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資料管理ID syu06540050324
タイトル 米国環境健康科学研究所(NIEHS)、ヒ素はDNA損傷と炎症を介して卵巣がんを促進する可能性があるとする研究論文について公表
資料日付 2025年7月1日
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概要(記事)  米国環境健康科学研究所(NIEHS)は7月、ヒ素はDNA損傷と炎症を介して卵巣がんを促進する可能性があるとする研究論文について公表した。概要は以下のとおり。
 NIEHSの一部支援を受けた研究者らによると、ヒ素はDNA損傷と炎症性シグナル伝達経路との相互作用を介して、卵巣がんに寄与する可能性がある。
 ヒ素は、地下水や特定の食品によく含まれる有毒元素であり、公衆衛生上の大きな懸念となっている。長期的なばく露は、卵巣がんを含む数種類のがんに関連している。しかし、この関連性の根底にある正確なメカニズムは、不明なままであった。
 この研究で当該研究者らは、卵巣表面及び卵管に由来するヒト培養細胞を用いて、慢性的なヒ素ばく露の細胞及び分子への影響を調べた。その結果、ヒ素への長期ばく露は細胞に毒性を示し、複数の核を持つ異常に大きな細胞が形成されることが明らかになった。これらの損傷した細胞の一部は、慢性的な毒性ストレスによって死滅した隣接細胞由来の残骸を取り込んでいるのが見られた。さらに、ヒ素にばく露された細胞は、DNA損傷、核の異常、がん幹細胞のマーカー、及びサイトカインと呼ばれる分子を介した炎症の主要な促進因子であるNF-κB経路の活性化の兆候を示した。
 まとめると、当該結果により、ヒ素へのばく露が炎症とゲノムの不安定性を引き起こすことによって、がんの増殖を促進する可能性のあることが示唆されている。著者らによると、この研究は卵巣がんの早期発見と治療の改善に役立つ可能性がある。
 Toxicology and Applied Pharmacology誌(vol. 500、2025年7月、117394)に掲載された当該研究論文「卵巣表面及び卵管の培養細胞に対する慢性的なヒ素ばく露は、貪食様特性と炎症性表現型を有する巨大細胞及び/又は多核細胞を誘導する(Chronic arsenic exposure of ovarian surface and fallopian tube cultures induces giant and/or multinucleated cells with phagocytosis-like properties and an inflammatory phenotype)、著者Andrade-Feraud CMら」は以下のURLから閲覧可能。
https://doi.org/10.1016/j.taap.2025.117394
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) 米国環境健康科学研究所(NIEHS)
情報源(報道) 米国環境健康科学研究所(NIEHS)
URL https://factor.niehs.nih.gov/2025/7/papers/dert#a1