食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06490790149 |
タイトル | 欧州食品安全機関(EFSA)、新食品としてのClostridium butyricum TO-Aの安全性に関する科学的意見書を公表 |
資料日付 | 2025年5月2日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 欧州食品安全機関(EFSA)は5月2日、規則(EU) 2015/2283に準拠する新食品としてのClostridium butyricum TO-Aの安全性に関する科学的意見書を公表した(3月24日採択、PDF版15ページ、https://doi.org/10.2903/j.efsa.2025.9371)。概要は以下のとおり。 《背景》 欧州委員会の要請を受け、EFSAの栄養・新食品・食物アレルゲンに関するパネル(NDAパネル)は、規則(EU) 2015/2283に準拠する新食品としてのClostridium butyricum TO-Aに関し、科学的意見を表明するよう求められた。 2022年、EFSAの動物飼料に用いる添加物・製品・物質に関するパネル(FEEDAPパネル)は、細菌3種 - 当該新食品Clostridium butyricum TO-A(FERM BP-10866)、Bacillus subtilis(FERM BP-07462)、Enterococcus lactis(FERM BP-10867) - を組み合わせた生細胞/胞子を主原料とする飼料添加物BIO-THREE(商標)を評価している。FEEDAPパネルは、BIO-THREE(商標)は提案された使用条件下において、対象種(鶏、七面鳥、鳥類全て)に対して安全であると結論し、当該添加物を投与された動物由来製品の摂取者に対しても安全であると結論した。当該評価を受け、当該飼料添加物は欧州委員会施行規則(EU) 2024/2185により認可されている。 《評価及び議論》 本申請の対象である当該新食品は、絶対嫌気性の胞子形成菌であり、グラム陽性Clostridium属に属するC. butyricum TO-Aを乾燥させた製品である。嫌気性発酵により生産され、バイオマスは遠心分離用いた分離の後に乾燥され、ジャガイモデンプンと混合される。 当該新食品は、指令2002/46/ECにて定義される食品サプリメントへの利用が提案されている。申請者提案の対象集団は、生後3ヶ月未満の乳児を除く一般集団である。 申請者は当該新食品の性質、中でも、細胞と胞子、それぞれの割合を明確にするよう要請された。申請者は回答として当該新食品5バッチの細胞及び胞子の分析結果を提示し、当該新食品は胞子と栄養細胞の混合物であり、約85%(範囲:74%~89%)が胞子であると明示した。 当該菌株は、「微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約」に従い、独立行政法人製品評価技術基盤機構(nite)に番号FERM BP-10866として寄託されており、申請者は寄託証明書を提供している。 C. butyricum TO-Aの全ゲノム、保持しているプラスミドpCBTOA1及びpCBTOA2の塩基配列が決定され、全ゲノム配列(WGS)が提供された。WGSデータを利用したTO-A株の分類学的同定、さらに、薬剤耐性遺伝子及び潜在的な毒性・病原性因子の存在に関わる評価が実施されていることから、NDAパネルは、当該新食品は十分に特性評価されており、安全性上の懸念は提起されないと判断する。 当該新食品の製造工程、成分組成、安定性、規格について提供された情報は十分であり、安全性上の懸念は提起されない。 C. butyricum TO-Aは、3種の細菌を組み合わせた製品(BIO-THREE(商標))の構成成分として、中国、台湾、日本において数十年に渡りヒト向けに販売されている。 提供された遺伝毒性試験の結果を考慮し、NDAパネルは、全体として当該新食品の遺伝毒性に関して懸念はないと判断する。Sprague-Dawleyラットを用いた90日間経口毒性試験1件が提出され、当該試験において、C. butyricum TO-Aは9 x 10の8乗コロニー形成単位(CFU)/kg体重/日の用量にて試験されており、NDAパネルは当該用量を無毒性量(NOAEL)と特定した。種間及び種内変動(10 x 10)、試験期間(亜慢性から慢性、x 2)からなる不確実性係数200を考慮した結果、ヒトに対する安全用量は4.5 x 10の6乗CFU/kg体重/日と算出された。 ヒトの消化管における適切な初期細菌コロニー形成、中でも、生後3年間の適切な初期細菌コロニー形成が乳児期及び小児期の健康に重大な影響を及ぼす点、母体微生物叢が妊娠期間中に母体・胎児間の免疫系の構築に与える影響に関する知見がほとんど得られていない点、幼少期の微生物叢の異常が成人期まで持続的に健康に影響を及ぼす可能性がある点を考慮し、さらに、90日間経口毒性試験が成体ラットを用いて実施されたことから得られた結果をヒトの幼少期に外挿することが阻まれる点を勘案し、NDAパネルは、当該新食品の対象集団を3歳以上の小児・青年・成人に限定し、妊婦及び授乳婦は除外すべきであると判断する。 《結論》 1. 新食品としての安全性に関する結論 NDAパネルは、当該新食品C. butyricum TO-Aは、以下の用量において安全であると結論する。 ・ 3 - 10歳未満の小児: 1.0 x 10の8乗CFU/日 ・ 10 - 14歳の青少年: 2.0 x 10の8乗CFU/日 ・ 14 - 18歳の青少年: 2.8 x 10の8乗CFU/日 ・ 妊婦及び授乳婦を除く成人: 3.2 x 10の8乗CFU/日 2. 規則(EU) 2015/2283第26条に準拠する独自データ保護に関する結論 NDAパネルは、申請者が独自であると主張する、製造工程・栄養分析・C butyricum分析・純度・毒性学的試験に関するデータがなければ、提案された使用条件下における当該新食品の安全性に関する結論に達することはできなかったと考える。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
情報源(報道) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
URL | https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/9371 |