研究情報詳細

評価案件ID cho99920242306
評価案件 最新のベンチマーク手法をリスク評価に実装するための課題に関する研究(課題番号:JPCAFSC20232306)
資料日付 2025年3月31日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
事業概要  定量的リスク評価に用いられるベンチマークドーズ(BMD)法については国際的にベイズ推定に基づく手法が主流となりつつあるが、行政的な実用例は乏しく検証が必要である。そこで、BMD手法のリスク評価への実装に向け、(1)BMDL値に影響するパラメータ条件の抽出、及び(2)事前分布の統計学的位置づけの整理を行い、(3)課題を整理した。

(1)二値または連続値データ(各約500データセット)に対し、EFSAのBayesian BMDと、NIEHSのToxi cR を用いて解析し、デフォルト設定での解析結果及び事前分布設定を変更した時の解析結果を比較し た。二値で約7割、連続値で約8割のデータで、ツール間の解析結果に大きな差はないことが確認され た。一方、ツール間や事前分布の設定方法で解析結果が大きく異なる用量反応曲線の特徴として、凸 型曲線、プラトー曲線、反応が低くなだらかな曲線、低用量域で急峻な反応がみられる曲線があった。
(2)両ツールの事前分布の特徴や考え方を整理し、BMDLの結果に影響を与える事前分布の因子を解析し、計算結果の収束化やモデル平均化の適正性の判断に影響を与える実験データの特徴を整理した。両ツールの事前分布の設定における方法論の特徴から、事前分布の影響の傾向には違いがあると考えられた。
(3)(1)及び(2)より、両ツールの方法論の違いとそれに伴うBMDL解析結果の違いが確認され、リスク評価への実装のためには、パラメータの設定条件や解析結果の採用の是非等の指針について検討が必要である。

(注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。 本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。
事業名 食品健康影響評価技術研究
実施機関 食品安全委員会
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