研究情報詳細

評価案件ID cho99920191802
評価案件 食物消化過程におけるカンピロバクターの生残特性を基盤とする新たな用量反応モデルの開発
資料日付 2020年3月31日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
事業概要  鶏肉摂食によるカンピロバクター属菌の食中毒リスク評価において、核となる摂取菌量と感染確率との関係を表す用量反応モデルを、生体反応に基づいた従来にない全く新規な方法で開発することを目的とした。本研究では、反応過程が不明であった従来の用量反応モデルから脱却して、鍵となる消化過程の反応場毎での生存/死滅の確率を推定し、低用量における感染確率についても予測可能とする最終的な感染確率を予測する数理モデルを開発した。まず初めに、食物消化過程の第一関門である胃内でのカンピロバクターの生残特性を、人工胃液中での各種の鶏肉料理とともに暴露した際の生存挙動から明らかにして、生存確率を推定可能とする予測モデルを開発した。二番目に、胃での消化過程を通過したカンピロバクターの、消化過程の第2関門である小腸での腸内細菌叢との競合条件下における生残特性を明らかにして、生存確率を推定可能とした。次に、カンピロバクター感染成立の最終過程である、小腸上皮細胞への侵入確率をCaco-2細胞を用いた培養細胞系を用いて明らかにして、侵入確率を推定可能とした。最後に3段階の消化過程反応場毎の結果を統合した用量反応モデルを開発し、摂取菌量、摂食した料理の種類および摂食量を考慮できる新たな用量反応モデルを開発した。また、従来の提案モデルとの比較により、開発したモデルが妥当であることを明らかにした。

(注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。
   本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。
事業名 食品健康影響評価技術研究
実施機関 食品安全委員会
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