食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06610470160
タイトル 英国食品基準庁(FSA)、記事「感染性腸疾患の隠れた負荷の解明:第3次感染性腸疾患調査(IID3)から得られた初期の洞察」を公表
資料日付 2025年10月28日
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概要(記事)  英国食品基準庁(FSA)は10月28日、記事「感染性腸疾患の隠れた負荷の解明:第3次感染性腸疾患調査(IID3)から得られた初期の洞察」を公表した。概要は以下のとおり。
 感染性腸疾患(IID)は英国で最も一般的な疾患の一つであり、あらゆる年齢層が罹患する。多くの症例は軽度で自然治癒する一方、特に乳幼児や高齢者といった脆弱な集団は、入院や稀に死亡などの重篤な転帰をたどる可能性がある。
 IID3は、英国社会におけるIIDの真の負荷及び多様性を明らかにすることを目的とした、画期的な公衆衛生イニシアチブである。FSA及びスコットランド食品基準局(FSS)の資金提供を受け、ニューカッスル大学が主導するこの研究には、オックスフォード大学、リバプール大学、リバプール臨床研究所、英国健康安全保障庁(UKHSA)、スコットランド公衆衛生局、ウェールズ公衆衛生局など、英国全土の専門家からなるコンソーシアムが参加している。
 2年間のサーベイランス期間中、5,000点以上の便検体が採取され、リバプール臨床研究所では最先端の分子診断法(PCR)を用いた検査が行われた。これらの検査では、細菌、ウイルス、寄生虫など、幅広い病原体の検出が可能である。
 しかし、IID3は病気の原因を特定するだけにとどまらない。病原体が発見されると、その検体はナショナルレファレンスラボラトリーに送られ、より詳細な分析が行われる。分析には、微生物のすべての遺伝子コードを解読し、微生物の型、拡散経路、薬剤耐性の有無を調べる全ゲノムシークエンス解析などがある。検体から残った物質(残留検体)は、リバプール大学のバイオバンクに保管され、今後の研究のための有用なリソースとなる。
「データから浮上すること」
・エルシニア属菌
 時代遅れの検査方法のために、歴史的に見過ごされてきたエルシニア属菌は、現在ではIIDの重要な原因として浮上している。分子診断のおかげで、サルモネラ属菌に匹敵する割合で検出されている。動物からヒトに伝播するこの人獣共通感染細菌は、加熱不十分な豚肉、汚染された農産物、そして豚への職業的ばく露と関連付けられている。
 特に懸念されるのは、高齢者(65歳以上)が症例の大部分を占めていることであり、的を絞った公衆衛生上の介入が必要となり得る脆弱な集団が浮き彫りになっている。
・下痢原性大腸菌
 IID3では、日常的な診断では見逃されることが多い腸管病原性株などの下痢原性大腸菌が、広く存在することが明らかになった。多くの検査方法では、これらの細菌が特定されて調べられていないことから、過少報告や、その影響の過小評価につながっている。
 IID3は、これらの症例を捕捉することにより、これらの病原体による地域社会の負荷に関する重要なデータを提供している。これらのデータは、今後の診断戦略を再構築し、臨床現場における検出を向上させ得る。
・ノロウイルス
 ノロウイルスは英国におけるIIDの最も一般的な原因ウイルスであり、病院や介護施設などで集団感染を引き起こしていることが知られている。しかし、これらの集団感染に関与しているのは通常、わずかな型のウイルスのみである。
 IID3は、一般社会集団におけるノロウイルスが遺伝的に非常に多様であることを明らかにしている。この概念は遺伝子型の多様性として知られる。遺伝子型とはウイルスの特定のバージョンであり、多様性とは、多くの異なるバージョンが循環していることを意味する。遺伝子型の多様性が重要視されるのは、遺伝子型によって挙動が異なる可能性があるためであり、この多様性を理解することは、集団感染の管理の改善やワクチン開発の一助となり得る。驚くべき発見の一つは、以前は稀であったノロウイルスの遺伝子型GII.17が、現在では最も一般的な遺伝子型の一つとなっていることである。
・ジアルジア属原虫
 ジアルジア属原虫は下痢を引き起こす寄生虫である。ウェールズ公衆衛生局が開発した新たな検査室検査(アッセイ)により、研究者らは、ヒトの1検体からAssemblage Eとして知られる希少な型のジアルジア属原虫を特定できた。この型は通常、めん羊や牛(cows)などの動物に見られ、ヒトからの検出は稀であることから、新たな、あるいは認識されていない伝播経路を示唆している可能性がある。
「混合感染」
 分子検査の強みの一つは、1検体から複数の病原体を検出できることである。IID3では、複数の病原体を含んでいる検体が多いことが判明した。これらの混合感染は、病気の進行や治療法に影響を与える可能性があるため、理解することが重要である。
「次は?」
 特定された病原体を含む検体は、全ゲノムシークエンス解析などの更なる分析のため、ナショナルリファレンスラボラトリーに送られる。これにより、研究者らは微生物の亜型分類や薬剤耐性遺伝子の特定を行うことができる。残留検体は、またリバプール大学のバイオバンクに保管され、今後の研究のための有用なリソースとなる。
「IID3が重要となる理由」
 IID3は既に、英国におけるIIDへの理解及びアプローチに変化をもたらしている。より多くのデータが分析されるにつれて、これらの病原体の検出状況(incidence)、伝播、薬剤耐性パターンに関するより深い洞察が得られ、最終的には、より優れた公衆衛生対応の構築に役立てられることが期待される。
 IID3の詳細は以下のURLから閲覧可能。
https://www.food.gov.uk/research/foodborne-pathogens/the-third-study-of-infectious-intestinal-disease-in-the-uk-iid3
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国食品基準庁(FSA)
情報源(報道) 英国食品基準庁(FSA)
URL https://science.food.gov.uk/post/3525-uncovering-the-hidden-burden-of-infectious-intestinal-disease-early-insights-from-iid3