食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06540660294 |
タイトル | 世界保健機関(WHO)、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及びリスク評価報告書(2025/5/28~7/1)を公表(鳥インフルエンザA(H5)ウイルス) |
資料日付 | 2025年7月1日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 世界保健機関(WHO)は7月、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及びリスク評価報告書(2025/5/28~7/1)を公表した(7ページ)。鳥インフルエンザA(H5)ウイルスに関する概要は以下のとおり。 ・現在の状況 2025年5月27日の前回のリスク評価以降、A(H5N1)ウイルス感染による検査確定ヒト症例がバングラデシュ及びインドで1例ずつ検出された。またカンボジアからは8例のA(H5N1)ウイルス感染によるヒト確定症例がWHOに報告された。 1. A(H5N1)、バングラデシュ 2025年5月31日、バングラデシュはWHOに対し、病院ベースのサーベイランスを通して検出されたChittagong管区の小児における鳥インフルエンザA(H5)のヒト確定症例1例を通知した。患者は5月21日に下痢、発熱及び軽度の呼吸器症状により入院し、入院時に呼吸器検体が採取された。5月28日、IEDCR(Institute of Epidemiology, Disease Control & Research)はRT-PCR検査により鳥インフルエンザA(H5)の感染を確認した。その後、N-type(ノイラミニダーゼ亜型)がN1であることが確認された。患者は回復しており、発症前に裏庭家きん(backyard poultry)へのばく露があったことが報告されている。当該症例の接触者から新たな症例は検出されなかった。 本事例は、2008年にダッカ管区で最初の症例が報告されて以降、バングラデシュからWHOに報告された11例目のインフルエンザA(H5N1)ウイルスによるヒト感染例であり、2025年に確認された3例目の症例である。 2. A(H5N1)、カンボジア 2025年5月29日から7月1日までの間に、カンボジアはA(H5N1)ウイルス感染による検査確定症例8例をWHOに通知した。症例の概要は以下のとおり。 年齢及び性別、州、発症日等、転帰の順に記載 1. 11歳・男性、Kampong Speu、2025年5月18日、死亡 2. 65歳・女性、Takeo、2025年6月4日、回復 3. 19か月・男性、Takeo、2025年6月7日、死亡 4. 52歳・男性、Svay Rieng、2025年6月14日、死亡 5. 41歳・女性、Siem Reap、2025年6月18日、入院中 6. 46歳・女性、Siem Reap、2025年6月23日検体採取、無症状 7. 16歳・男性、Siem Reap、2025年6月27日検体採取、無症状 8. 36歳・女性、Siem Reap、2025年6月23日、入院中 上記のすべての症例は、病気又は死んだ裏庭家きんへのばく露があった。直近の症例は、Siem Reapの他の3症例とは別の村の症例である。46歳の女性と16歳の男性の症例は同じ家族で、Siem Reapで最初に発見された症例の隣人である。彼らは最初の症例の対応活動中、積極的症例探索の一環で検体採取を受けた(自身の裏庭由来の病気及び死んだ家きんを取り扱っていたため)。公衆衛生部門及び動物衛生部門の緊急対応チームが、当該感染事例を調査し対応するために配備された。 カンボジアでは2025年に11例のA(H5N1)ウイルスによるヒト感染例が確認され、うち6例が死亡している。2025年のこれらの症例はすべて、飼育鳥類又はその環境へのばく露があった。いくつかの症例では、その飼育鳥類が病気や死んでいたことが報告されている。インフルエンザA(H5N1)ウイルスは、ヒト症例が検出された地域を含め、2025年もカンボジアの飼育鳥類から検出され続けている。情報が入手可能なものについては、ヒト症例から得られたウイルスの遺伝子配列データは、最近の現地の動物のウイルスから得られた配列と高い一致率を示し、クレード2.3.2.1eのウイルスと同定されている。最近のヒト症例に関するこれまでの入手情報からは、A(H5N1)ウイルスのヒトからヒトへの伝播を示すものはない。 3. A(H5N1)、インド H5クレード2.3.2.1a に属するA(H5N1)ウイルスによるヒトの感染が、2025年5月にKarnataka州の1人の男性から採取された検体で検出され、患者はその後死亡した。遺伝子配列データはGISAIDで入手可能である(EPI_ISL_19893416、提出日2025年6月4日、ICMR-国立ウイルス学研究所、インフルエンザ)。 国際獣疫事務局(WOAH)への報告によると、アフリカ、アメリカ大陸、アジア及び欧州の野鳥及び飼育鳥類において、様々なインフルエンザA(H5)亜型のウイルスが継続的に検出されている。また、海生哺乳類や陸生哺乳類を含め、ヒト以外の哺乳類の感染も報告されている。HPAI A(H5)ウイルスに罹患した鳥類及び哺乳類種のリストは国際連合食糧農業機関(FAO)が保持している。 ・リスク評価 (1)鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルス感染による更なるヒト症例の現在の世界的な公衆衛生上のリスクは? 現在までのヒト症例のほとんどは、例えば感染した家きん又は生きた家きん市場等の汚染された環境、また時には感染した哺乳類や汚染された環境との接触を通じてA(H5)ウイルスにばく露された人々の感染である。当該ウイルスは、ヒトが接触する動物や関連環境中で検出され続けており、このようなばく露に関連する更なるヒト症例の発生が予想されるが、それは稀である。更なる症例が検出されたとしても、公衆衛生上の影響はごく小さい。新たなヒト症例の現在の全体的な世界的公衆衛生リスクは低い(low)。 (2)上述の事例に関連する鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスがヒトからヒトへ持続的に伝播する可能性は? 最近報告された鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスのヒト感染に関連した持続的なヒトからヒトへの伝播は確認されていない。2007年以降、A(H5N1)ウイルスのヒトからヒトへの伝播は報告されていないが、調査においてはギャップが存在する可能性がある。2007年以前では、医療従事者が関係したものも含む、ヒトにおける小規模なA(H5)ウイルス感染クラスターが報告され、これらにおいては限定的なヒトからヒトへの伝播は否定できなかったが、持続的なヒトからヒトへの伝播は報告されていない。 現在のエビデンスでは、これらの事例に関連するインフルエンザA(H5N1)ウイルスはヒト間での効率的な伝播能力を獲得していないことが示唆されているため、今のところ、持続的なヒトからヒトへの伝播の可能性は低いと見られる。 |
地域 | その他 |
国・地方 | その他 |
情報源(公的機関) | 世界保健機関(WHO) |
情報源(報道) | 世界保健機関(WHO) |
URL | https://www.who.int/publications/m/item/influenza-at-the-human-animal-interface-summary-and-assessment--1-july-2025 |