食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06530200475 |
タイトル | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、カンゾウの食品としての摂取に関連するリスク評価に関する報告書を公表 |
資料日付 | 2025年6月12日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は6月12日、カンゾウの食品としての摂取に関連するリスク評価に関する報告書を公表した。概要は以下のとおり。 カンゾウは、特定の食品サプリメントの原料として、また飲料や食品に風味をつける添加物として使用されている。重篤な場合もある有害影響に関する多数の報告を受け、ANSESはカンゾウ含有製品の摂取に関連するリスクを評価した。この専門家による評価の結果、カンゾウを含有する飲料・食品を繰り返し大量に摂取すると、低カリウム血症(血液中のカリウムの低下)や高血圧を引き起こす可能性があり、その結果として、心血管系リスクを高めることがわかった。妊娠中や授乳中の女性、小児、心血管障害(特に高血圧)、腎臓障害、肝臓障害を患う人々など、特定の人々は、特に感受性が高い。ANSESは、カンゾウ又はその主な有効成分であるグリチルリチン酸が、少量でも含まれていることを食品の表示に記載することを勧告する。 カンゾウは、根の消化促進特性が着目され、食品サプリメントの配合によく用いられる植物である。その成分の一つであるグリチルリチン酸とそのアンモニウム塩は、欧州レベルで食品香料(E 958、訳注1参照)として認可されている。 欧州指令(訳注2参照)では、食品及び飲料中のそれらの濃度がある閾値を超える場合、その識別表示が義務付けられている。表示には、含有量に応じて「カンゾウを含有する/高血圧を患っている人は過剰な摂取を避けなければならない」と記載する必要がある。 ・100例を超える有害影響の事例を分析 ANSESは、ニュートリビジランス(nutrivigilance)の枠内で報告された、及び、毒物管理センターによって報告された、カンゾウ含有製品の摂取に関連する100例を超える有害影響の事例を分析した。これらの症例、ならびに科学文献で調査報告された症例は、心血管系の合併症を引き起こす可能性がある低カリウム血症及び高血圧の症状を明らかにしており、多くはカンゾウを含有する飲料及びコンフィズリー(confiserie)(※訳注: キャンディー等の砂糖菓子)の大量かつ反復的な摂取に関連していた。 また、低カリウム性利尿剤、刺激性緩下剤、グルココルチコイド、ジギタリス(ジゴキシン)、降圧剤、及び心拍障害である「トルサード・ド・ポワント(torsades de pointes)(※訳注: 多形性心室頻拍の一種)」を引き起こしうる薬剤など、数種類の薬剤との相互作用のリスクが記述されている。 ・カンゾウの摂取に関連する高血圧のリスクについて、より適切に情報を提供する ANSESは、食品中の最大許容濃度に基づき、カンゾウを摂取する成人の約60%と子供の40%以上が、この専門家による評価の枠内でANSESが設定した毒性学的な基準(毒性学的指標値)を超えていることを確認した。 したがって、ANSESは、少量であっても食品にカンゾウが含まれている場合、その旨を食品の表示に記載して消費者に知らせることを推奨する。 また、消費者に以下を勧告する: ・カンゾウの摂取源の重複を避けること(アルコール入りの又はアルコールを含まないパスティスタイプの飲料、シロップ、コンフィズリー、ハーブティー、食品サプリメント)。 ・心血管疾患(特に高血圧)、腎疾患、肝不全、低カリウム血症、妊娠中又は授乳中の場合、ならびに薬剤相互作用の可能性が疑われる場合は、カンゾウの摂取をすべて医療専門家に報告すること。 当該意見書・報告書(158ページ、フランス語)は以下のURLから閲覧可能。 https://www.anses.fr/fr/system/files/AP2022-AUTO-0077RA.pdf (訳注) 1. 食品添加物に関する規則(EC) No 1333/2008(2025年4月23日現行版)において、「E 958 グリチルリチン酸及びそのアンモニウム塩」の収載はない。 https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX%3A02008R1333-20250423 香料物質のリストを採択する施行規則(EU) No 872/2012において「FL 16.012 グリチルリチン酸」、「FL 16.060 グリチルリチン酸アンモニウム塩」として収載されている。 https://eur-lex.europa.eu/eli/reg_impl/2012/872 飼料に関しては、施行規則(EU) 2017/64により、グリチルリチン酸モノアンモニウムは全ての動物種に供する飼料添加物として以下の通りに認可されている。 区分:官能的添加物(sensory additives) 機能グループ:香料化合物(flavouring compounds) 2. 正しくは、消費者への食品情報の提供に関する規則(EU) No 1169/2011にて規定されている。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
情報源(報道) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
URL | https://www.anses.fr/fr/content/reglisse-attention-la-surconsommation-pour-eviter-les-risques-dhypertension |