食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06770860535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、ディスカッションペーパー「過剰なビタミンEが母体の健康に与える影響」を公表
資料日付 2026年7月6日
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概要(記事)  英国毒性委員会(COT)は7月6日、2026年7月14日会合用のディスカッションペーパー「過剰なビタミンEが母体の健康に与える影響」(TOX/2026/25、PDF版124ページ)を公表した。概要は以下のとおり。
《序説》
 栄養に関する科学諮問委員会(Scientific Advisory Committee on Nutrition(SACN))は、母体の食事と栄養が子どもの健康に関係する問題について、これまでに「母体・胎児・子供の栄養がその後の人生における慢性疾患の発症に与える影響」(SACN, 2011)及び「生後1年間の授乳」(SACN, 2018)に関する報告書で検討してきた。後者の報告書では、母体の健康に対する母乳育児の影響についても検討された。
 2019年、SACNは、妊娠中、出産時、及び出産後24か月までの母体の健康に焦点を当てた、栄養と母体の健康に関するリスク評価を実施することに同意した。これには、食事中の化学汚染物質や過剰な栄養素の影響が含まれる。この評価では乳児の健康についても検討するが、新生児期に関連するものに限られる。新生児期は通常、出生後28日までとみなされるが、新生児への影響に関する適切な期間は、個別に判断される。
 SACNは、適切な場合には、他の専門委員会にも相談し、食品安全に関する助言分野などで関連するリスク評価を完了するよう依頼することで合意した。この議題は、2020年1月の会合における将来動向把握項目で最初に議論され、2020年7月にスコーピングペーパーが委員会に提出された。これには、SACNが提案した暫定的な化学物質一覧に関する背景情報が含まれていた。暫定的な化学物質一覧は、毒性学的リスク評価プロセスを主導するCOTによる議論を受けて変更される可能性があることが指摘された。候補となる化学物質又は化学物質群は、COTが適切と判断した場合に追加又は削除され得る。この一覧は、追加情報と共に2020年9月に再びCOTに提出された。2020年9月のCOT会合での議論の後、幾つかの構成要素に関する文書を優先することが合意され、このため、ヨウ素、ビタミンD、及び栄養補助食品に関する文書は、委員会に提出されたか、又は今後提出される予定である。残りの化合物の一覧は、毒性とばく露に基づいて振り分けることとされた。当該文書は、このプロセスを支援することを目的とした情報を提示する。
《結論》
 食事中のビタミンEは一般的な健康に不可欠であり、妊婦におけるビタミンE欠乏は胎児の発育を損ない、流産、子癇前症(preeclampsia)、早産のリスクを高めることが知られている(Gagne, et al., 2009)。
 ビタミンEは抗酸化物質として機能し、ROS(活性酸素種)を不活性化する。主として細胞膜脂質を標的とし、過酸化物を生成する反応を防止・終結させることで、ROSを介した脂質過酸化から保護する。これらの過酸化物は二次的なROSとして作用する。
 過剰なビタミンE摂取は、妊娠高血圧、子癇前症、巨大児(macrosomia)のリスク増加を含む、様々な潜在的な有害影響と関連している。又、臍帯血中のビタミンE濃度の上昇は、低出生体重児(SGA:small-for-gestational age)出生のリスク増加及び出生体重の低下と関連している。
 妊娠初期における食事からのビタミンE摂取量が多いことは、インスリン感受性の低下と関連しており、これは糖代謝への潜在的な有害影響を示している可能性がある。
 ビタミンEはまた、ビタミンKの吸収と代謝を妨げ、ビタミンK依存性凝固因子の産生を減少させ、その結果、出血が長引くリスクを高めることが示されている。この相互作用は、耐容上限摂取量(TUL)を設定するための重要なエンドポイントとして特定された。妊婦における直接的なエビデンスは非常に限られているが、このような影響が妊娠及び出産に悪影響を及ぼす可能性があることは依然として懸念される。これは高用量サプリメントの文脈ではより大きな懸念であり、食事からの摂取と組み合わさることで、総ビタミンE摂取量がTULを超える可能性がある。
 世界保健機関が検討したエビデンスによれば、妊娠中のビタミンE補給は、胎盤早期剥離の減少の可能性があるにもかかわらず、前期破水(PROM)及び腹痛のリスクを増加させる可能性がある。これは、妊娠中のビタミンE補給における全体的な便益とリスクのバランスに関する不確実性を浮き彫りにしている。
 大規模な観察ヒト研究の結果は限られており、一貫性もなかったが、これらの研究は有害影響の検出を目的として設計されていないことが多く、自己申告に依存していたか、ビタミンE補給を記録していなかった。
 動物実験では、高用量のビタミンE補給は、受胎能の低下、卵母細胞発生の障害、及び卵巣生理の変化と関連しており、酸化ストレス又は還元ストレス経路を介している可能性があることが示された。これらの知見がヒトに関してどの程度関連するかは不確かであるが、過剰な抗酸化物質へのばく露が正常な酸化還元バランスを乱し、その下流で生殖健康に影響を及ぼす可能性があるという仮説とは一致している。
 食事由来のビタミンEの摂取量は一般に、設定された上限摂取量を大きく下回っており、リスクをもたらす可能性は低い。高用量の補充は、総摂取量がEFSAのTULである300 mg/日を超えることにつながり得る。総じて、証拠にはばらつきがあり限界もあるが、研究全体を通して一貫して見られるのは、有害影響は通常の食事摂取よりも高用量のビタミンE補充の文脈で生じやすいということである。
《COTの見解を求める質問》
 委員には、以下の質問について検討するよう求める。
 (1)委員は、このディスカッション・ペーパーに対して、何かコメントがあるか。
 (2)より保守的なEFSA 2024 TUL又は以前のEVM SULの使用に合意するか
 (3)ディスカッションペーパーの内容と構成に同意するか
 (4)その他コメントはあるか
 (注) 本文書はディスカッションを目的とする。COTの見解を示すものではなく、引用されるべきではない。
 本声明案の全文は以下より入手可能。
https://assets.publishing.service.gov.uk/media/6a4bd599b7203c4c023fd287/Maternal_Diet_Vit_E_Acc_V_SO.pdf
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://www.gov.uk/government/publications/14th-july-2026-committee-on-toxicity-meeting