研究情報詳細
| 評価案件ID | cho99920242203 |
| 評価案件 | 誘電泳動法を用いた細胞分離・捕捉技術の確立によるViable But Non-Culturable状態のカンピロバクタ―の網羅的特性解析(課題番号:JPCAFSC20222203) |
| 資料日付 | 2025年3月31日 |
| 分類1 | --未選択-- |
| 分類2 | --未選択-- |
| 事業概要 | 「生きているが培養できないViable But Non-Culturable (VBNC)」状態の細菌に関して様々な研究がなされている。この間、細胞膜の活性に着目した蛍光染色法による検出技術の発展、さらには選択的膜透過性色素を用いたリアルタイムPCR法による生菌由来DNAの選択的な検出定量が可能となってきているが、未だにVBNC状態そのものの性質は明らかになっていない。 本研究では誘電泳動法とマイクロ流路を組み合わせた技術を用いることで、蛍光色素等の化学修飾なし(ラベルフリー)に、特定の周波数帯においてVBNC状態の細菌細胞のみを捕集する技術を開発することに成功した。特に、カンピロバクター食中毒の原因の一つと考えられている不十分な加熱処理(50~60℃)において発生しうるVBNCをラベルフリーで分離定量する技術の開発に成功した。この手法によれば、VBNC状態のカンピロバクター細胞のみを捕集でき、VBNC細胞内での生化学的な変化を検討するための試料取得を可能とした。 一方で、カンピロバクター食中毒の原因としてVBNC状態のカンピロバクターの潜在的な存在に注目したが、当初想定していた市販鶏肉からVBNC状態の菌と生菌とを分離定量することは現実的な総汚染菌数の実態から考えて、技術的にも困難であるだけでなく、VBNCが大量に潜んでいる可能性は低いことが明らかとなった。 したがって、カンピロバクター食中毒が減少しない原因としてVBNCの存在に起因させることは無理があり、本研究では真相究明にまで至らなかった。 (注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。 |
| 事業名 | 食品健康影響評価技術研究 |
| 実施機関 | 食品安全委員会 |
| 添付資料ファイル |