食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06540580545 |
タイトル | 英国健康安全保障庁(UKHSA)、2023年の志賀毒素産生性大腸菌(STEC)のデータを公表 |
資料日付 | 2025年7月1日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 英国健康安全保障庁(UKHSA)は7月1日、2023年の志賀毒素産生性大腸菌(STEC)のデータを公表した。概要は以下のとおり。 ・2023年の要点 1. 全体として、2023年にイングランドではSTECの培養確認症例が2,018例報告され、2022年と比較して2.2%減少した。 2. 2023年にイングランドではSTEC O157の培養確認症例が合計533例報告され、2022年の762例と比較し、30%減少した。2023年にイングランドでは合計2,260例の非O157 STEC症例が報告された(1,485例の培養確認症例、及びPCR検査でstx遺伝子陽性であったものの培養では陰性であった糞便検体による775例)。これは、2022年と比較して14%、2019年と比較して125.6%の増加であった。培養確認された非O157症例の中で最も多く分離された血清群はSTEC O26であった(1,485例中256例、17.2%)。 3. 2022年と同様、STEC O157感染症の年間発生率が最も高かったのは1~4歳の子どもであった(10万人あたり4.01例、95%信頼区間(CI):3.27~4.88)。2022年と同様に、STEC非O157による感染症の発生率が最も高かったのは1歳未満の子どもであった(人口10万人あたり12.74例、95%CI:9.98~16.01)。 4. 情報が入手できた症例において、イングランドで確認されたSTEC O157症例の約3分の1(28.3%、494例中140例)及びSTEC非O157症例の3分の1(32.1%、726例中233例)が入院した。STEC O157症例とSTEC非O157症例の入院の割合は前年度と同程度であった。STEC O157症例で1例の死亡が報告され、STEC非O157症例では2例の死亡が報告された。 5. 情報が入手できた症例において、STEC O157症例の2.1%(533例中11例)及びSTEC非O157症例の1.7%(2,260例中39例)で溶血性尿毒症症候群(HUS)の発症が報告された。STEC O26確定症例の約10%(26例)がHUSを発症した。 6. 2023年に228例の症例(うち145例がイングランド在住)が関係する7件のSTEC集団感染が調査された。1件はSTEC O157、3件はSTEC O145、2件はSTEC O26、1件はSTEC O183が関与していた。7件の集団感染すべてにおいて、疑われる又は確認された感染源が特定され、これらには牛肉、サラダ用葉物野菜、キュウリ、ドライフルーツ、乳製品が含まれていた。 ・結論 2023年に入っても、国家サーベイランスへのSTEC症例の届出数は継続的に増加しており、非O157 STECが要因となっている。近年、O157の確定症例数は減少傾向にあり、2023年の症例数は2019年のCOVID-19以前の水準と同程度である。2023年のO157の割合は2022年より低く、これは2022年の大規模なSTEC O157集団感染の影響である可能性が高い。 2023年のSTEC O157の季節性は、初夏にかけて徐々に増加し、冬にかけて減少する曲線的なパターンを示している。2023年の非O157 STECの季節性は、STEC O157よりも早い時期に増加し、O157とは異なり、冬期にも高い水準を維持しているように見られる。 O157感染の年齢・性別分布は2022年と類似しており、最も高い罹患率が見られたのは1~4歳の年齢グループであった。STEC O157症例のうちHUSを発症した割合は2.1%で前年と同程度であったが、疾患により入院した症例の割合は2022年の30.9%から2023年には28.3%と、やや減少し、パンデミック前の数年と同水準に戻った。 非O157 STEC感染の検出数は2021年以降増加を続けており、COVID-19以前に観測された傾向が続いている。2022年と同様に、2023年に最も多く検出された非O157血清群はSTEC O26であり、この血清群に感染した症例のHUS発症の割合は10.2%とO157症例(2.1%)より高かった。 2023年の当該報告書における傾向は、引き続き非O157 STECの増加を示している。この傾向は7件の集団感染の影響を受けているが、当該地域での検査手法の向上により、STECの検出数が増加し、それに伴い罹患率も増加する可能性がある。サラダ用葉物野菜と生鮮農産物は、引き続きSTEC集団感染の重要な発生源であり、これらの食品を対象とした特定の介入策が、さらなる集団感染の発生防止に重要である。COVID-19パンデミック時の介入策のSTEC症例の発生率への影響は弱まっている可能性が高く、真の傾向とSTECの疫学的変化はパンデミック前の水準に戻っている。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | 英国 |
情報源(公的機関) | 英国健康安全保障庁(UKHSA) |
情報源(報道) | 英国健康安全保障庁(UKHSA) |
URL | https://www.gov.uk/government/publications/escherichia-coli-e-coli-o157-annual-totals/shiga-toxin-producing-escherichia-coli-stec-data-2023 |