食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05870460294
タイトル 世界保健機関(WHO)、複数国にわたる小児における病因不明の重症急性肝炎についての続報を公表(7月12日付)
資料日付 2022年7月12日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  世界保健機関(WHO)は7月12日、複数国にわたる小児における病因不明の重症急性肝炎についての続報を公表した。概要は以下のとおり。
1. 集団発生の概況(Outbreak at a glance)
 2022年7月8日の時点で、WHOの症例定義を満たす、小児における病因不明の重症急性肝炎の可能性例(probable case)1
,010例(22例の死亡を含む)が、5つのWHO地域の35か国から報告されている。2022年6月24日に公表された前回の疾病発生ニュース以降、90例の新たな可能性例と追加の4例の死亡がWHOに報告された。更に、ルクセンブルグ及びコスタリカの新たな2か国が可能性例を報告している。
 WHOは、症例及び肝移植が予想よりも高い割合で発生している場所を把握するため、2022年の病因不明の重症急性肝炎の発生率を過去5年間と比較し推定する目的で、世界的な調査を開始した。
 当該疾病発生ニュースでは、この集団発生の疫学に関する最新情報、及び当該事案への対応に関する最新情報(WHOグローバル臨床プラットフォーム(WHO Global Clinical Platform)での臨床例報告様式(CRF)の開始、感染予防管理(IPC)、リスクコミュニケーション及び地域参画(RCCE)等を含む)を提供する。
2. 集団発生の説明
 2022年4月5日(当該集団発生の最初の確認日)から7月8日までの間に、可能性例1
,010例及び22例の死亡が、5つのWHO地域の35か国から報告されている。これらには、2021年10月1日以降の遡及的に特定された、後述するWHOの症例定義に適合する新たな症例が含まれる。分類が保留されており、累積可能性例数に含まれていない症例を報告している国がさらに3か国ある。可能性例のうち、46例(5%)の小児が移植を必要とし、22例(2%)の死亡がWHOに報告されている。
 報告された可能性例のほぼ半数(48%)はWHO欧州地域から報告されており(21か国が484症例を報告)、英国の272症例(世界の症例の27%)が含まれている。2番目に多い可能性例数はアメリカ地域(n=435、米国の334例(世界の症例の33%)を含む)から報告されており、西太平洋地域(n=70)、東南アジア地域(n=19)及び東地中海地域(n=2)がそれに続いている。17か国が5例以上の可能性例を報告している。実施されている強化監視体制が限られていることもあり、実際の症例数は過小に見積もられている可能性がある。より多くの情報及び検証済みデータが入手可能になるにつれ、症例数は変化すると予想される。
3. 症例の臨床検査
 可能性例の暫定症例定義に基づいて、臨床検査ではこれらの小児におけるA-E型肝炎ウイルスは除外された。アデノウイルスやSARS-CoV-2等の病原体がPCRにより多くの症例で検出されたが、WHOに報告されたデータは不完全である。
 アデノウイルスは、利用可能なデータがある症例の中で、引き続き、最も頻繁に検出される病原体である。欧州地域では、利用可能な結果が得られた症例の52%(193例/368例)でPCRによりアデノウイルスが検出されている。日本では、結果が判明している症例の9%(5例/58例)でアデノウイルスが検出されている。大部分の国ではアデノウイルスの監視が限定的であるため、これらの割合がその集団で予想される割合よりも高いかどうかを評価することは困難である。
 SARS-CoV-2は多くの症例で検出されているが、血清学的結果に関するデータは限定的である。欧州地域では、利用可能な結果が得られた症例の16%(54例/335例)でPCRによりSARS-CoV-2が検出されている。米国からの暫定報告によると、利用可能な結果が得られた症例の8%(15例/197例)でSARS-CoV-2が検出されている。日本でも、利用可能な結果が得られた症例の8%(5例/59例)でSARS-CoV-2が検出されている。これらの数値は、新しいデータが利用可能になれば、変わる可能性がある。
 報告されたほとんどの症例では疫学的関連はないと見られた。しかしながら、疫学的関連例がスコットランド及びオランダで報告されている。
※WHOの暫定症例定義:
(1)確定例:現時点では該当なし。
(2)可能性例:2021年10月1日以降、血清トランスアミナーゼ(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)又はアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT))が500 IU/Lを超える急性肝炎(非A-E型肝炎)を呈している16歳以下の者。
(3)疫学的関連例:2021年10月1日以降、可能性例の濃厚接触者である、急性肝炎(非A-E型肝炎)を呈している全ての年齢の者。
4. 症例の疫学的特徴
 データが利用可能な571の可能性例(全ての可能性例の57%)のうち、過去一か月の症例数は減少傾向にある。ただし、多くの国で報告の遅延があり、また監視が限定的であるため、この傾向は慎重に解釈する必要がある。
 2022年7月8日現在、性別及び年齢に関する情報のある479例のうち、48%が男児(n=232)であり、大多数の症例(76%、n=364)は6歳未満である。
5. WHOのリスク評価
 WHOは、以下を考慮して、世界レベルでのリスクを中程度と評価している。
(1)この重症急性肝炎の病因は依然不明であり、調査中である。
(2)現在WHOが利用可能な疫学、検査、組織病理学的及び臨床情報は限定的である。
(3)実施されている強化監視体制が限られていることもあり、実際の症例数及び地理的分布が過小に見積もられている可能性がある。
(4)病因物質の可能性のある伝播様式はいまだ明らかになっていない。
(5)医療関連感染の利用可能な報告はないが、疫学的関連例の報告が初期に数件あるため、ヒトからヒトへの伝播を排除することはできない。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 世界保健機関(WHO)
情報源(報道) 世界保健機関(WHO)
URL https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2022-DON400
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