食品安全関係情報詳細
| 資料管理ID | syu06500270149 |
| タイトル | 欧州食品安全機関(EFSA)、食事による残留農薬の累積リスク評価を実施するための肝臓に及ぼす特異的な影響に関する科学的報告書を公表 |
| 資料日付 | 2025年5月5日 |
| 分類１ | - |
| 分類２ | - |
| 概要（記事） | 欧州食品安全機関(EFSA)は2025年5月5日、食事による残留農薬の累積リスク評価を実施するための肝臓に及ぼす特異的な影響に関する科学的報告書(2025年4月7日承認、PDF版33ページ、 https://doi.org/10.2903/j.efsa.2025.9409)を公表した。概要は以下のとおり。 EFSAは、欧州委員会保健衛生・食の安全総局(EFSA-SANTE)の残留農薬に関する累積リスク評価(CRA)行動計画に準拠して、残留農薬の肝臓への影響に関する遡及的(retrospective)なCRAを開始した。EFSAの内部委任は、残留農薬のCRAにおいて関連する肝臓特異的な影響の特定に焦点を当てており、この活動は専門家からなる作業部会(WG)の支援を受けて実施された。EFSAは、毒性病理用語・診断基準の国際統一化事業(INHAND)に従い、以下の肝臓特異的な影響を特定した。(1) 酵素誘導による肝臓の肥大、 (2) 肝細胞の脂肪化及び/又はリン脂質症、(3) 肝細胞の変性/細胞死、(4) 肝細胞、胆管のポルフィン症、(5) 肝細胞、胆管の胆汁鬱滞、(6) 肝細胞の前がん性変化及び腫瘍性変化、(7) 胆管の腫瘍性変化。胆嚢において以下の特異的な影響が特定された。(1) 胆嚢のびらん/潰瘍、(2) 胆嚢の結石、(3) 胆嚢の腫瘍性変化。組織病理学は、相対的肝重量の増加と合わせてエビデンスの最も適切な情報源とされ、様々な特異的な影響を説明する一次指標(すなわち、規制当局の試験における測定可能な毒性学的エンドポイント)のリストが、その同義語と共に作成された。さらに、主要な毒性傷害の結果や進行に関する情報を含む二次指標のリストが提供された。一次指標は、物質を対応する累積評価グループ(CAG)に含めるきっかけ(trigger)となるが、二次指標は、この包含の妥当性を補強するエビデンスのみを構成する。毒性試験で通常収集されるその他の肝臓の補助的なエンドポイント(肉眼的病理所見、臨床病理パラメータ、肝ミクロソーム酵素)は、特異的な影響を示すのに十分な情報がないため、WGによって指標として考慮されなかった。ただし、CAGに含める確率(CAG-membership probability)(すなわち、有効成分/代謝物が実際に該当する特異的な影響を引き起こしている可能性)の評価を容易にするため、リスクドライバーに関する一部の補助的なエンドポイントは収集された。 WGは、有効成分/代謝物をCAGに包含するための基準を定義し、主な基準は、規制当局の毒性学的試験における特異的な影響の一次指標において、統計的に有意かつ/又は生物学的に関連する変化が少なくとも1つ認められることである。各物質は、その特異的な影響に関する一次指標を示す利用可能な経口試験の全体に基づいて、その特異的な影響に対する全体的な無毒性量(NOAEL)と全体的な最小毒性量(LOAEL)を割り当てることで、その毒性を特性評価した。 最後に、リスクドライバーについて、WGは、CAGに含まれる物質が該当する特異的な影響を引き起こす可能性を評価するための一連のエビデンス(LoE)を設定し、その強さ(高、中、低)を評価して、各LoEが検討中の影響(CAGに含める確率)との因果関係における寄与度を評価した。 肝臓への影響を調査するために必要な毒性学的試験のデザインが、急性ばく露後の発生する可能性のある影響を特定するのに適していないため、肝臓への急性の影響に関するCAGの設定は適切でないと考えられた。したがって、CRAは慢性の影響にのみ焦点を当てる。 WGのアウトプットと公開協議からのフィードバックに基づき、特定された特異的な影響、その指標及び補助的なエンドポイント、CAG設定の基準、ハザードの特性評価の手法、及びCAGに含める確率の一連のエビデンスが最終化された。 当該作業の次のステップであるデータの抽出とCAGの設定は、オーストリア保健・食品安全局(AGES、オーストリア)に、枠組みパートナーシップ協定(FPA)GP/EFSA/PREV/2023/03に基づき委託された。データはAGESが開発したテンプレートを使用して収集される。この作業の結果とCAGの構成(別の報告書)は、EFSAのウェブサイトで公開される予定である。 |
| 地域 | 欧州 |
| 国・地方 | EU |
| 情報源（公的機関） | 欧州食品安全機関（EFSA） |
| 情報源（報道） | 欧州食品安全機関（EFSA） |
| URL | https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/9409 |