研究情報詳細

評価案件ID cho99920090804
評価案件 プリオン遺伝子ホモKO牛の特性に関する研究(研究課題番号0804)
資料日付 2011年3月31日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
事業概要 事業概要 "[主任研究者]所属:東京大学 農学生命科学研究科/氏名:眞鍋 昇
 経口的に感染するのみならず孤発性も確認されている牛海綿状脳症(bovine spongiform encephalopathy:BSE)の統御には病原体であるプリオンタンパクを発現しないようにプリオン遺伝子をホモノックアウト(KO)した牛の作出しか方策がない。プリオン遺伝子KO牛作出とその特性解明を目的とする本研究開発事業は、食品の安全の担保、牛生体材料を利用した様々な医薬・医療品などの安全確保にとって必須である。プリオン遺伝子KO牛では体細胞核移植の効率が悪いので、大幅に改善する手法を開発した。またプラスミド由来の外来性の塩基配列がプリオン遺伝子欠損部位に残っているのでKOベクターに自殺遺伝子を導入し、残存外来遺伝子を大幅に減少させることができた。プリオン遺伝子KO牛でも体細胞核クローン牛に共通に認められる大きな胎仔と胎盤、自然分娩の困難、新生仔における高死亡率などは認められるものの、対象(体細胞核クローン牛)と比較した場合、胎仔においては臨床レベルでの異常、様々な臓器における病理学的異常、生化学的脳神経系における抗酸化系酵素活性の異常などの明瞭な異常は認められなかった。しかし詳細に調べると、プリオン遺伝子KO牛では、KO操作にともなって脳を含む様々な臓器の多様なタンパクの発現が影響を受けていること、神経系細胞において多くのタンパクの酸化変性や脂質酸化の抑制が生じていることが判明し、加齢に伴う変化や次世代における健常性を見極めなくてはならないことが分かった。

(注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。
   本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。
事業名 食品健康影響評価技術研究
実施機関 食品安全委員会
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