食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06490400295 |
タイトル | 国連食糧農業機関(FAO)、世界の畜産における抗生物質の使用量は2040年までに約30%増加する可能性があるとの研究結果を公表 |
資料日付 | 2025年4月1日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 国連食糧農業機関(FAO)は4月1日、世界の畜産における抗生物質の使用量は2040年までに約30%増加する可能性があるとの研究結果を公表した。概要は以下のとおり。 FAO及び研究パートナーが主導した新たな研究では、畜産の生産性向上が、世界の抗生物質の使用量の実質的な削減の鍵となることを強調している。 的を絞った介入策が実施されない場合、畜産における抗生物質の使用量は2040年までに約30%増加すると予測されている。しかし、Nature Communications誌に掲載された新たな研究では、畜産システムにおける戦略的な生産性の向上によって、予測される抗生物質の使用量が半減する可能性があることがわかった。 この研究では、世界の畜産における抗生物質の使用量は、現状維持のシナリオでは2040年までに143,481トンに増加し、2019年から30%増加すると予測している。しかし、代替のシナリオでは、畜産の生産性が最適化されることで、抗生物質の使用量は、最大57%削減できる可能性があることを示している。動物の衛生、管理慣行、そして生産効率を改善することで、抗生物質の使用量を2040年までに約62,000トンにまで削減できるというのは、世界的な削減目標の達成に向けて、的を絞った介入策を実施することのポテンシャルを示すものである。 「畜産の生産効率の向上は、抗生物質の使用量を抑制する鍵である」と、FAO畜産経済学者であり本研究の筆頭著者であるAlejandro Acostaは述べる。「現在と同じ、あるいはより少ない動物で、より多くの動物由来食品を生産することで、畜産動物への抗生物質のニーズを減らし、世界の食料安全保障を強化することができる。」 このメッセージは、薬剤耐性(AMR)対策に向けた世界的なコミットメントを強調するものである。2024年国連総会AMR宣言は、アグリフードシステムにおける抗菌性物質の使用を、2030年までに大幅に削減することを呼びかけている。この目標達成には、特に食料需要の増加に対応するために畜産が拡大している地域において、多くの課題がある。 「畜産部門のステークホルダーは、疾病予防の改善、監視システムの強化、そして抗生物質への依存を減らしつつ動物の衛生を向上させるイノベーションへの投資に向けて、協力しあう必要がある」と、FAOの上級動物衛生担当官であり、本研究の共著者でもあるJunxia Songは強調する。 FAOはこれらの取り組みを支援するため、最近、「持続可能なアグリフードシステムへの転換に向けた農場での抗菌性物質のニーズの削減(RENOFARM)」というイニシアチブを立ち上げた。このプログラムでは、各国が抗生物質の使用を削減しつつ、持続可能な畜産システムへの転換を推進できるよう、政策ガイダンス、技術支援、及びキャパシティ・ビルディングを提供する。 (中略) 本研究の重要な貢献には、様々な種、生産システム、管理慣行において家畜動物のバイオマス推定の精度を向上させる、「家畜動物バイオマス変換(LBC)」法の導入がある。これにより、抗生物質の使用強度がより正確に推定できるようになり、政策立案者やステークホルダーは、畜産を最適化し、抗生物質への依存を最小限に抑える、より効果的な戦略を策定できる。 当該研究は以下のURLから閲覧可能。 https://www.nature.com/articles/s41467-025-56825-7 |
地域 | その他 |
国・地方 | その他 |
情報源(公的機関) | 国際連合食糧農業機関(FAO) |
情報源(報道) | 国際連合食糧農業機関(FAO) |
URL | https://www.fao.org/newsroom/detail/new-fao-led-study-highlights-that-improving-productivity-is-key-to-reducing-antibiotic-use-in-livestock/en |