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資料管理ID syu06540860475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、仏領アンティル諸島におけるシガテラのリスクの高い魚種の調査に関する意見書を公表
資料日付 2025年7月11日
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概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は7月11日、仏領アンティル諸島におけるシガテラのリスクの高い魚種の調査に関する意見書を公表した。概要は以下のとおり。
 シガテラは、海洋性毒素であるシガテラ毒素に汚染された熱帯性の魚の喫食による食中毒である。この中毒は、消化器、皮膚、心血管、神経系の障害の原因となり、これらは数週間さらには数か月続くことがある。シガテラの症例に見られるかゆみから、この中毒は「gratte(※訳注: かゆみ、むずがゆさの意)」と名づけられた。ANSESは予防策を強化するため、仏領アンティル諸島においてシガテラのリスクの高い60種を超える魚種のリストを作成した。
 シガテラの原因であるシガテラ毒素は、加熱調理や冷凍に強く、魚の味を損なわない。当該毒素は、サンゴ礁に生息する微細藻類によって産生される。シガテラ毒素は小型の草食魚に摂取され、それらが肉食魚(アジ科の魚、ハタ、ウツボ、カマス等)に摂取され、その体内に蓄積される。シガテラ毒素は、海洋軟体動物からも見つかることがある。
1. シガテラに罹っているかどうか、どうすれば分かるのか?
 中毒の最初の徴候は、大抵の場合、消化器系の徴候で腹痛、吐き気、嘔吐、下痢等である。これらの徴候は、汚染された魚を喫食して数分後から数時間後に現れる。こうした徴候の後すぐに、手足や顔のちくちくする感じやかゆみ(そのため「gratte」という名がついている)、温冷感覚の逆転、筋肉痛、多量の発汗など数週間続くことのある神経系の障害が生じる。心拍数の低下や血圧低下も生じることもあり、3~4日間続くことがある。
 熱帯性の魚の喫食後に症状が出た場合は、医療専門家の診察を受けることが推奨される(そして可能であれば、分析できるように食事の残りを保管することが推奨される)。
2. 仏領アンティル諸島におけるシガテラのリスクの高い魚種は合計で67種
 シガテラ毒素に汚染された魚は、主として世界中の熱帯・亜熱帯の海洋に見られる。フランスの海外領土、特に仏領アンティル諸島のグアドループ島とマルティニーク島、ニューカレドニア、そして仏領ポリネシアに被害が及んでいる。
 食品総局(DGAL)は、ANSESの「海洋性生物毒素」ナショナルリファレンスラボラトリーと連携し、2002年~2021年に仏領アンティル諸島で発生したシガテラ症例を調査した。シガテラ毒素を調べるために魚の検体採取を行った。
 これらの検体は、共同検査室サービス(SCL)の検査室(マルセイユ)でも分析され、DNA分析で中毒に関与した魚種が特定された。このように収集されたデータは、仏領アンティル諸島でシガテラのリスクの高い魚種を特定するためにANSESに託された。
 ヒトの中毒と関連している魚の検体の分析に基づいて行われた専門家による評価作業は、科学文献のデータで補完され、仏領アンティル諸島におけるシガテラのリスクの高い魚類67種のリストが作成された。これらの魚種は主にハタ科、アジ科、アジ科ブリ属、フエダイ科に属する。
 ANSESはこの情報を、消費者(居住者か行楽客かに関わらず)と漁業者に周知することを勧告する。
3. 中毒を避けるにはどうすればよいか?
・魚を購入する際には、魚屋や漁業者に確認し、リスクの高い魚種を食べないようにすること。
・魚種が疑わしい場合は、食べないこと。
・最も毒性のある部位(頭部、内臓、臓物)は避けること。
4. 中毒の場合はどうすればよいか?
・毒物管理センターに電話する又は医師の診察を受けること。
・心臓の機能障害(血圧低下、徐脈)がある場合は、直ちに15番(※訳注:緊急医療救助サービス(SAMU))又は112番(※訳注: 欧州共通緊急電話番号)、聴覚障害のある人の場合は114番に電話すること。
・医師の指示なしに医薬品を服用しないこと。特定の医薬品は症状を悪化させることがある。
・食事や魚の残りは、毒素の分析ができるように冷凍庫に保管すること。
・最初の中毒の後、特定の食品や飲料が症状を再発させることがある。毒物管理センターの助言を求めること。
 当該意見書(64ページ、フランス語)は以下のURLから閲覧可能。
https://www.anses.fr/sites/default/files/TOXICOVIGILANCE2023-AST-0213.pdf
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL https://www.anses.fr/fr/content/ciguatera-aux-antilles-francaises-renforcer-linformation-sur-les-especes-de-poissons-intoxication