食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06550060149 |
タイトル | 欧州食品安全機関(EFSA)、その他の経口ばく露源からの寄与を含む食品及び飲料水中のフッ化物に関する消費者リスク評価の更新に関する科学的意見書の平易な言葉による要約を公表 |
資料日付 | 2025年7月22日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 欧州食品安全機関(EFSA)は7月22日、その他の経口ばく露源からの寄与を含む食品及び飲料水中のフッ化物に関する消費者リスク評価の更新に関する科学的意見書の平易な言葉による要約を公表した。概要は以下のとおり。 1. 科学的意見書の背景 ・フッ化物は、虫歯を抑制する天然に存在する元素である。 ・ヒトの主なばく露源は、飲料水(自然由来又はフッ化物添加)、食品、フッ化物添加塩、歯磨き粉である。欧州連合(EU)では、公衆飲料水へのフッ化物添加はごく一部の加盟国で実施されているが、販売される歯磨き粉の約90%にフッ化物が含まれている。 ・2013年、EFSAはフッ化物のベネフィットを評価し、虫歯予防効果のための適正摂取量(AI)を決定した。2005年、EFSAは子供と成人における歯や骨のフッ素症(fluorosis)等の有害影響を防止するため、年齢層ごとの耐容上限摂取量(UL)を決定した。 ・この更新されたリスク評価では、フッ化物の潜在的な健康リスクを、神経毒性と発達神経毒性(DNT)に焦点を当てて検討している。また、甲状腺と骨への健康リスクも検討している。 2. EFSAに求められたことは何なのか? ・欧州委員会(EC)は、食品と飲料水からのフッ化物の消費者リスク評価を更新するようEFSAに依頼した。 ・この要請は、フッ化物摂取と子供のDNTとの関連性を示唆する最近の研究結果に基づき、EUの法定最大量(1.5 mg/L)未満の飲料水中の濃度でもリスクが存在する可能性が指摘されたためである。 ・EFSAは、現在の安全基準が適切であるかどうかを確認するため、関連する全てのハザード情報とフッ化物の潜在的な全ての摂取源をレビューするよう求められた。 3. EFSAはどのようにこの作業を実施したのか(及び使用されたデータは何なのか)? ・健康リスクを評価するため、EFSAはフッ化物の影響に関する科学的研究を系統的にレビューし、特に中枢神経系(CNS)への影響(DNTを含む)及び甲状腺と骨への影響を優先した。 ・フッ化物の総摂取量を確定するため、評価では食品、飲料水、フッ化物添加塩、歯科用製品等、主要な摂取源を全て組み合わせた。 ・このレビューは、2005年から2024年までに発表された科学的文献を主に根拠とし、EFSAとEU加盟国の当局から提供された食品と水におけるフッ化物濃度の最近のデータも考慮した。2005年以前の関連文献と2024年以降の文献も検討された。 4. 結果は何なのか? ・EFSAの専門家は、神経発達リスクから保護するためのフッ化物の安全摂取量として、妊娠中の女性(胎児のDNTから保護するため)は1日あたり3.3 mgを決定した。この摂取量は、8歳以上のその他の成人と子供にも適用される。この安全摂取量(safe intake level)は、甲状腺や骨への有害影響のリスクからも保護する。 ・子供におけるフッ化物のULは、歯のフッ素症やその他の有害影響を予防するため、次のように設定された。乳児(1歳未満)は1日あたり1 mg、幼児(1歳~3歳)は1日あたり1.6 mg、4歳~8歳の小児は1日あたり2 mg。 ・飲料水中のフッ化物濃度がEUの法定基準値(1.5 mg/L)の場合、フッ化物の総ばく露量が新たに設定されたUL及び安全摂取量を超えることが判明した。 ・EFSAに提出された実際の飲料水中の濃度データによると、サンプルの86%以上が0.3 mg/L未満のフッ化物濃度を示し、97%以上が0.7 mg/L未満のフッ化物濃度を示した。 ・これらのデータに基づき、EFSAは欧州の飲料水における通常のフッ化物濃度において、フッ化物の総ばく露量が安全摂取量又は年齢層ごとに定められたULを超えない(4歳~8歳の小児を除く)ため、健康上の懸念はないと推定した。 ・同じシナリオの下で、歯科用製品を100%摂取するという最も保守的な(conservative)仮定の場合、4歳~8歳の小児において軽度のフッ素症が発生し、この期間に生える大臼歯に影響を与える可能性がある。 5. 制限事項/不確実性は何なのか? フッ化物のUL及び安全摂取量を設定する際、EFSAはいくつかの重要な不確実性を考慮した。これらの不確実性は、主に以下の2つの領域に分類される。 ・ハザード評価: (1) フッ化物濃度が1.5 mg/L未満の飲料水におけるヒトの神経発達への影響に関する一貫性のないエビデンス、(2) 骨、甲状腺、又はCNSにおける有害影響が出始める閾値に関する不確実性、(3) フッ化物がどのように作用し、体内でどのように移動するか(動力学)という報告された影響の不明確な科学的説明。 ・ばく露評価: (1) 一部のEU加盟国における飲料水中のフッ化物濃度のデータ不足、(2) 分析化学手法の限界により、一部の食品中の不明確なフッ化物濃度、(3) 歯科用製品からのばく露に関する限定的なデータ(使用量、使用頻度、摂取量)。 これらの不確実性を考慮しても、平均的な消費者における懸念の可能性は高くならなかった。 6. 主な推奨事項は何なのか? ・追加の研究の実施: フッ化物の神経発達への影響について、水中の濃度1.5 mg/L未満での追加の研究が必要である。また、フッ化物の体内動態(動力学)と生物学的活性に関する研究も重要である。 ・フッ化物の飲料水基準値のレビュー:飲料水中のフッ化物の現在の法定基準値を、潜在的な健康リスクから十分な保護を提供するかどうかを確認するため、レビューする必要がある。 当該科学的意見書は以下のURLから閲覧可能。 https://doi.org/10.2903/j.efsa.2025.9478 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
情報源(報道) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
URL | https://www.efsa.europa.eu/en/plain-language-summary/updated-consumer-risk-assessment-fluoride-food-and-drinking-water-including |