飛散防止、と畜解体方法に関する衛生標準作業手順(SSOP)の遵守については、引き続き徹底することとし、SRM管理措置の有効性について検証していくことが重要である。スタンニングについても、有効な代替技術が現状では見当たらないが、今後、有効な方法の導入について検討することが重要である。

③飼料規制の実効性確保の強化
輸入配混合飼料の原料について届け出がなされることは、牛がBSEプリオンに暴露されるリスクを低減するのに有効である。また、飼料輸入業者、飼料製造業者、飼料販売業者、および牛飼育農家に対する検査・指導体制を強化することは、飼料規制の有効性を検証するために重要である。具体的な目標を設定し、できる限り早く達成する必要がある。

④BSEに関する調査研究の一層の推進
今後、より感度の高い検査方法を開発する必要がある。厚生労働省及び農林水産省は、BSEに関する研究の円滑な実施のため、若齢牛を含む検体の採材、輸送、保管等について、十分に配慮する必要がある。新たに得られるデータは、今後のリスク評価の重要な材料となるからである。また、SRM汚染防止等のリスク回避措置の有効性についての評価方法の開発、動物接種試験によるBSEプリオンたん白質の蓄積メカニズムの解明等に向けた研究とともに、基礎研究のみならず、リスク評価に必要なデータを作成するための研究が推進されるべきである。
評価結果の要約補足 - -