食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06660490470
タイトル 欧州疾病予防管理センター(ECDC)、ECDC感染症脅威報告(CDTR)第5週号(1月24日~30日)において、オランダの牛から鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスに対する抗体が検出された事例に関する情報を紹介 (前半1/2)
資料日付 2026年1月30日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州疾病予防管理センター(ECDC)は1月30日、ECDC感染症脅威報告(CDTR)第5週号(1月24日~30日)において、オランダの牛から鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスに対する抗体が検出された事例に関する情報を紹介した。概要は以下のとおり。
・概況
 2026年1月23日、オランダ当局はフリースラント州の酪農場の1頭の牛の乳から鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスに対する抗体が検出されたと報告した。2025年12月に同酪農場の猫において鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルス感染が確認されたことを受け、1月15日に同農場の20頭の乳牛が無作為抽出により選ばれ、鳥インフルエンザA(H5N1)検査が実施された。ワーヘニンゲン生物獣医学研究所による診断検査では、乳検体から活性を有する鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスは検出されなかったが、ELISA及びLuminex検査の結果、1頭の牛が鳥インフルエンザウイルスに対する抗体を保有していることが判明し、過去に感染にさらされたことが示唆された。当該牛は12月中旬に乳房炎の症状を示しており、結果として、この感染牛の乳はヒトのフードチェーンからは排除された。当該農場の牛乳は加熱殺菌処理(pasteurised)製品にのみ使用されており、それによりウイルスは不活化される。
 その後1月22日に農場内の全乳牛から検体が採取され、鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスの存在についての検査が実施されたが、現時点で全頭陰性である。鳥インフルエンザウイルスに対する抗体の血清学的検査は現在結果待ちである。今のところ、当該農場におけるウイルスの活発な伝播や他農場への二次伝播を示す兆候はない。
 当該農場の関係者及び獣医師に対し、自治体の保健局(GGD)によってA(H5N1)ウイルスに関するPCR検査及び血清学的検査が提供されており、結果待ちである。いずれの個人も、最近において鳥インフルエンザ感染に一致する症状を経験していない。
 オランダ・フリースラント州の飼い猫から分離されたA(H5N1)ウイルス株は、2026年1月7日付でGISAIDに提出された(採取日2025年12月24日)。
 当該分離株A/Domestic cat/Netherlands/25021875-005/2025は、クレード2.3.4.4b、遺伝子型EA2024-DI(サブグループDI.2)に属する。2016年以降欧州で検出された鳥類由来のすべての高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)A(H5Nx)ウイルスはクレード2.3.4.4bに属し、2024~2025疫学年においては、DI.2はHPAI A(H5N1)ウイルスの中で最も頻繁かつ広範に見られた遺伝子型であった。
 系統遺伝学的には、当該ウイルス株は2025年に欧州の野鳥及び捕獲鳥類から収集された他のDI-2株(オランダの野鳥由来株を含む)と同じ系統群に分類される。この猫由来分離株は、この系統群の鳥類株と比較してヘマグルチニン(HA)遺伝子に1塩基の差異を有する。
 さらに、この分離株はPB2セグメントにおいてE627K置換を獲得しており、これは哺乳類宿主におけるウイルスポリメラーゼ活性の上昇に関連している。この変異は哺乳類分離株の約47%で観察されるが、鳥類分離株では1%未満である。
・ECDCの評価
 現在までに、オランダやその他の欧州連合/欧州経済領域(EU/EEA)諸国において、インフルエンザA(H5N1)ウイルスの感染によるヒト症例は確認されていない。鳥インフルエンザの牛からヒトへの伝播は、米国においては、感染牛や汚染された環境にばく露された農場労働者でのみ報告されており、全員が軽度の症状を示し、入院を要した症例はなかった。鳥インフルエンザウイルスが加熱殺菌処理(pasteurised)された乳や乳製品を介して伝播する可能性は低い(unlikely)と見られる。
 当該ウイルスの特性やそのクレードに関する情報が不足しているため、調査には限界がある。しかし、ウイルスは当該地域で流行している鳥インフルエンザウイルスと類似しているものと予想される。
 現時点で入手可能な情報に基づき、ECDCは欧州で現在流行している鳥インフルエンザA(H5N1)クレード2.3.4.4bウイルスによるリスクを、一般集団については「低度(low)」、職業上又はその他の理由で感染動物(牛を含む)や汚染された環境にばく露される人々については「低度~中程度(low to moderate)」と評価している。
・行動
 ECDCは欧州のパートナー組織と連携して状況を監視しており、新たな情報が入手出来次第、EU/EEA域内におけるヒトのリスク評価を継続的に更新する。
 強化サーベイランスに加え、鳥インフルエンザのヒト症例の早期検出、及びヒトからヒトへの伝播可能性を評価するため、ECDCの関連ガイダンス文書に基づき、ばく露された個人の積極的モニタリングと検査が推奨される。
 リスクベースのアプローチに従い、動物へのばく露や鳥インフルエンザ感染症と一致する症状について質問すること、またばく露歴を有する有症状者を検査することの必要性について、すべての一次医療従事者を含め、認識を高めることが重要である。また、潜在的なヒト症例を見逃したり診断が遅れたりしないよう、疫学的状況について意思疎通を図ることも重要である。
 哺乳類間の伝播に関連する不確実性を考慮し、また疫学的状況に応じて、感染の可能性のある哺乳類(例:結膜炎や呼吸器症状の見られる個体)へのばく露があるヒトに対する検査について、その実施基準を低くすることも考えられる。感染動物や汚染された環境にばく露されるヒトは感染リスクが高いため、リスクを軽減するための適切な個人防護対策及びその他の予防措置を常に講じるべきである。

(後半の内容(関連文献):https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06660491470)
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
情報源(報道) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
URL https://www.ecdc.europa.eu/en/publications-data/communicable-disease-threats-report-24-30-january-2026-week-5