研究情報詳細
評価案件ID | cho99920111004 |
評価案件 | 市販鶏卵におけるSalmonella Enteritidis汚染の実態解明とリスク評価法への活用について(研究課題番号1004) |
資料日付 | 2011年3月31日 |
分類1 | --未選択-- |
分類2 | --未選択-- |
事業概要 | 事業概要 "[主任研究者]所属:財団法人 畜産生物科学安全研究所/氏名:江口 正志 Salmonella Enteritidis(SE)による食中毒は世界中で猛威を振るっており、特に微生物による食中毒ではあまり起こらない死亡も依然として多発している。SEによる食中毒の主要な原因はSE汚染鶏卵である。食品安全委員会では現在、鶏卵のSE汚染による食中毒に関するリスクプロファイルを作成中であるが、生産流通段階における情報は不十分であり、SE汚染鶏卵によるリスクの推定を非常に困難にしている。この研究では、全国各地から収集する総数約10万個の市販鶏卵についてSE検査を実施することにより、日本国内における市販鶏卵内容のSE汚染実態を解明することを目的とした。 極めて低いと予想されるSE汚染率を算出するために、1年間に約10万個の市販鶏卵を検査する態勢を構築し、検査を実施した。すなわち全国15地域より平成22年6月から平成23年1月にかけて購入した総数105 ,033個の市販鶏卵について、同一銘柄卵20個をプールして1検体とし、米国のペンシルバニアパイロットプロジェクトで採用された方法に準じてSE検査を行った。総検査検体5 ,400検体のうち、3検体からSEが分離された。これら3検体の鶏卵購入地方及び時期は、東海地方(8月購入)、関東地方(10月購入)及び近畿地方(11月購入)であった。SE汚染が認められた検体の選別・包装、流通に関与したGPセンターは、単一の銘柄卵を供給するGPセンターに限られていた。包装ラベルに記載された生産農場、選別包装業者、販売元等の情報からは、汚染が確認された3銘柄卵相互の関連性は見いだせず、これらは独立して生じた単発のSE汚染事例であった可能性が高い。また、特定ができた2箇所の汚染卵生産農場は、いずれも中小規模の養鶏場であった。 この成績及び20 ,300個を検査しても汚染卵は見いだせなかったという国内報告ならびにペンシルバニアパイロットプロジェクトの成績から、卵内容がSEに汚染された市販鶏卵の割合(SE汚染率)は0.0029%程度と予想された。今回の調査は卵内容のSE汚染(in egg SE汚染)のみを調査したものであることから、今回検出された汚染はGPセンターでの汚染というより、生産農場におけるin egg SE汚染を反映している可能性が高いものと思われる。今後、農場におけるin egg SE汚染に着目した調査が望まれる。 (注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。 本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。 |
事業名 | 食品健康影響評価技術研究 |
実施機関 | 食品安全委員会 |
添付資料ファイル |